第4章66話:火山
俺たちはサラマンダーがいた峡谷を踏破する。
峡谷の先にある【ナヴァダル荒原】へと足を踏み入れる。
ここはサバンナのような、獰猛な獣がいる地帯である。
やや蒸し暑い地域だ。
歩いているだけで服の下が汗ばんでくる。
それに水分が少ないのか、空気がカラッとしていて、口の中が乾燥してくる。
そんな荒野を俺たちは歩く。
ラミアリスが尋ねてくる。
「……次はどこに向かってるの?」
「ナヴァダル火山だ」
「火山?」
「ああ。この荒野を抜けた先にある」
俺は荒野の先に視線を送る。
遠近法の彼方に、うっすらと山々が見えるのだが、アレがナヴァダル火山である。
「火山って、人生で初めて訪れるんだけど、めちゃくちゃ熱いんでしょ? 行って大丈夫なの?」
「溶岩が流れている場所に近づかなければ大丈夫だ。気温が高いから、こまめに水分補給は必要だがな」
熱中症や脱水症状にならないように気をつけなければならない。
なるべく気温が低く、日陰になっているルートを通る予定だ。
「で、その火山に何の用なの?」
「ナヴァダル火山の近くには毒沼地帯があるんだが」
「毒沼」
「そこに蛇がいてな。その蛇から採れる毒を採取する」
蛇―――シェルスネークという毒蛇だ。
もちろん魔物である。
強力な蛇毒を持っており、倒すと猛毒を採取できる。
「へえ……それは次の戦いに備えて?」
「もちろんそうだ」
次の戦いでは毒を使う。
しかし普通の毒ではなく、強い毒が欲しい。
だから猛毒を持つシェルスネークを狩りにきたわけだ。
しばらく荒野を歩く。
幾度か、魔物と遭遇したものの蹴散らした。
今の俺たちの攻撃力ならば荒野の敵ぐらいはなんでもない。
楽々と討伐しながら荒野を踏破して―――――
火山にたどりつく。
「すごい。ここが……火山」
ラミアリスが感嘆している。
黒く赤茶けた地面。
高い気温。
固まった溶岩石。灰がかぶった岩。
枯れた木がぽつんぽつんと立っている。
火山地帯はまともな生物が棲めない場所。
ただし魔物の温床にはなっている。
険しい環境でも平然と生きているような魔物なので、強い魔物が多い。
「気をつけろ。ここの魔物は強いぞ」
俺たちは攻撃力だけは高い。
攻撃力ばかり鍛えてきた火力特化ビルドだからだ。
しかし防御力に関してはそこまで飛びぬけてるわけではない。
このレベル帯の魔物に殴られたら、かなり痛いし、最悪死ぬ。
注意して進まなければならない。




