表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/46

3話

かなーり遅くなりましたorz

土曜日の昼前――九十九市内に内包された商業地区であるこの一帯は、ごった煮のように人で溢れていた。それも強火で炊いているかのごとく。それともある種、とろ火と例える方が適切か……ともかく、雑踏の中で夜斗は億劫を通り越して死にかけていた。

 ――なんだこの人の多さは。

 駅を中心として伸びる雑居ビルの群れはクモの巣のように建っており、その一角を縫うかたちでペデストリアンデッキが存在している。広場と横断歩道鏡を兼ねたその場所は普段これほどまでに人は多くないはずだろうと、夜斗は訝し気になっていたが、ふと自然に雑音の中に透き通った鮮明な歌声が響いた。

 振り返れば、彼に続いて才華、悠霧、空御も耳を傾けていた。

「ストリートライブか、何かか?」

「……っと、これってあれじゃねぇか! 〝ディーヴァ〟の曲」

 ディーヴァ? 聞き慣れない単語ではあるが『歌姫』の意である言葉だろう。今回はおそらく人名を指しているのは伝わった。大げさな名前ではあるが、夜斗はその歌唱がここ一帯に集まる人々の心を掴んでいる状況から〝歌姫〟の称号は伊達では無いなと感じ取った。

「アーティストか?」

「あー……そうですよね。夜斗君、こういうのには極端に疎かったですよね。彼女は動画共有サイトで人気の歌い手なんですよ」

「――ほう」

 夜斗は足を止めた。そのまま音源である方向へと意識を寄せる。辛うじて隙間から覗く〝歌姫〟はウェーブの掛かった明るい髪を舞わせながらスタンドマイクを手に熱唱していた。

「カバー曲からオリジナルで作詞作曲まで手掛けているんです。これは……カバー曲ですね。それもかなり有名な曲ですよ?」

「そういえば、私と夜斗がよく読んでいるあのライトノベルのOPも歌っていたわよ」

 悠霧の説明に捕捉するかたちで才華が付け加えた。彼女たちも流れに飲まれない様に夜斗の両側を陣取った。

 空御はというと自分の出番はないかと嘆息してからは一番にライブを楽しんでいる。

 アップテンポの曲が終わると〝ディーヴァ〟が一礼をしたと同時に群衆の歓声に埋もれた。

 しかし、それらに押されることなく彼女は、強く咲く一輪の花のように堂々とした表情で、端末を操作するとピアノの伴奏が流れ、さざ波のように伝播し静寂を築く。

 ピアノが奏でる世界の中で鈴を転がしたような美声が響き渡った。

 その衝撃たるや息を呑む音すら煩わしい、呼吸の音すらうるさく感じるほどにのめり込ませる魅力と迫力がある。

 夜斗も含めた才華、悠霧、空御、その場の一同が釘付けにされていた。

 曲に乗せられた歌詞はスッーと沁み込んでいく。

 感謝やありがとう、そういった誰かへ贈る言葉を紡いだ詞。

 どこからかむせび泣く声、鼻水をすする音が聞こえる。雑音でしかないはずのそれらが感動を如実に与えて不快感を与えない。まるで一つの演出のように。

 五分弱にわたる歌唱が終わり、拍手喝采に包まれてライブは幕を降ろした。

 集まっていた人々は三々五々に散っていき、残ったのはサインを求める熱烈なファンといったところで、空御もまたいつ準備したのか色紙を持っていた。

 その表情は童心に帰ったように笑みが零れていた。

「サ、サイン下さい!」

「……ッ」

「え、えっと――」

「ご、ごめんなさい。あたしみたいな庶民に鳳空御さんが話しかけてくれるなんて、って」

「どっかで会ったことあったっけ?」

 最初の緊張はどこへやら、戸惑いながら空御は問う。

「い、いえ。テレビとか雑誌で特集されてるのを知ってるというか」

 空御は有道十二家の中でもメディアへの露出が多い。その対応も評判が良いようで毎週のように記者が彼の元に足を運ぶそうだ。加えて、その記者というのも自他共に思惑があるだろうか、若い女性で容姿も優れている人が多いらしい。

「そっかそっか。でもこんな可愛い人に言われたらかなり嬉しいです」

 空御が自然とそんな台詞と笑顔を放つ。

「夜斗、貴方もあれくらいスラッとかっこいい台詞がはけたらモテるわよ?」

「なら、空御に鞍替えでもするといい。俺は色々と軽い方が助かるからな」

「だそうよ、紅ノ木さん。その胸についてる塊を落としてほしいらしいわ」

「なッ……って違いますよね! そういう黒須先輩こそ、身長も胸もあるんですから重いですし、場所も取るんですから、小柄な私の方が適正で適切ですよ」

 夜斗を挟んで美少女二人が牽制し合っている所に、空御が帰ってきた。手に持った色紙は真っ白のままだが、代わりにと言えばとても豪華すぎるものがあった。付き添う様に〝歌姫〟が居るのだ。

