第4章87話:大盾2
大盾を構えたユーゴー。
基本的に大盾はリーチが短い。
ゆえに守備主体。
自分から殴りに行くのではなく、カウンターが主体だ。
このカウンターを上手くさばくことが俺の課題となる。
「……」
一瞬、にらみ合う。
そして俺は動き出した。
ギガントロスハンマーをスイングした。
まずは大振りの一撃を叩きつける。
それをユーゴーは大盾で受ける。
ユーゴーのガードは凄まじく頑丈であり、ギガントロスハンマーの衝撃が全て吸収されているかと思うほど、びくともしない。
こちらの大振りを簡単に止めてみせることで、「強打は効かないぞ」とアピールしているのだ。
だが、実際には多少は効いている。
ギガントロスハンマーの強打は、防いだとしてもダメージが入る。
だから、俺は大振りをやめたりしない。
もう一度、大振りをする。
さらにもう一度、大振りを繰り返す。
「……ッ」
するとさすがにユーゴーが反撃に出てきた。
俺の四撃目の大振りを防ぐとすぐに、ユーゴーが大盾を振り回してくる。
ユーゴーの大盾は迫力がある。
だが、リーチはそこまで長くない。
だから俺は後ろに下がりつつギガントロスハンマーの大振りを放った。
「ふう……ッ」
ユーゴーがハンマーを受ける。
そして大盾で殴りかかってくる。
俺は避けつつ、ギガントロスハンマーの大振りを叩きつける。
そこからは似たような展開が続いた。
ユーゴーはギガントロスハンマーの大振りを受け続ける。
俺はユーゴーの反撃を上手く避ける。
それを互いに繰り返す。
いわば持久戦だ。
「ワタシに体力勝負を挑んでくるとはな」
ユーゴーが感心している。
一見すると、ギガントロスハンマーの与えるダメージが、ユーゴーを追い詰めているように見える。
しかし、俺のほうでも腕に疲労が蓄積していっているので、そう単純ではない。
ただ俺は、この持久戦が自分の勝利で終わることをわかっている。
ユーゴーの大盾さえ食らわなければ、やがてユーゴーがジリ貧となる。
なぜならユーゴーには、さきほど俺がタコ殴りにしたときに与えたダメージがある。
わかっていて、体力勝負に持ち込んだのだ。
(体力に自信があるユーゴーなら、必ず乗ってくることもわかっていた)
ユーゴーは不屈の英雄だ。
彼のプライドにかけて、持久戦からは逃げない。
(この構図に持ち込んだら、俺の勝ちだ)
俺はそう確信しながらギガントロスハンマーを振り続ける。
数十秒後。
実際にユーゴーは苦境を理解し始めたようだ。
「むぅ……ッ」
ユーゴーが空気で焦りを伝えてくる。




