第5章91話:洞窟2
着地の感想もほどほどに、俺は視線を背後に向ける。
「よし、あった」
お目当ての宝箱は、すぐそばに置いてある。
「これが探していたアイテム?」
「そうだ。この宝箱の中に、スキル封印の粉が入っている」
俺は宝箱をパカッと開いた。
よし。
無事に【スキル封印の粉】をゲットだ。
俺は入手したアイテムを収納する。
「もうここには用はない。帰るぞ」
「うん。でも、下層から帰るのは大変じゃない? 降りてくるときと違って、あの穴は使えないでしょ?」
ラミアリスは天井を見上げた。
穴は降りるときには使えるが、昇るときには使えない。
俺は言った。
「下層を普通に突破して上層に戻るのは難しい。下層の魔物は強いからな」
「じゃあどうするのよ?」
「こういうときに使うのがコレだ」
俺はアイテムバッグから、一つの道具を取り出した。
ザファトロス戦のときに回収できた戦利品―――【回帰の石】である。
この石の効果は以下である。
◆◆◆
【回帰の石】
レベルが5下がる代わりに、一度だけダンジョンから脱出することができる。
消費すると、無くなる。
◆◆◆
「レベルと引き換えに、ダンジョンから脱出できる。まさに今みたいな状況で使うべき代物だな」
だからザファトロスを倒すことができて、本当に良かったと思っている。
あの時点で【回帰の石】を入手できていれば【スキル封印の粉】の回収が極めてラクになるからだ。
「全部、あなたの予定通りってわけね。本当にすごいわ」
とラミアリスが賞賛した。
俺は言った。
「さあ、帰ろう。俺の腕を握れ」
「ええ」
ラミアリスが俺の腕を掴んでくる。
その状態で【回帰の石】を使用した。
石の効果が発動する。
視界が変わっていく。
数瞬後、俺たちはダンジョンの入り口まで転送された。
無事に帰還できたわけだ。
使用済みの【回帰の石】は、もう使えなくなっており、ただの石くれに変わっている。
「よし。これでスキルテイカーを倒すための準備は全て整った。さっそく倒しにいこう」
「居場所はわかってるの?」
「もちろんだ」
この時期にスキルテイカーが出没する場所は把握している。
あとは会いに行くだけだ。
「あなたの因縁の相手だもんね。必ず倒しましょう」
「ああ」
かくして俺たちは、スキルテイカーを討伐するために、目的地へと向かうのだった。




