第4章70話:冒険者ギルドへ
その日は1日、道なき道を歩く。
荒原を抜けて、森を抜けて、山岳を抜けて。
山を降りたところに、コーレの街がある。
昼。
俺たちはコーレの街に辿り着いた。
現在は正門を遠くから眺める位置にいる。
「正門には衛兵がいるからな。検問で、ルーカーは弾かれるか、その場で取り押さえられる可能性がある」
「じゃあ、回り込むわけね」
「その通りだ」
と俺は肯定した。
正門を回りこんで、街の側面から侵入する。
よし。
コーレの街に入りこむことができた。
現在地は路地裏である。
俺は忠告した。
「堂々としていろ。コソコソしていなければ、階級判定魔法を使われることは少ない」
ラミアリスがうなずく。
さらに俺は説明する。
「冒険者ギルドに向かう。そこで受付嬢に、俺たちがルーカーだとバレるだろう。冒険者たちに取り押さえられそうになったら、俺が激怒しながら何人か殴り倒して、お前とともに街を逃げる。そのあとは森のあとに逃げ込む――――このプランでいくぞ」
「そう上手くいくかしら……」
「俺が大部分を演じる。ラミアリスは、そのつど合わせてくれればいい」
そして俺たちは路地裏から出る。
大通りを歩いた。
堂々と歩く。
顔を隠したり、フードをかぶったりしない。
こういうときはコソコソとしていけないのだ。
堂々としていれば、階級判定魔法も使われない。
何食わぬ顔で大通りを歩いて、冒険者ギルドにたどりついた。
冒険者ギルドのロビーには戦士たちの匂いがただよっている。
一番混雑するのは朝で、昼の人口密度はまばらである。
俺たちは受付嬢の前まで歩く。
受付嬢が言ってきた。
「ようこそお越しくださいました。冒険者ギルドです」
「冒険者登録をしにきた。俺はロッシュ、こっちはラミアリス。二人での登録だ」
名前も暴露しておく。
すると受付嬢が、目を細めた。
「あなたがた、ルーカーですか?」
「……!」
さっそく階級判定魔法を使われたようだ。
俺は演技した。
さもバレるつもりはなかったかのように装う。
「ち、ちがう」
「いえ、ルーカーですよね? ルーカーは冒険者登録ができませんよ」
と冷たく受付嬢が告げる。
まるでゴミを見るような目つきだ。
そのとき、俺たちのやりとりを見ていた近くの冒険者が叫んだ。
「おい! こいつらルーカーだってよ!」
すると、周囲の冒険者たちの視線が俺たちに集中する。
「どいつ?」
「うわ、マジじゃん」
「ルーカーみたいな雑魚が冒険者になんざ成れるわけねえだろうによ! ぎゃはははははは!」
「人間様のいる場所にまぎれてんなよ。ルーカーが」
と罵詈雑言が飛んだ。




