第2章38話:弓集め
俺はミノタウロスアーチャーの近くにある岩の後ろにそっと身を潜める。
攻撃力を高めるために、ショートソードではなく、ロングソードを準備しておく。
ラミアリスが【ゴブリンの小弓】を構えて、ミノタウロスアーチャーを狙った。
矢を放つ。
矢は、ミノタウロスアーチャーに命中するかと思いきや、わずかに軌道がそれて当たらなかった。
(外したか……)
まあいい。
ミノタウロスアーチャーが、ラミアリスの存在に気づき、振り向いた。
「グオオオオオォォン!!!」
と咆哮をあげてから、ミノタウロスアーチャーが弓を構える。
矢をつがえた。
ミノタウロスアーチャーは弓を構えるとき硬直する。
俺は、その硬直を狙って、岩陰から飛び出した。
ミノタウロスアーチャーにあっという間に接近する。
「!!?」
ミノタウロスアーチャーが俺の存在に気づいて、こちらに弓を向けてくるも―――――
ほとんど同時に、俺はミノタウロスアーチャーの側面に回りこんでいた。
「脇がガラあきだ」
そう静かに述べて、俺はミノタウロスアーチャーの肋骨から滑り込ませるように、ロングソードを差し込んだ。
悲鳴をあげてミノタウロスアーチャーが両膝をつく。
そんなミノタウロスアーチャーの首を、俺は斬り落とした。
戦闘終了である。
「よし……まずは一匹だ」
ラミアリスがやってくる。
「倒したようね」
「ああ、この通りだ。さっそく弓を回収しよう」
俺はミノタウロスアーチャーから弓と矢を回収する。
【ミノタウロスの長弓】
と
【ミノタウロスの矢】
である。
矢に関しては6本、手に入った。
「ミノタウロスの弓は攻撃力と射程が非常に頼もしい。ただし扱うには必要攻撃力29が必要だ」
俺の攻撃力は18。
さらに腕力のリングによって攻撃力23になっているので、あと攻撃力6が足りない。
「攻撃力が足りないわね」
とラミアリスも言った。
俺はうなずきつつ、答える。
「足りない攻撃力は、レベルアップで足せばいい。幸いなことにミノタウロスアーチャーは経験値も美味いからな。弓集めをしつつ、ステータスも鍛えていこう」
「なるほど。効率的ね」
回収作業が終わったら、次のミノタウロスアーチャーを探す。
すぐに2体目を発見した。
この2体目に関しては、ラミアリスの矢が脳天に直撃したので、一撃で仕留めることができた。
さらに3体目、4体目、5体目とミノタウロスアーチャーを狩っていく。
フラウも召喚して狩りに参加させ、フラウのレベリングもおこなう。
結果。
1日中狩り続けて、ミノタウロスの長弓を10本確保(さすがにこれ以上は要らないので、10本以降はストックせず)。
矢に関しては300本以上確保することができた。




