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転移者魔王の珍英記〜俺は名前のせいで魔王と勘違いされたので、能力を駆使して本当の魔王になってやるぜ!!『魔王さま〜流石ですわぁ♡』〜   作者: みけ猫 ミイミ
第三章

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アルラセナの塔★第一階層《反省と提案と能力を使うと》

ポメルは真生に謝罪して……。

 ユックリとポメルのそばへと真生はきた。


「魔王さま……あー、そのですね。ご、ごめんなさい!」


 あまりにも真生が怖くてポメルは半泣き状態である。


「また泣き真似か? それとも本当に反省してるのか?」

「ウグッ……は、はい……もう魔王さまを自分の理想通りにしようとするのはよしますので……どうか許してください」

「自分の理想……なるほどな。俺は魔王になりたい。だが性格まで変えるつもりなんかないぞ」


 真生から発せられていた覇気は何時の間にかおさまっていた。まるで瞬間湯沸かし器のようである。


「そうよね……理想を押し付けるなんて間違っていましたわ。どうかワタクシに罰を、お与えくださいませ」

「罰か……まあ反省しているならいい」

「なんて、お優しいのでしょうか。こんなにも強いと云うのに……。しかしながら、このままではワタクシの気がすみませんわ」


 そう言いポメルは真生を真剣な眼差しでみた。


「そういう事なら、アドバイスしてくれないか?」

「アドバイス……もしかして先程、悩んでいたことをですか?」

「ああ、どうしたらいいのか分からないんだ」


 それを聞きポメルは、どうしようかと悩んだ。


「そもそも、なぜ掃除をしたいの?」

「能力の掃除を試したいのと、あまりにも塔の中が汚れているからだ。蜘蛛の巣は張っているし……物が散乱してるしな」

「なあ~んだ……そんな事なのね。試すのは一回でもいいのですか?」


 そう問われ真生は、コクッと頷いた。


「それなら一回試したあとアルラセナ様の所へ行けばいいんじゃないのかしら」

「だが、これだけ汚いとなぁ」

「そこは、この塔に居る者たちを扱き使えばいいじゃない」


 そう言いポメルは、ジト目で真生をみる。


「扱き使う……まあ、そこまでじゃないにしても。頼んでやってもらうのはありだな」

「それでいいと思うわ。ワタクシも暇ですし……手伝うわよ」

「それは助かる。だが、お前には最上階の途中までついて来てほしい。一人でって思ったが無理そうだ」


 真生は自分一人でも、なんとかなると思いここまできた。

 だが思っていた以上に分からないことの多さに気づき一人では無理だと判断したのである。

 それでもアルラセナの所には一人で行きたい。そのためポメルに最上階の途中までと言ったのだ。


「承知しましたわ。このポメル・クリウエス……何処まで役に立てるか分かりません。ですが可能な限り、やらせていただきます」

「ああ、よろしく頼む。じゃあ早速、能力を試してみるとするか」


 そう言い真生は散乱している物へ視線を向ける。その後、目の前に手を翳した。


 《掃除スキル【片付け レベル1】!!》


 そう言い放つと翳した手の前に魔法陣が現れる。その魔法陣は光を放ち目の前に散乱している物などへとあたった。

 すると散乱していた物は以前に置いてあっただろう場所へと移動する。

 その様子をみながら真生は、なるほどと感心していた。


「凄い能力ですわ。次々に元の場所へ戻っていく」


 そう言いポメルは目を輝かせ散乱していた物が元の場所に戻っていく光景をみている。


(この能力は何かを隠ぺいしたい時に使えそうだ。まあ……そもそも、そんなことには使わないだろうけどな)


 笑みを浮かべ真生は自分の手をみていた。

読んで頂きありがとうございます(o^^o)


では次話もよろしくお願いしますo(^o^)o

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