 遠目でしかも端々しか映っていなかったが、こうして目の当たりにするとかなり容姿に優れている。

「一緒に買い物に行くことになったぜ」

 ビシッと効果音が出てもおかしくないくらいに親指を立てている。

「はぁ……」

 平日も休日も夜斗の周囲は騒がしい。けれどもその忙しさに充実していた。


 空御が〝歌姫〟改め、神代紡姫を誘ったのは単純にこの後の予定が彼女と同じ目的地だったためらしい。

 駅から徒歩一〇分程にある場所。大型ショッピングモールとしては老舗だが数年前に改装しており、『三世代で楽しめる』をコンセプトに新たな装いをしているようで、北口と呼ばれる一番大きな出入り口では子供が楽しめる遊具やイベントが展開されていた。

「うわぁ~。ゴーカートだ、ゴーカート。皆で競ったのが懐かしいなぁ」

 嬉々としながら漏らす紡姫がアトラクションの元へと近づく。その双眸は懐かしむように揺れている。

「やっぱガキんときはこういうの乗るよな」

「そうそう。あたしが園に居たころに、お義母さんと兄弟で無料でやってたこういうイベントに行ったんだ。また皆で行こうかな」

「園?」

「うん。あたしさ、孤児院――〝神代園〟っていう施設で育てられたんだ。それもちっちゃい頃かららしくて、物心つく前からだから、えっと……一〇年、一五年……ぐらい前からかな」

「なんか悪い事聞いた、ごめん」

「ううん。全然問題ないよ。良いとこだし、空御くんが想像してるよりも。それより、早くいかないと向こうの三人に置いてかれちゃう」

「別にオレは紡姫と二人きりでも全然――」

 紡姫が空御の手を優しく掴み、夜斗達の方へと引っ張って行く。

「皆ー置いてかないで」


「さて、どこから見に行きましょうか?」

「うーん……夏物の服かなやっぱり」

「いいですね」

「だとすると、このブティックとか良いのではないかしら? 小物とか取り揃えているようだし」

「うーん、でもちょっと大人っぽいというか、色味が落ち着き過ぎている気がします。もっと柄物があるところが――こことかよくわたし行きますよ」

「なにこれっ、可愛い! ユーリちゃんもこういう所利用するんだ、意外」

「いくら名家でもまだまだ子供ですから。わたしお小遣い制ですよ」

 モール一階の一角で、自分の形態端末と連携させモール内の地図と共に各小売店の詳細が記載されたページを閲覧する少女三人。姦しいとはこの事だろうと、その近くでベンチに腰掛ける少年二人は苦い表情をしていた。

 終わる気配の無い談笑を待ち惚けで居る夜斗と空御は取り合えずと話を広げる。

「先日の件だが鳳家の処遇……色々とどうなんだ?」

 その問いを受けて色男は胸元で光る翼の形をしたネックレスを弄りながら複雑な感情を乗せた。

「重い事態にはならなかったな。寧ろ褒められたような気がする。『よく未然に防いだ』って」

 先月〝キューブ〟を巡る、四月一日宗二郎が起こした事件は、表向き若い有力名家の鳳空御、紅ノ木悠霧、黒須才華が解決したとなっている。空御も身内にはそう伝えている。

それは功績を上げたはずの夜斗自らが手放したのだ。

「確かに無断で力を使用して御咎めがチャラになったのは良い事だぜ? でもそれって当たり前じゃないのかって思うんだ。助けるために揮った力が厳罰を消すための道具っていうか……」

 だが彼の中で少なからずの安堵は生まれていたはずだった。下手をすれば九十九学園を去ることも在りえた。それを防ぐためにも夜斗は手柄を譲ったのであり、黒須才華の方も実技試験の件を消すため、と似たような理由だ。しかし当人たちからすれば、力を貸したという感覚もなく後処理すら夜斗にやらせたように感じてしまうのだろう。

「――、言いたいことは解らなくもない。だが軍事に携わる人としてむやみやたらに〝力〟を行使するわけにはいかない。そういった厳重な規律があるからこそ、大事な時に能力が使用できるんだ――まぁ、ただ、常日頃から能力を使っている空御に、両親が付けた枷だろうと思うんだけどな」 

 仄かに口角を上げながら一言、夜斗は付け足した。言わんとしていることを悟ったのだろう、空御は「あーあ」とガスを抜くようにぼやくと顔を上げた。吹き抜けから眺める空はどうにも青かった。

