第5章90話:洞窟
俺は言った。
「まあぶっちゃけ、パーフェクトヒールの攻略はどうでもいい」
「どうでもいい!?」
「ああ。それより準備をしておきたいことがある」
「な、なにをするの?」
とラミアリスが尋ねてきた。
俺は答えた。
「ヤツのスキルスロットは3つあると言ったが、そのうちの1つを潰す方法がある。『スキル封印の粉』というのをぶつけるんだ」
「へえ、そんなものがあるんだ」
「だから明日、『スキル封印の粉』を取りに行く。この近くでゲットできるからな」
スキル封印ができれば、スキルテイカーの使用スキルを2つだけに限定できる。
するとラミアリスが聞いてきた。
「ちなみに、その『スキル封印の粉』っていうのを3つ集めたら、ラクに倒せるんじゃないの?」
「3つも集まらないから無理だな」
スキルテイカー戦の段階で手に入るのは1つだけだ。
2つ目以上、手に入れるためには、クリア後のエンドコンテンツに臨まなければならない。
翌日。
朝。
俺たちは移動を開始する。
向かったのは近くの山奥にあるダンジョンだ。
――――クラウベスダンジョン。
洞窟型のダンジョンである。
このダンジョンは上層は初心者向け。
下層にいくにつれて魔物が格段に強くなっていく、オーソドックスなダンジョンである。
なお青い鉱石がたくさん存在して、照明代わりとなっている。
たいまつなどがなくても洞窟の内部が見える。
「抜け道を使って一気に下層までいくぞ」
「抜け道?」
本来なら普通に階段を下りて、下層までいかなければならない。
しかし抜け道を使うことで、一気に下層に到達することができる。
いわばショートカットである。
俺はゲーム知識を頭に浮かべながら、抜け道を発掘した。
その先には部屋があり、部屋の中央には巨大な穴が存在していた。
穴の底は暗闇となっていて見えない。
ただ、どこにつながっているかはわかっている。
「この穴に飛び込む」
「え……」
ラミアリスが難色を示した。
「この穴、暗くて何も見えないんだけど……飛び込んで大丈夫なの?」
「大丈夫だ。下層に到着するだけだ。ただし頭から飛び込むなよ」
「う、うん……信じるわよ」
ラミアリスが覚悟を決めたようだ。
そうして俺たちは穴に飛び込む。
穴の中の暗闇を降下していく。
ややあって。
穴を抜けた。
着地する。
かなり高いところから落ちてきたので、着地の衝撃で、足の裏がびりびりする。
「普通なら骨折してる高さよね……あたし、本当に強くなったわ」
とラミアリスが感嘆していた。




