第5章95話:ラスボス戦4
「保って7回ってところだろ?」
「――――――ッ!!」
図星のようで、ルシュトは息を飲んだ。
「あとたった5回だけしか使えないな? その5回を使い切る前に、俺を倒すか、逃亡してみせろや」
俺はルシュトを踏みつけるのをやめて、蹴り飛ばす。
「がっ!!?」
ひっくり返ったルシュトが、地面をもんどり打った。
さらに俺はルシュトを掴み、起き上がらせて殴打する。
「うがっ!! ぐはっ!!?」
そして腕に関節技を決め――――
ルシュトの右腕を、容赦なくへし折った。
「ぎああああああああぁぁぁッ!!!」
ルシュトが絶叫を上げながら倒れ、悶絶する。
涙目を浮かべながら、ルシュトがなんとか詠唱する。
「パ、パ、パーフェクト、ヒール!!!」
ルシュトが全快した。
俺はそんなルシュトに告げる。
「どうした? 反撃してみろよ。お前のスキルは3つあるんだろ?」
「!!」
「くく。無理だよなぁ? パーフェクトヒール以外は、ろくに使えるスキルがセットされてない。お前の残りスキルは、パラライズカットと、封印されたセラヴィデントなんだからよ」
そう。
現在のルシュトのスキルは、ほとんど使い物にならない。
なぜなら、現在のルシュトのスキルスロットは以下のようになっているからだ。
1:パーフェクトヒール
2:パラライズカット(麻痺を治療するために使ったスキル)
3:セラヴィデント(スキル封印で封印されている)
最初に俺は【強麻痺袋】を投げて、ルシュトの2つ目のスキル枠にパラライズカットをセットさせた。
そして次に【スキル封印の粉】を投げて、3つ目のスキル枠を潰したのだ。
これでルシュトは実質、攻撃スキルをセットできなくなった。
今の彼にできるのは、麻痺を治癒することと、HPを回復することだけなのだ。
俺がさっき「勝負はついている」と宣言したのも、それがわかっていたからだ。
「まさか、お前、全て計算づくで!!?」
とルシュトが冷や汗を浮かべながら問いかけてくる。
俺は肯定した。
「そうだ」
するとルシュトは、目を見開いた。
その目には、明らかな恐怖心が浮かんでいる。
「う……あああああああああああっ!!!」
ルシュトがアイテムバッグから剣を取り出して、斬りかかってきた。
だが。
「!?」
俺は、ルシュトの斬撃を、素手で受け止める。
「お前の攻撃は、俺には効かない」
と俺は残酷な事実を告げる。
――――ルシュトは強い。
でもそれは、ルシュトのスキルが強いのであって、ルシュト自身の戦闘力はそこまで強くない。
スキルさえ封じれば、ソロでも楽勝で倒せるのだ。
「ふっ!!」
「ぐはっ!!?」
俺はルシュトを蹴り飛ばす。
吹っ飛んだルシュトが剣を取り落とした。
「な、なんでだ!!? なんでルーカーのくせに、こんなに強いんだよォ!!?」
とルシュトが叫ぶ。
俺は言った。
「そりゃあ、お前をぶっ殺すために、鍛えてきたからな」
シフォンド山から……
衛兵隊長を倒し。
ラッガル監視長を倒し。
女領主イザナを倒し。
隊長ユーゴーを倒した。
全ては、スキルテイカーというラスボス戦のためである。




