第三の男
短編第三弾ですが、違うものです。
俺の名前は皆木宅。別名、第三の男。
今日も俺は、選択という戦いをした。
最初の選択は、朝起きて着替えるかどうかというもの。
着替えるか、着替えないか。
どちらを選ぶか悩んだが、俺は第三の選択肢を作り、実行した。
「ちょっと宅!どうして下はちゃんと着替えてるのに、上はパジャマのままなの!?」
「これがおれの第三の選択肢だ!!」
結局全部着替える羽目になったのだが、一応選択したのだ。俺の勝ちだろう。
次に俺は、朝食を食べてから学校へ行くかどうかという選択に迫られた。
食べてから行くか、食べずに行くか。
どちらを選ぶかなど悩まず、俺はすぐに第三の選択肢を作り、実行した。
「行ってきまーす!」
「なんで歯ブラシしながら学校へ行くのよ!?」
見事に怒られ朝食を食べる羽目になったのだが、勝敗としては俺の勝ちだろう。
次に、遅刻ギリギリで学校へついてたら、選択を迫られた。
生徒会に怒られるか、教師に怒られるか。
俺はそんなことなどお構いなしに第三の選択肢を作り、実行した。
「あ、こら!皆木君!逃げるんじゃない!」
「皆木!貴様また遅刻しそうになっただろ!!」
「さらばだっ!」
結局つかまって両方から説教を受けた。しかしこれはこれで選択としてはありだろうと思い、俺は勝ったんだと誇りに思った。
その次の選択は授業中だった。
質問に手を挙げるべきか否か。
俺は少し考え第三の選択肢を作り、実行した。
「はいっ」
「皆木。答えてみろ」
「腹が痛いんでトイレ行ってきます」
「………今はそんなこと言わせるために手を上げさせたんじゃないんだが、行って来い」
先生がものすごく呆れていたが、その姿を見て俺は勝ったと思った。
昼食をはいつも通り一人で食べ(屋上)、何事もなく過ぎていったが、また選択を迫られた。
それは、下校時だった。
いつも通り一人で帰っていると、道路に百円玉が落ちていた。
拾って交番に届けるか、そのままスルーするか。
これはどうしたものかと考え、少しも時間がかからず第三の選択肢を作り、実行した。
「吹っ飛べ!」
その百円玉はそのまま地面をはねて、自動販売機の上に乗っかった。それを見て俺は内心ガッツポーズをして、勝ったと思った。
家に帰っていつも通りのことをして、俺は最後の選択を迫られた。
それは、寝るか寝ないか。
しばらく考えたが、第三の選択を作れず、寝ることにした。
やはり最後はまけてしまったかと悔しく思いながら、俺の一日は終わった。
俺の名前は皆木宅。別名、第三の男。そんな俺の一日。
感想等、よろしくお願いします。