第5章92話:ラスボス戦
移動を開始する。
2日後。
昼。
曇り空が広がる中。
目的地にたどり着く。
そこは峡谷だ。
―――――【ラタ峡谷】。
白い岩壁に囲まれた峡谷だ。
「……」
俺とラミアリスは峡谷を歩く。
魔物は素早く倒していく。
俺たちのレベルと武器ならば、ここの魔物は結構あっさりと蹴散らすことができる。
そして。
峡谷の奥地。
そこに一人の男性が立っていた。
「……いた」
スキルテイカーだ。
名前はルシュト。
身長175センチ。
銀髪。
赤い瞳。
高ランクの戦衣をまとっている。
「何をしているのかしら?」
小声でラミアリスが尋ねてきた。
俺は同じく小声で答える。
「何もしていない。思い出に浸っているのさ」
ルシュトは何もせず、虚空を見つめている。
この場所は、ルシュトにとって、特別な場所なのだ。
だから彼はよくここにやってきて、古い記憶に浸っている。
「不意打ちのチャンスだ。――――予定通りいくぞ」
と俺はつぶやいて、アイテムバッグから一つのアイテムを取り出した。
それは【強麻痺袋】だ。
これはローレッタから回収できた戦利品である。
まずはスキルテイカーにこれをぶつける。
「ふう……」
深呼吸をする。
ルシュトはまだ俺たちの存在に気づいていない。
そして。
俺は斜め後ろから【強麻痺袋】を投げつけた。
「!!」
強麻痺袋がルシュトにヒットする。
中身の粉がぶちまけられた。
「なん、だ……!?」
ルシュトが麻痺して倒れた。
しかし、ヤツはすぐに復活してくる。
ルシュトには麻痺を解除できるスキルがあるからだ。
だからすぐさま次の手を打たなければならない。
(よし、お次は……これだ)
俺はアイテムバッグから【スキル封印の粉】を取り出した。
それをルシュトに投げつける。
「!!?」
コレもヒット。
スキル封印ができた。
全てのスキルが封印できたわけではない。
だが……
「これで俺たちの勝ちだ」
と俺は勝利宣言をする。
さて、そろそろルシュトに声をかけるか。
ルシュトは、スキルによって麻痺を解除したようで、立ち上がった。
「粉を投げつけてきたのは、テメエらか」
とルシュトは俺たちを鋭い眼光で睨みつけてくる。
さらに告げる。
「俺が誰だかわかったうえで、喧嘩を売ってきたのかよ? あぁン?」
「ああ、もちろん知ってるよ。スキルテイカー」
「!!」
「お前をぶっ殺しに来た。お前にスキルを奪われた復讐に来てやったぜ」
俺はそう告げた。




