第3章52話:vs領主
俺はシルバーソードを、ラミアリスはゴールドソードを構えた。
イザナが告げる。
「名乗れ。領主に刃向かった、愚かなルーカーの名を覚えておいてやろう」
「名乗るつもりはない」
イザナが戦意を最大限に高め―――――
「そうか。ならば死ね」
そう告げて、魔法杖に魔力を込めた。
空中に魔法陣が現れ、その魔法陣から木の根のような突起が飛び出す。
その樹根の突起は、俺たちに向かって伸びてきて、突きを放ってくる。
しかもまっすぐ突いてくるのではなく、うねりながらの突きだ。
(来たか。初動の突き)
この樹根による突きは、軌道が読みにくい。
初見ではまず食らってしまう技。
だが……この連続突きの避け方は決まっている。
床に這いつくばることだ。
それだけで回避できる。
なお、この攻撃は、事前に避け方をラミアリスにも伝えてある。
だから俺たちは、樹根が迫ってきた瞬間に、同時に床へと這いつくばった。
樹根が俺たちの頭上を通過していく。
イザナが驚愕する。
「何!? かわしただと!?」
さらに俺たちは立ち上がった。
イザナへと素早く接近して斬りかかる。
「くっ!?」
回避される。
だが、これは想定済みだ。
俺はちらりとラミアリスに視線を向ける。
遠くから回り込んで、側面からラミアリスがイザナへと迫っていた。
「ハァッ!!」
ゴールドソードの斬撃を放つ。
「くっ!」
イザナが冷や汗をかきつつも、なんとかラミアリスの攻撃を避ける。
そうしてイザナは、距離を取りつつ、つぶやいた。
「なんという素早い踏み込みと斬撃だ……ルーカーにしては信じられない動きだな」
警戒心をにじませる。
そしてイザナが魔法杖を投げ捨て、アイテムバッグから二本のロングソードを取り出した。
それを両手に握る。
ロングソードの二刀流だ。
「手加減などしてられぬようだ。本気でいかせてもらう」
次の瞬間。
イザナが俺に斬りかかってくる。
右の剣による上段攻撃。
その斬撃を、俺は受け流す。
反撃の回転斬りを放つ。
するとイザナが左の剣で受ける。
そこに。
「ハァアアッ!!」
ラミアリスによる上段の斬撃。
「ちっ」
イザナが舌打ちをした。
ラミアリスの剣を、イザナの右の剣が受ける。
(よし、今だ)
俺は身体を低くして、下段の攻撃を放つ。
実は、イザナは下段の攻撃に弱いのだ。
しかもラミアリスが上段の攻撃を放ったことで、イザナの視線が上を向いている。
だからこの下段攻撃は必ずヒットする。
「ッ!!」
イザナのふくらはぎを斬りつけることに成功する。
イザナが痛みに顔をしかめた。




