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転移者魔王の珍英記〜俺は名前のせいで魔王と勘違いされたので、能力を駆使して本当の魔王になってやるぜ!!『魔王さま〜流石ですわぁ♡』〜   作者: みけ猫 ミイミ
第三章

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アルラセナの塔★第一階層《問いかけ、責められ、怒り爆発》

真生は悩んでいたが周囲に潜む魔種族たちに問いかけるも……。

 ひたすら思考を巡らせ真生は周囲を見回した。

 周囲には魔種族なのだろう気配が至る所から感じられる。

 その魔種族たちは真生と視線が合うたびに怯えていた。それなのに、なぜか逃げる様子はないようだ。


(ここに住みついている魔種族なのか? 気配を感じるが危害を加えてくる様子はない)


 その様子をポメルはみている。


(まだ考えているの? すぐに決断すると思ってたけど……これじゃあ想いが覚めてしまうじゃない。

 だけど……待って! これって只、物事に慎重なだけなのかもしれないわ。そうよ……きっと、そう)


 かなり単純で思い込みも相当なもののようだ。

 それにしても真生は人間じゃない者に好かれる体質のようである。


(これだけ居れば聞いた方が早い……あーそうか。こんなに魔種族が居るんだ。

 一人で考えなくても相談すればいいんだよな。なんだ簡単じゃないか)


 大きく息を吸ったあと真生は天井を見上げた。


「話を聞いてくれ!」


 その声を聞き周囲に潜む魔種族たちは騒めきだす。


「俺は凄く悩んでいる。塔の掃除と最上階に居るアルラセナの所に向かいたい。そのドッチもやりたいんだ。どうしたらいい?」


 そう叫ぶと、ザワザワと至る所から声が聞こえてくる。その声は聞こえるかどうかの微妙な呟きだ。


(結局は聞く訳ね。まあ……先程よりは、まだいい方かしら)


 そう思いポメルは、ニコリと笑みを浮かべる。


(騒めきだした。なんて言ってる? 声が重なっているせいと小さいためか聞こえづらい)


 これじゃ何も聞こえず話し合いにもならないと真生は溜息をつき頭を抱える。


「ハァー、そこは……隠れてないで出てこいって言うところでしょ。もっと魔王さまらしくしてくれないと困るのよね」

「困る? そもそも魔王らしいって、どうすればいいんだ?」

「それ本気で言ってるの? それを聞くって意味が分からないのですけど」


 こうは言っているもののポメルは返答に困っていた。只、自分の理想を真生に押し付けたいだけのため余計にである。


「意味が分からない、だと。そもそも、なんで俺が自分の性格を変えないといけないんだ?」

「知らないわよ! 只みんなに慕われるような魔王さまになってほしいって思っただけなんだからね」


 そう言い放ったと同時にポメルは泣き出した。


「おい……待て! なんで急に泣くんだよ」


 急にポメルが泣き出したため真生は、どうしたらいいのか分からなくなりアタフタする。

 周囲からは「魔王さまが泣かせた~」、「いけないんだぁ~いけないんだぁ~」と真生を責める沢山の声が聞こえてきた。


「……俺が悪いのか? いや……違うよな? なんで責められないといけないんだよぉー!!」


 あまりに意味不明に責められ真生は怒りが爆発してしまう。そのため真生の体から覇気が放たれる。

 周囲の至る所に隠れている者たちは真生の覇気に耐えられず失神してしまった。

 バタバタと天井から落ちてくる多くの魔種族たち。

 かたや姿を消していた多くの魔種族たちは倒れ泡をふいた状態で姿を現した。


「こんなに居たのか?」

「流石は魔王さまだわぁ~……ウットリしてしまうほどカッコいいです」


 さっきまで泣いていたはずのポメルは真生のことをハートの目でみている。

 そんなポメルをみて真生の顔には怒筋が浮かんでいた。

 相当に真生は怒っているようだ。


「いい加減にしろよ! 何処まで俺を馬鹿にするつもりだ!!」


 そんな真生をみてポメルは恐怖し身を震わせていた。……まあ自業自得だろう。


「覚悟はできてんだろうな」


 イライラしている真生は口調まで変わってきている。

 そんな真生は睨みながら、ポメルのそばへと徐に近づいて行ったのだった。

読んで頂きありがとうございます(o^^o)


では次話もよろしくお願いしますo(^▽^)o

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