第3章50話:領主邸2
さて、領主邸へと侵入をこころみる。
まずは領主邸の側面に回り込む。
塀がある。
植木の陰になっており、周囲からは侵入が見えにくい部分だ。
俺たちは塀をよじのぼる。
塀の向こう側――――庭へと着地した。
芝生が敷き詰められた地面を、俺たちはできるだけ足音を立てないようにしながら進んだ。
領主の屋敷の壁までたどりつく。
扉があった。
勝手口である。
この勝手口を開けようとするが、半分ほど開いたところで扉が動かなくなった。
この扉には錠前の代わりに鋼鉄のチェーンがついていて、途中までしか開かない仕様になっているのだ。
だが、チェーンはシルバーソードで破壊することができる。
「……」
俺はシルバーソードを使って、チェーンを壊した。
解錠される。
勝手口から、俺たちは領主邸のキッチンへと侵入する。
キッチンを抜けて廊下へ。
廊下は夜なので暗いが、ロウソクが灯っており、闇が照らされていた。
巡回の警備兵が歩いている。
俺たちは息を潜めて警備兵をやり過ごす。
警備兵の足音が遠ざかっていったあたりで、キッチンの扉から飛び出して、すぐ右側にある階段を昇った。
――――領主邸2階。
階段を上がってすぐに、正面、右、左の3つの通路があらわれる。
もともとゲームのダンジョンとして造られたものであるため、なかなか入り組んだ邸宅である。
「左の通路から行く」
と俺は指示した。
ラミアリスはうなずき、俺の後をついてくる。
左の通路を進むとすぐに曲がり角があった。
そこでいったん待機する。
数秒後。
警備兵が歩いてきた。
そして曲がり角で鉢合わせになる瞬間。
俺は先手で警備兵の首にシルバーソードを刺し込む。
「ぐ、ぅあ……」
声にならない、くぐもった声を漏らして、警備兵が倒れた。
首を切断して絶命させたあと、遺体をアイテムバッグへと放り込む。
倒した警備兵を放置しておくと、他の警備兵に遺体が発見されるかもしれないからだ。
「よし」
とりあえず曲がり角の向こうに警備兵がいなくなった。
角を曲がる。
通路を進んでいく。
領主邸2階の通路は、入り組んだマップである。
しかし俺は、ゲームで何度もこのマップを攻略している。
その記憶を頼りに、一切迷うことなく通路を進んでいく。
やがて。
階段があった。
1階に下りるための階段である。
その階段を下りる。
2階から1階へ。
階段をおりてすぐ右側の通路。
その通路はすぐに突き当たりとなっており、扉がある。
この先に領主がいる。




