第4章65話:別視点2
ルナは疑問を口にする。
「領主を殺した目的はなんだろ?」
「さあな。どうせ復讐かなにかだろ」
そう答えたのは、男戦士であるザンドール。
筋肉質な身体つきのうえに、黒い革ジャケットに身を包んでいる。
ちなみに頭はスキンヘッドだ。
ザンドールは続けて言った。
「ルーカーはどこでも迫害されているが、この地の迫害制度を作ったのは領主だしな。憎しみの矛先を向ける相手としては、間違っちゃいねえ」
「領主殺害の動機はなんであれ、私たちがやることは変わらないわ」
そう言ったのはローレッタだ。
彼女はルナの姉であり、年齢は三十路に差しかかったぐらい。
青と緑の入り混じったロングヘアをしている。
瞳の色は黄色。
戦士服にロングスカートを履いている。
ローレッタは言った。
「私たちの目的は、犯人であるルーカーたちを発見して、抹殺すること。つまり――――ルーカーの処刑よ」
ロッシュおよびラミアリスの殺害こそが、ローレッタたちに与えられた役目である。
だが、それに異論を呈したのがルナであった。
「んー、なんかもったいなくない?」
「もったいないって?」
「殺すんじゃなくて、ペットにしたらどうかなって。……あたし、ルーカーを家畜として飼ってみたかったんだよね」
とルナは無邪気に告げた。
「ははは。やっぱりお前もそう考えるか」
と共感を示したのはザンドールであった。
ザンドールは告げる。
「だけど、そんなに良いもんじゃねーぜ? ルーカーを飼ったところで、最低限の世話はしなきゃいけないしな。管理するのも面倒が多い」
「ふうん? なんか実際にやってみたって口振りだね」
「やってみたぜ。そのうえで言ってんだ。結局俺は、ルーカーを保有し続けるのが面倒で、貴族に売り飛ばしちまったがな」
とザンドールは笑った。
さらにザンドールは告げる。
「そんなことより俺は、ルーカーどもが強いのかどうか気になるぜ」
「強くはないんじゃないの? しょせんルーカーでしょ」
とルナ。
「だけど領主をぶっ殺してるんだぜ? 前代未聞のルーカーだ」
ザンドールは、ロッシュたちと戦うことを楽しみにしていた。
ルーカーを虐げるのが当然の社会で、明確に刃向かってきた異分子――――それがロッシュたちだ。
いったいどんな戦士なのか、気になっている。
ルナは言った。
「どれだけ強くても、あたしらの負けはないよ。なにしろこちらにはお姉ちゃんもいるし、"隊長"もいるしね」
このパーティーには、実はもう一人、仲間がいる。
パーティーリーダーであり"隊長"と呼ばれている男である。
非常に強力なリーダーであり、この3人の精神的支柱にもなっている。
「とにかく、さっさとルーカーたちを探しにいきましょ。あまりモタモタしてると、亡命されるかもしれないわ」
とローレッタは告げた。
ザンドールとルナは同意する。
3人は歩き出す。
かくしてルナたち3人と"隊長"が、ロッシュたちを討伐すべく動き始めるのだった。