「二人とも行きますよッ、なにしてるんですかー?」

 悠霧の底抜けに明るい声が呼んでくるが、男二人の内心は「待ってたんだよ」で統一されていた。

 結局のところ、近いブティックから回ることになったようだが、その数がモール内に点在している店舗の八割ほどである。

 口頭でそう伝えられた後に携帯端末にマップ情報が送られてきたが、冗談半分で聞き流していた事実を目の当たりするといやでも溜息が漏れた。

「ここ、か」

 最初に足を運んだ店は色彩に富んでいた。店頭に並び立ついくつかの立体ホログラムには流行りだろう服装が着させられているモデルが浮かんでいる。それらは当然タイプの違うファッションで着飾られているが、どこか同じ雰囲気を醸している。その目に見えない統制がブランドなのだろう。

「どうかしら?」

 才華がいつの間にか着替えており、夜斗の前でくるりと優雅に回ってみせた。一瞬ラグが走ったようで、その服が偽物だということが解る。

 ブティック内に設置された複数のカメラと投影機を用いた複合現実による試着だ。

「どう、と俺に問われても。この通りジャージしか着てこないような奴に訊くのは間違いだと思うぞ?」

「はぁ。そういうことではないわ。お世辞でも適当でも似合っている、とかを即座に言うべきものよ? 私じゃなかったら、機嫌を損ねるわよ」

 そうは言いつつも当人もどこか機嫌を損ねている気がするが、逆にそれが今回選択した服とマッチしているのか憂いを帯びた美女に、夜斗の目には映っていた。

「ふむ。ならそこのホログラムと比べれば、ずぶの素人の俺でも間違いなく似合っていると言える。いや、でも均整のとれた貴女なら当然と言えば当然か。帰結するが褒めることすら無駄なくらいと取れるような……」

「――ッ!」

「どうかしたか?」

「な、なんでもないわ」

 顔をパタパタと仰ぐ才華。 

 ホログラムによる熱が籠った様子は無いが熱さを感じたのだろう。

「ほら。無いとは思うが、ハンカチだ。折角の化粧に影響が出るかもしれない」

 夜斗はおもむろにそう言った。

「あ、ありがとう……そういうのズルい」

 お礼を言って才華は、一層赤く、熱くなった頬をさらに仰ぐ羽目になった。小さく何かを漏らしたが生憎夜斗の耳には届いていなかった。

 と言うのも、

「あ! 抜け駆けですよ――――ッ!」

 ブティック内でひどく響いた声のせいだった。

「抜け駆けって、そんな取引も協定も結んでいないじゃない?」

「そこは、どうでもいいんですッ。それに結んだところで絶対裏切るのが目に見えてますもん。勝手にアプローチしてるのがズルいって話なんですッ」

 邪魔をされたせいか少しばかり不満げのある顔の才華に、ドングリを頬張ったリスのようなあからさまな怒りを膨らませている表情の悠霧。彼我の間には火花のように散る二色のオーラがぶつかり合っていた。

