第4章57話:これから
――――――第4章
二日後。
朝。
俺たちは森の中でキャンプをしていた。
焚き火を囲んで、朝メシを食べる。
焼けた肉をフラウが、もきゅもきゅと食べている。
俺とラミアリスは卵焼きを作って食べていた。
「……美味しい」
とラミアリスが微笑んだ。
ニワトリではない魔鳥の卵。
独特のとろみと甘味があって、調味料をつけなくても美味い。
「とりあえず領主討伐は完遂したな」
俺が口を開くと、ラミアリスがうなずいた。
「なんだか、信じられない気分だわ。ほんの10日前には、ルーカーとして最下層に落とされていたのに、こんなに強くなって、領主まで倒しちゃうなんて」
「そうだな」
と同意の言葉を口にしたが、俺からすると、さほど驚きはない。
いつもやってきたようにRTAをこなしているだけである。
しかし俺の中にあるロッシュの心は、確かな驚きと感動に包まれていた。
すごいことを成し遂げたのだという達成感があった。
「次は何をするの?」
「―――――まず、領主を殺したのが俺たちだとバレる」
「ふむ」
「すると指名手配をされる。刺客を放たれるため、これを返り討ちにして、アイテムなどを奪う」
「なるほど」
とラミアリスがあいづちを打ってから。
「いよいよあたしたち、お尋ね者ってわけね」
そう微笑んだ。
怯えや恐怖は無いようだ。
むしろ覚悟が決まった顔をしている。
「で……その『刺客』っていうのは、強いの?」
とラミアリスが尋ねてきた。
「ああ。かなり手強いぞ」
と俺は肯定する。
「今回俺たちが手にかけたのは雑兵ではなく、領主だからな。ゆえに、刺客もまた選りすぐりの精鋭が抜擢される」
「ふーん。でも、倒すプランはあるのよね?」
「もちろんだ」
と俺は即答した。
「俺のプランに抜かりはない。全て任せておけ」
「ふふ。相変わらずの自信家ね」
とラミアリスが苦笑した。
一拍置いてから、ラミアリスは告げる。
「あたしは、あなたを信じるわ。ここまで強くなれたのはあなたのおかげだし、もっともっと強くなりたいから。そして、ルーカーとして見下される人生を跳ね返したい」
「言っておくがルーカーから抜け出すのは無理だ」
と俺は補足した。
「だが強くなれる。最強のルーカーになる未来は保証してやろう」
「それで十分よ」
とラミアリスが微笑んだ。




