第4章68話:毒弓
それから数時間。
毒沼の近くでシェルスネークを狩り続ける。
日が暮れてきた。
「そろそろ切り上げよう」
と俺は宣言した。
「はぁ……はぁ……かなり狩ったわね。さすがに疲れたわ」
ラミアリスが深呼吸をしながら、その場に座り込んだ。
汗をかきまくったラミアリスからは、汗臭いニオイがただよっている。
「驚いたのは、こんだけ狩っても、レベルが1も上がらなくなってることよ。レベリングきつすぎない?」
「そうだな」
俺は否定せず、同意する。
ルーカーはレベルアップまで通常の経験値の3倍を要する。
必要経験値が100から300になるぐらいなら、別にレベリングに苦労はしない。
しかしゲームが進んできて、必要経験値が10万から30万になってきたりすると、レベリングが一気に苦しくなる。
レベルが上がれば上がるほど、3倍という負荷が重くのしかかってくるのだ。
「ここから劇的にレベルアップしていくことは減ってくるぞ」
「地道に上げていくしかないってこと?」
「いや……レベルじゃなくて、装備のほうを鍛えるんだ」
レベルアップで得られるステータスポイントは3しかない。
しかし装備は、良い装備を集めれば一気に強くなれる。
強化石で強化できる幅が大きいのも魅力だ。
「まあもちろん、レベルも上げられるなら上げたほうがいいけどな。気長に考えるのがいいってだけだ」
レベルのために狩りをすると考えてしまうと、気が遠くなる。
装備集めや素材集めのために狩りをするという意識だと、もどかしさは感じにくい。
「気の持ちようってことね。わかったわ」
とラミアリスが納得した。
「さて……安全なところに移動して野宿にしよう。いったん火山を出るぞ」
「了解」
俺たちは火山を脱出して、ナヴァダル荒原で野宿をするのだった。
翌朝。
ナヴァダル荒原。
テントのそばで焚き火をする。
朝食の時間だ。
横たえた丸太のうえに座りながら、俺たちは朝食を作る。
できあがるまでに、俺はフラウに調合をしてもらうことにした。
まず……
【シェルスネークの毒腺】
【ミノタウロスアーチャーの長弓】
以上の二つをフラウの前に置く。
この二つを融合してもらう。
「フラウ、頼む」
「ふきゅっ!!」
フラウが調合をおこなう。
あっという間に毒腺と長弓が融合し、完成品ができあがる。
できあがったのは【シェルスネークの毒弓】だ。
ミノタウロスアーチャーの長弓より、あらゆる意味で上位互換である。
まず攻撃力が高くなっている。
そして射程距離が長い。
さらに、この弓に毒矢をつがえて発射した場合、毒の効果が高まる性質を持っている。




