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無能力だからと追放されたオッサン、ゲーム知識で全ての敵をねじ伏せる  作者: てるゆーぬ


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第2章36話:別視点2


「……た、助けて……!」


とルーカーの女性が懇願こんがんした。


しかし誰も応じない。


この場にいるのは、ルーカーを管理するラッガルと、その部下の兵士たちのみである。


誰もルーカーなど、対等な人間だと思っていない。


ゆえにデビルイードが女性にみついても、助けなどしなかった。


「いぎゃああああっ!! 痛い!! いだい! いやあああああああ!!!」


デビルイードにかじりつかれ、けんばかりの絶叫をあげるルーカーの女性。


ラッガルは兵士たちに命じる。


「エサに食いついたぞ! 今だ! デビルイードを仕留しとめろ!!」


兵士たちが命令にしたがい、剣や槍を持ってデビルイードに攻撃を始めた。


兵士たちが槍を突き刺す。


剣で斬りつける。


デビルイードに負傷が増えていくも、デビルイードは食事をやめない。


ルーカーの女性をくだき、食らい続けている。


女性の絶叫がこだまする中、兵士たちが攻撃をひたすら続ける。


やがて、デビルイードのダメージが致命傷に達した。


デビルイードが倒れる。


「よし、いいぞ! 攻撃終了こうげきしゅうりょうだ!」


とラッガルが命令する。


兵士たちが攻撃をやめた。


デビルイードのむくろが転がる。


「どうやら倒せたようだ」


とラッガルが宣言するようにつぶやいた。


兵士たちから歓声が上がる。


ラッガルは歓声をよそに、デビルイードに食われたルーカーの女性に視線を向ける。


女性は息絶いきたえていた。


「ルーカーをおとりに、デビルイードを倒す作戦……なかなか容赦ようしゃがありませんね」


と言ったのは兵士長へいしちょうだ。


ラッガルにデビルイード討伐を依頼したのは彼である。


ラッガルは答える。


「何を言っている。これがルーカーの正しい使い方だ」


さらにラッガルは続けた。


「役に立たたないクズを有効活用ゆうこうかつようしているだけだ」


兵士長は肩をすくめながら応じる。


「なるほど。こういう采配さいはいを見ると、つくづく自分がルーカーに生まれなくて良かったと思いますよ」


「くく。まったくだ。俺もルーカーにだけは生まれたくないな」


とラッガルは同意した。


「さて、ボス討伐の報酬を確認しよう。こういう大物が住む洞穴には、レアなアイテムが眠っているものだ」


とラッガルは告げてから、デビルイードの住処すみかだった洞穴へと近づいた。


アイテムバッグからたいまつを取り出してから、洞穴の中に入る。


洞穴の奥に、広い空間があった。


デビルイードのねぐらであろう。


そこに……宝箱が置いてあった。


「あったあった」


とほくそ笑みながら、ラッガルは宝箱を開ける。


入っていたのは、金色の剣と、銀色の剣である。


ゴールドソード、および、シルバーソードだ。


「剣か……良い特殊効果とくしゅこうかがついていればいいのだが」


とラッガルはつぶやく。


「性能を調べるのは、帰ってからにしよう」


剣を回収した彼は、洞穴の外へ出た。


兵士たちに命ずる。


「これにてデビルイードの討伐任務とうばつにんむは終了だ。デビルイードの遺体は回収しておけよ。さあ、撤収てっしゅうするぞ」


「ラッガル様! ルーカーの遺体はどうなされますか?」


「そんなゴミを持ち帰る趣味はない。捨てて置いて構わん」


と短く命令して、ラッガルは帰還の準備を始めるのだった。






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