「悠霧。さすがに店に迷惑だと思うぞ。そんなに大声を出したら」

「ご、ごめんなさい……」

 ぷす~と風船の空気が抜けた悠霧は頬と嫉妬を萎ませていく。

 彼女が可哀想に思ったのだろうか、夜斗の横に並び立った才華が肘で彼の横腹をつつく。

 ――フォローしろと……。

 客観的には確かに才華を優遇していた。

小さく静かに息を漏らすと夜斗はほんの数秒黙考して口を開いた。

「悠霧、そんなに暗い顔しないでくれ――折角綺麗に着飾っているんだ、勿体ない」

 明るい色味をしたふわふわのボブカットに優しく手を置くと撫でた。

 くすずったそうにそれでいて頬を赤らめる悠霧の姿をみて、正解だったのだろうと夜斗は胸を撫で下ろす。

「うわー、見た目に反してあれね彼の方が……」

「いやだから言ってたじゃん、おれより夜斗の方がたらし。しかも天然なんだぜ」

 遠巻きからそんな聞き捨てならない台詞が聞こえた。その方向に視線を寄越すと空御と紡姫がすっかり仲良くニヤニヤしていた。少なからずこの状況を楽しんでいるのだろう。

「空御に神代さん……見世物じゃないんだが?」

「見世物にしては役者が達者すぎ――せめてラブコメの童貞主人公並の反応が欲しいぞ」

「そういう反応を期待しているのが無理な話だ」

「まあ兎も角。三者三様服を選んだようだし、どうする?」

「うーん、あたしはいっかな。もうちょい色んなとこみたいし。二人は?」

 紡姫がそう言ったのを受けて悠霧は断腸の思いの表情で悩みに悩んだ結果、スカートだけを手に取りレジカウンターへと並んでいく。

 才華はと言うと、紡姫に問われる前にさっさと会計を済ませていた。愛おしそうに紙袋を抱きしめている姿はどこか少女のようで目を奪われる。

「配達してもらえば良かったんじゃないか?」

「こういうのはきちんと手元にあった方が嬉しいものよ……はじめて褒められたものだし……女心が解ってないわね」

 彼女の言葉が途中、歯抜けになっていたが夜斗は問うことを自制した。それこそ野暮だろうと判断したために。

 それから流れるようにブティックを何軒が廻った後の事。

 女性陣がそれぞれ買い物を済ませ寄った店は、比較的男性向けの商品が多く陳列されている場所だった。

「へぇ~、なかなか良いな」

「Zzz」

 かれこれ数時間、自分とはほとんど関係のない移動に付き合わされていた夜斗の思考は、休眠モードへとシフトしているようで才華達のオーラを頼りに歩く人形と化していた。

「おーい、夜斗。おーい……てぃッ!」

 冬眠中のクマを刺激するように、空御が小石をぶつける感覚で自身の莫大なオーラを夜斗へとぶつけると彼のアンテナが一瞬で立った。

「なんだ?」

「おー、起きた起きた。着いたぜ、おれ達用の店」

「ほう……」

 視線を周囲へと配り、意識をそれぞれに寄せる。

 ジャケットからパンツ、小物類までバランスよく取り揃えられていた。デザインも豊富であり、それぞれで異なる雰囲気を醸している。

「色々あるな」 

 今では珍しく実物を展開しディスプレイを作っているその一つを手に取った。

「ニットか。お前には悪くないと思うぜ」

「吸水性が高いな。雨の日にはひどく動きが鈍りそうだ」

「いやそんなの言ったら全裸が最強になるぞッ……とにかく。ファッション性、まあ見た目だな。それなら似合ってる知的な所とかな。ちょっと着替えてみ」

 空御に言われて夜斗は、渋々更衣室へと足を運んだ。その際にスキニージーンズも持たされ手間が増えたなと陰ながら嘆息を零す。

 簡易的ではあるが隔たりを構築する厚手のカーテンを閉める。背後に感じる視線。それは紛うことなき自身のモノであった。モニターとカメラ技術による立体描写が一瞬で更級夜斗を構築する。空っぽの人形のようで瞳に宿るべき虹彩も何一つない。風が吹けば飛んでいきそうなほどに軽さを感じてしまう。

 ――まるで自分だ。

 そう心中で零すが、幻想を抱いているに過ぎない。誰がここに踏み入れても出来上がるのは自分の等身大。

 数秒の逡巡をかぶりを振り追い払う。

 ジャージをいそいそと脱ぎ着替え始める。

 虚像に浮かび上がる素肌は十代半ばのものとは到底思えないほどに、傷つき、磨かれ、出来上がっていた。

 無意識に己の傷跡をなぞっていく。その度に思い返すその時の事を。

「着替えたかー?」

 そんな声により現実へと引き戻されると、急いでニットとジーンズへと着替えを済ませる。

 ファスナーを上げた途端にカーテンが強制的に開かれた。

「「おーッ!」」

 美少女二人の大きな感嘆が聞こえる。魚眼カメラよろしく整った顔が二つ、ドアップで夜斗の視界を占領している。

「すごく、すっごーくッ。似合ってますよ夜斗君!」

「悪くないわね。とても素敵よ」

 二人の声音に違いはあれど、そこに籠っている熱量に違いはなかった。

 暑苦しいほどの視線を鬱陶しいと手で払いのける。

 それが作用したのか定かではないが、全身を見渡せるようになった二人の顔つきが神妙なものへと変化した。

 下から上へとなぞる様にゆっくりと首を動かす少女二人。何度か往復した頃に自分達の中で何か答えが出たのか、店内へとすたすたと消えていく。

 存在感を呑まれていた空御と紡姫が躍り出ると短く感想を述べた。

義務的に全員に見せた夜斗は、ジャージに戻ろうと更衣室のカーテンを閉めようとした矢先、才華が幾つかの布束を持って帰ってきた。

「ごめんなさい。鳳君、これ持っていてもらえるかしら」

 疑問符を挟まない強制力で彼女の手荷物を預けると、残った布束を夜斗へと押し付ける。

「さ、着替えてちょうだい」

「は?」

「だからそれに着替えるのよ。今回はインナーにトップスとボトム、小物類を幾つかあつらえたわ」

 再度優しくそう言うと夜斗を軽く押して更衣室へと入れるとカーテンを閉め切る。

 夜斗は開けさせてなどくれないだろうと折れて渋々着替え始めている。その外で悠霧と才華が言い合いを始めていた。

 その矛先が夜斗へと向けられ、着せ替え人形になり果てるのにそう時間はかからなかった。

「もう好きにしてくれ……」


感想などもらえると励みになります

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