第1章21話:ステータス
さて、戦利品の取捨選択は済んだ。
「収穫は、腕力のリングと回復薬ぐらいね」
「ああ。まあ、この二人から回収できるのはそんなもんだ」
「それじゃあ出発しましょう」
とラミアリスが言った。
「ちょっと待ってくれ。レベルが上がったから、ステータスを振っておきたい」
「ああ、そういえばレベルアップの光が見えていたわね」
レベルが上がると、ステータスポイントがもらえる。
レベルが1上がるごとに、ステータスポイントは3ポイントもらえる。
なおステータスポイントを割り振るためには、以下の手順を踏む。
まず、まぶたを閉じる。
視界に暗闇が広がる。
そこで。
(ステータス)
と唱える。
すると、眼前の暗闇に俺のステータスが表示される。
◆◆◆
名前:ロッシュ
年齢:37歳
適性職:剣士
階級印:第十階級
ユニークスキル:なし
レベル:10
攻撃力:12
防御力:10
敏捷力:9
魔力:5
ステータスポイント:3
装備
ショートソード+2:攻撃力+7
腕輪のリング :攻撃力+5
◆◆◆
俺のレベルは9だったが、たったいま10に上がった。
ステータスポイントの残量は3である。
これをどのステータスに割り振るか……だが。
(いまは攻撃力全振りでいいな)
と俺は考える。
RTAの知識に照らし合わせると、序盤は攻撃力を上げておいたほうが効率が良い。
というわけで。
ステータスポイント3は、全て攻撃力に振っておく。
ステータスポイントを割り振った結果。
俺のステータスは以下となった。
◆◆◆
名前:ロッシュ
年齢:37歳
適性職:剣士
階級印:第十階級
ユニークスキル:なし
レベル:10
攻撃力:15
防御力:10
敏捷力:9
魔力:5
ステータスポイント:0
装備
ショートソード+2:攻撃力+7
腕力のリング :攻撃力+5
◆◆◆
大事なのは攻撃力である。
衛兵隊長とまともに戦うには攻撃力25以上が欲しい。
現在、攻撃力は15である。
そこに腕力のリングが加わって20になる。
さらにショートソードを使えば27になるので、欲しい攻撃力は満たしている。
いますぐ衛兵隊長と遭遇しても、討伐可能だ。
(衛兵どもを皆殺しにする準備が、ようやく完全に整った)
俺は閉じていた目を、開く。
そして告げた。
「ステ振りが済んだ。待たせたな。いこうか」
かくして俺とラミアリスは次の目標地点へ移動する。




