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エンディング

(最終ラウンドの感動的なBGMが静かに流れ続ける中、カメラは各対談者の感慨深い表情、そして穏やかな微笑みを浮かべるあすかを映し出す)


あすか:(ゆっくりと息をつき、優しい声で語りかける)「古代エジプトの来世への揺るぎない信仰、ギリシャ哲学の魂への深遠なる問いかけ、近代哲学の『神』への痛烈な挑戦、そして現代科学が示す広大な宇宙と、私たち自身の内なる謎…。今宵、私たちは『死後の世界』という一つの深淵を巡り、まるで人類の知性の歴史そのものを、駆け足で旅してきたかのような、そんな濃密な時間を過ごしました。」


あすか:「死後、私たちはどうなるのか?その問いに対する答えは、一つではありませんでした。ある人は来世の楽園を語り、ある人は魂の不滅を論じ、ある人はこの生こそ全てだと叫び、ある人は宇宙の法則と未知への探求を示しました。きっと、この問いに唯一絶対の正解というものは、ないのかもしれません。」(少し間を置く)


あすか:「でも、それでいいのかもしれません。大切なのは、安易な答えに飛びつくことではなく、簡単に分かったつもりになることでもなく、こうして真剣に問い続け、考え続けること。そして、自分とは異なる考えを持つ人々の声に、耳を傾けること。その対話と探求のプロセスの中にこそ、私たちがより良く生きるためのヒントや、人間であることの意味が、隠されているのかもしれませんね。」(深く頷く)


あすか:(対談者たち一人ひとりに、感謝の視線を送りながら)「イムホテプ様、その揺るぎない信仰と古代の叡智は、私たちに秩序と永遠への視点を与えてくださいました。」(イムホテプ、厳かに頷く)


あすか:「プラトン様、その明晰な論理と対話への姿勢は、魂と真理を探求することの尊さを教えてくださいました。」(プラトン、穏やかに微笑み返す)「良きディアロゴス(対話)であった。」


あすか:「ニーチェ様、その燃えるような情熱と挑発的な言葉は、私たちに既存の価値を疑い、自ら道を切り開く勇気を問いかけてくださいました。」(ニーチェ、フンと鼻を鳴らすが、その目にはかすかな満足感も見える)「まあ、少しは退屈せずに済んだか。」


あすか:「セーガン様、その広大な宇宙への視野と科学への誠実な態度は、私たちに知ることの喜びと、未知への謙虚さ、そして未来への希望を示してくださいました。」(セーガン、にこやかに頷く)「こちらこそ、実に刺激的で、学ぶことの多い時間でした。ありがとう。」


あすか:「皆様、時空を超え、これほど真摯に、そして情熱的に、それぞれの知恵と魂をぶつけ合ってくださったこと、案内人として、心から、心から感謝申し上げます。皆様の言葉は、きっと今宵、そしてこれからも、多くの人々の心に深く響き、思考の種を蒔き続けることでしょう。」


(あすかは再びカメラに向き直り、視聴者に向けて語りかける)


あすか:「そして、この歴史的な一夜を見守ってくださった、全ての視聴者の皆様。長い時間、お付き合いいただき、また、たくさんの熱い『物語の声』を送っていただき、本当にありがとうございました。」


あすか:「この番組が、皆さんの日常の中で、ふと空を見上げた時、あるいは静かに自分自身と向き合う時に、ほんの少しでも新たな視点や、自分自身の生と死について深く考えるきっかけを灯すことができたなら、こんなに嬉しいことはありません。」


あすか:(最後に、優しい笑顔で)「それでは、『歴史バトルロワイヤル:魂の行方』、今宵はこれにて閉幕となります。私の相棒、クロノス、また次の物語が始まるまで、少しお休みしましょうね。」(クロノスタブレットにそっと触れる。タブレットの光が穏やかになる)


あすか:「あなたの物語が、星々のように輝き、より豊かになりますように。また、いつか、どこかの時代の交差点でお会いできる日を楽しみにしています。さようなら。」


(あすかが深くお辞儀をする。感動的なエンディングテーマ曲が流れ始め、スタジオ全体がゆっくりとフェードアウトしていく。画面には、番組ロゴと制作クレジットが表示される)

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 魂はイデアの下に物質世界を巡っており、新たな肉体を得る生とそれを全うする死を繰り返す。  転生において前世の記憶を失なうのはそれが肉体によるものか、罪深き故に神の意思により浄化されるためかは不確かで…
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