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無能力だからと追放されたオッサン、ゲーム知識で全ての敵をねじ伏せる  作者: てるゆーぬ


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第4章84話:攻撃の応酬


かくして戦闘の火蓋が切られる。


ユーゴーの接近―――――


とんでもない重量感と威圧感をにじませながら、ユーゴーが斬撃を斜めに振り下ろしてくる。


「……!!」


俺は横ステップで、ユーゴーの攻撃を回避する。


ユーゴーの攻撃が空振からぶる。


次いで、俺は横薙よこなぎのハンマー攻撃を繰り出した。


しかしユーゴーはバックステップで後退し、ハンマーの攻撃から逃れた。


「ふむ」


ユーゴーがこちらを分析するように、小さく声を漏らす。


そして俺もまた、自分自身を分析していた。


(やはりハンマー慣れできてないな)


ゲームでは普通に扱えていたハンマーではある。


しかし、異世界では久しぶりに使う武器だ。


身体に馴染むまでに少し時間が必要かもしれない。


ユーゴーと戦いながら、感覚を取り戻していくか。


「動きが硬いな。その武器に馴染んでいないように見える」


「!!」


ユーゴーに見抜かれる。


さすが英雄……ほんの少し打ち合っただけで、こちらの状況はお見通しというわけだ。


「その武器でワタシに勝利するのは、絶対に不可能だ」


とユーゴーが言いながら、ふたたび前進してきた。


大剣を振り回す。


「!!」


右斜みぎななめに大剣を振る。


次に左斜ひだりななめに振る。


まるでクロスを描くように。


そして回転斬かいてんぎりを放ってきた。


俺はその全てを避けてから、ハンマーによる反撃を繰り出す。


良いタイミングでの反撃だったが、ユーゴーに避けられる。


「ちっ」


と俺は舌打ちをした。


今のは……やはり俺がハンマーを振る動きが遅い。


もっと滑らかな体重移動を実現しなければ、威力も速度も満足に出ない。


「ハァッ!!」


とユーゴーが喝破かっぱしながら、大剣をすくい上げるように薙ぎ払ってきた。


出が速い攻撃ゆえに、俺は回避をあきらめてハンマーでガードした。


ガキィンッ、と金属の衝突する音が炸裂した。


そのままユーゴーとつばぜり合いの状態になる。


ユーゴーの重量感のある膂力りょりょくに、俺は押される。


「っ!!」


俺は上手くタイミングを外して、つばぜりあいを解除する。


そしてハンマーによる攻撃を、一撃、二撃、三撃と放つ。


だが全てユーゴーに回避されてしまう。


ふたたび距離を取り、対峙しあう俺とユーゴー。


「くくく。ルーカーとは思えない実力、実に信じられん。しかし、それゆえに惜しいな。もう少しだけパワーかスピードがあれば、あるいはそのハンマーを扱う技術があれば、ワタシに匹敵できたものを!」


賞賛しつつも、惜しむように告げてくるユーゴー。


その刹那の時間に。


ふう……


と俺は静かに深呼吸をする。


(十分、感覚は取り戻せた。そろそろぶちかますか)


久々に扱ったハンマーの感覚。


それを、おおむね取り戻すことができた。


これならユーゴーとまともに戦うことができるだろう。


まず、俺はユーゴーの攻撃を見極める。


(ここだ……!)


ユーゴーの斬撃。


それを横に回避した俺は、カウンターでハンマーを振り回した。


良いタイミング、かつ、キレのあるスイングが、ユーゴーの胴体の側面に直撃する。


「ぐお!!?」


ユーゴーが横に吹っ飛んだ。


良い当たりだ。


しかし転倒させるまではいかず、ユーゴーは踏みとどまった。


(こいつ、打たれた衝撃を分散しやがったな)


ユーゴーは受けも上手い。


思い切りぶん殴ったように見えて、しんを外されることは多い。


今の俺の打撃も、クリーンヒットしたように見えたが、タイミングをずらされた。


「だが……まずは一発だな」


と俺は得意げに言った。


「……


体勢を立て直したユーゴーが、強い警戒心けいかいしんにじませる。








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