アルラセナの塔★第一階層《魔王としての力量》
みんなで協力して階段を完成させてしまい真生のやることがなくなり……。
色々と試行錯誤をしながら真生は階段の代わりになりそうな物をピックアップしていった。
勿論ポメルも手伝っている。
周囲に居る魔種族たちも真生が一生懸命にやっている姿をみて魔王さまの手伝いをしなきゃと探し始めた。
気絶していた魔族も目覚めたと同時に手伝い始める。
・
・
・
♠
☆
♠
・
・
・
そんなこんなで段々とできあがっていった。
それらは、ほぼポメルや魔種族たちがやってしまう。
そのため真生は殆ど何もできずにみていた。
できあがる光景を只々みていた真生は口を出す間もなかったため「……」無言のまま佇んでいる。
アッという間に階段が完成した。
「…………凄いもんだな。これだけの物を、そんなに時間をかけずにつくってしまうなんて」
「とうぜんですわ。みんな魔王さまのためだと思って頑張ったのよ。勿論ワタクシもね」
「俺のため……なんでだ?」
そう問われポメルは呆れた顔になる。
「魔王さまとしての自覚はないのですか?」
「自覚…………俺は魔王になりたいと思っている。それに、まだ魔王として覚醒してないぞ」
「なるほどねえ……いいですか! 魔王とは魔種族の王なのです」
「そんなのは分かっている。だから正式に魔王になろうと」
何も理解していない真生に対しポメルは、どうやって説明したら分かってもらえるのかと思考を巡らせる。
「既に魔王さまは、ワシらの王じゃぞ」
そう言いボロボロの服の老人が、ヨロヨロしながら真生の前に姿をみせた。
この老人は、ゾバルド・プスタと云い見た目の通りゾンビである。
「ちょっと待て! まだ王として何もしていない。それなのに、どういう事なんだ?」
「いえ……しておりますぞ。この傾いた魔王城を立て直そうとしているのですじゃ」
「城を立て直す? 何処も傾いているようにみえないぞ」
そう言い真生は首を傾げた。
「みえないものが傾いておる。されど魔王さまが現れてから皆、動きだした。そのお陰で魔王城は生き返ったですじゃ」
「そうそう、その通りよ。居るだけで魔王さまは皆を動かすだけの存在感があるってこと」
「存在感って……信じられない。だが、みんなが思ってるなら……そうなんだろう。でも……ハァー」
そう言われ嬉しい反面、魔王だと云う実感を持てていない真生は納得できないようだ。
「魔王さまが王としての実感を持てないのなら今は、それでいいと思うわ。だけど、ワタクシたちは魔王さまだと信じてます」
「その通りじゃぞい! 必要な時は駆けつけますじゃ」
「そうか……ありがとう。それだけ想われているならば早く覚醒しないとな」
真剣な表情で真生は周囲に居る者たちをみやる。
「慌てなくても、ワタクシ達に取っては既に魔王さまですわ」
「ああ……そうだとしても俺の気がすまない!」
「そうねえ……それが魔王さまの良いところなのかもしれない」
目をハートにしポメルは、ウットリしていた。
「そうなのかは分からない。だが、そういう事にしておくか。それはそうと、そろそろ上に行くぞ!」
そう言われたポメルは頷き真生の前を歩き始める。
そのあとを真生が追いかけた。
ゾバルド達は真生とポメルの姿が消えるまで見送っている。
そして真生とポメルは階段が壊れないかと思いながらのぼって無事に二階へと辿り着いたのだった。
読んで頂きありがとうございますo(^▽^)o
では次話もよろしくお願いします٩(^‿^)۶




