第4章63話:武器
「完成したか」
俺はできあがった剣を観察する。
紫色を帯びた刀身。
先端に向かってオレンジ色のグラデーションがかかっている。
「その武器は?」
「ザファトロスの剣といってな。かなり強力な武器だ」
と俺は説明する。
◆◆◆
【ザファトロスの剣】
攻撃力+94
敵を倒すたびに『魔石量』がチャージされる。
チャージがMAXになったとき、強力な必殺技『グラムバースト』を発動することができる。
◆◆◆
上級魔族ザファトロスを倒したあとに得られる【ザファトロスの骨】
サラマンダーを倒したあとに得られる【古びた大地の剣】
この2つをあわせることによって出来たのが【ザファトロスの剣】
ザファトロスおよびサラマンダーという、強大なモンスターを討伐しないと得られない武器。
ゆえに性能も一級品だ。
まず注目すべきは攻撃力。
強化もしていない初期値で、94という攻撃力があるのは強すぎる。
さらに特殊スキルである【グラムバースト】も強力だ。
発動するにはチャージが必要なので、連発することはできないものの、一撃必殺の大技。
使いどころはいくらでもある。
「この武器は、俺が使う。シルバーソードはお役御免だな」
俺はシルバーソードをアイテムバッグへ収納し、ザファトロスの剣を腰に携えた。
「さて、ここには用はない。立ち去るとしよう」
俺が告げると、ラミアリスが言ってきた。
「ちょっと待ってよ。サラマンダーの遺体は回収していかないの?」
「ああ、要らない」
「ええ!?」
とラミアリスが素っ頓狂な声を上げる。
「な、なんでよ!? こいつの素材にどれだけの価値があるか……! 回収しておいたほうがいいでしょ?」
「アイテムバッグがかさばるからな。こいつの遺体そのものに、大した価値はない」
サラマンダーからは武器や防具を作ることができる。
それらは強力ではあるが、ゴールドソードなどの有用性には劣る。
だからサラマンダーは必要ない。
ラミアリスは呆れたようにため息をついた。
「あなたの判断基準が、意味不明だわ」
「必要なものは拾うし、そうじゃないなら捨て置くというだけだ」
「……まあ、あなたが言うなら、正しい判断なんでしょうね」
とラミアリスは納得の言葉を述べる。
ラミアリスが尋ねてくる。
「あ……でもさ、どうやってここから出るの? 石橋を崩落させて、出口を塞いじゃったじゃない?」
サラマンダー討伐のために、唯一の出口である通路を、塞いでしまっている。
現在、この場所から出られる場所はないが……
「崩落した石橋を、撤去すればいい」
「撤去って……つまり?」
「そうだ。切り刻んで蹴散らすんだ。ゴルソとザファトロスなら、余裕だぞ」
「それって要はゴリ押しじゃない……」
「まあ、出られればなんでもいいんだよ」
と俺は言った。
ラミアリスは半ば呆れつつ、了承する。
そうして彼女は、崩落した石橋の撤去作業を開始するのだった。




