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死後の世界  作者: ケイスケ
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死後の世界。 - 第1話:「そして俺は死んだ」

ある日の朝、布団から目が覚めた。




時計の針は、午後2時をさしていた。



人々は午前の活動を終え、午後の活動を始めた頃だろう。



俺にとってはいつもの"朝"だった。







俺は29才童貞ジャパニーズ・ニート。


四六時中、何もヤル気が起きない。



俺は失敗作として生まれてきた。


人より優れた物など何も無い。


誇れる事は、12月25日のクリスマスの日に生まれた事ぐらいだ。


昔はよく めでたいと、もてはやされたものだ。



そして俺は、いつものようにネトゲをしながら朝食を食べ始めた。








【・・・・俺も、昔はこんなんじゃなかった。】







小学校時代、俺はまいにち、野球に明け暮れていた。


友達も大勢居た。毎日たくさんの男子達と外で遊んだ。


すごく楽しかった。




中学校時代、ここから全てが崩れていった。




中学にあがり、なんだかダルくなって野球をやめた。



中2の夏休み明けの始業式の朝、なんだが学校へ行くのがダルかった。



夏休み中はずっと昼まで寝て、あとはテレビとゲーム。


そんな生活をしていたからだろう。




そして1日ぐらいなら、と、軽い気持ちで学校をサボった。


また次の日も。次の日も。結局1週間休んだ。




来週の月曜日からは行こうとしていたが、当日の朝になると


一週間も休んでいたからクラスの奴らに何か言われるんじゃないかと不安になった。



そしてまた休んだ。 完全にサボり癖が付いてしまった。




1ヶ月も経てば、行かないのが当たり前になった。


俺は不登校のグータラの生活を始めた。




それから結局、中学卒業まで1日も学校に行かなかった。


もう友達と呼べる人は 1人も居なかった。





―中学を卒業。





高校は定時制に通うことに決めた。


俺は決心していた。


「今度こそはマジメにやって、友達や彼女を作り、思い切り青春を過ごすんだ」 と。



しかしそんな思いとは裏腹に、俺は誰とも話せなくなっていた。


2年間の引きこもりをし、誰とも話していなかったせいなのか。


コミュ症にもほどが有ると思った。



努力はした。 


しかし頑張れば頑張るほど、不自然な行動をし、嫌われていった。


毎日毎日、何も出来ない自分に悔しくて泣いていた。




そして高校にも行かなくなった。




その後すぐにバイトを始めてみた。でもすぐに止めた。


やはり人間関係が上手くいかなかったのが原因だ。





そして俺は、また引きこもり生活をスタートした。




午後に起き、ネトゲしながら朝食を食い、ネットして、アニメ見て、

夕食を食い風呂に入り、ネトゲして朝になったら寝る。



そんな生活を繰り返した。






そして気付けば俺は29才になっていた。



俺の人生で、本当に楽しかったと言えるのは小学校時代だけだった・・・・・・。





これが俺が 今まで生きてきた経歴だ。








2014年12月25日、俺は30才の誕生日を迎えた。



ちっとも嬉しくなかった。





 

―12月の終わりの頃、見かねた両親についに家を追い出された。



30才になってすぐのことだったので、両親は前から決めていた事なのかも知れない。






その夜、生まれて初めて公園のベンチに寝た。


冬の公園は恐ろしく寒かった。


いつも暖房をガンガンに使ってた俺には身に応えた。



ネトゲが生きがいだった俺は、もう完全に生きる気力をなくしていた。








その6日後、俺は自殺をはかった。






13階建てのマンションから飛び降りることにした。


何も考えず、エレベーターで最上階まで上がっていき、屋上への階段を上がっていった。



屋上へ着き、



フェンスを乗り越え、



そして あっさりと身を宙に投げた。




もうこの世に未練も無いからなのか、本当にあっさりだった。







落ちてる最中、ものすごく長く感じた。


「俺は何のために生まれてきたのだろう」 と くだらない事を考えていた・・・・・・・・。










―そして一瞬の痛みと同時に、俺は死んだ。






(2)に続く

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