ゴーゴーゴーデーモン 後編
soyjoyとおにぎりローソンで買おうとするとsoyjoyのほうが安いしおいしかった。
(個人の感想)
「貴様は試験生か。一応言うが、我々も雇われの身なんだ。たとえ試験生であろうと、容赦はしない。」
「そうだぜ。セカンドハンドだったな。2番手なんだな。じゃあファーストとサードはあとから来るのか?いや・・・ファーストが来てないからセカンドが1番か。」
バックワームは頭を抱える。
「すまない。ノートブックはとにかくアホなんだ。」
「アホじゃないぜ。だって俺の事単細胞とか言ってくれるんだぜ。細胞が何かは分かんねえが、きっと褒めてるんだろうな。」
「なるほど。役たたずか。」
するとノートブックの笑顔が失われる。
「おいバカ。」
「お前・・・おいらのこと役たたずって言ったか。」
「いや、二人に言ったんだよ。」
「あれ俺も。」
「おいマックワープ。こいつ殺してもいい。いや殺すね。必ずだ。10000%そうする。」
「マックワープやら、人の名前を覚えないのは癪に障りますが、あの天狗になった新人にお灸を据えておかないと。」
するとバックワームは姿を消す。
櫻木は後ろ回し蹴りを行う。
何も無い空間に何かが足に当たる。
「それは変わり身ですよ。日本人なんでしょ。」
するとバックワームの目の前にナイフが宙に舞う。
その時2、3発の弾丸をくらう。
櫻木は後ろを向いたまま、拳銃でバックワームを撃ったのだ。
「少し下がります。」
「りょーーーかい。」
ノートブックが真正面から突撃してくる。
武器も持たない拳の戦法。
しかも捨て身か。
櫻木は軽々と受け流す。
するとノートブックは腕を壁の方へと持っていき、そのまま壁を破壊しながら、横に一回転する。
櫻木は下に躱し、そのままナイフを回収しノートブックに刺す。
するとそのナイフの刃が粉々に砕けた。
櫻木は身の危険を感じ、1歩下がる。
するとノートブックのドロップキックが櫻木に炸裂。
櫻木は何とか耐えたものの、腕の痺れが残っていた。
あの人の一撃結構重い。
しかも今むき出しの腕を刺したんだぞ、それでナイフが粉々になるってどういうことだ。
「さあさあさあさあ。まだ足んねえぜ。」
「落ち着け。おそらく相手は弱点そのものを探っているはず。下手に動けば命取りだ。」
「お前。おいらの事下手って言ったか。一撃も入れたことのないお前が。」
「要するに、慎重に行いましょうねってこと。」
「なんで?」
「あの人。まるで俺が見えていたかのような行動だった。さっきのはあえてかかったふりをしての奇襲。あれは見えていなければ分からない。」
「へー。じゃあ俺がぱっぱと殺してしまえば、すぐにいけるぜ。」
ノートブックは腕を振り、地面を粉々に砕く。
壁や地面、天井に亀裂が走り、崩れていく。
「おい。いくら何でもやりすぎだ。」
「これでいいんだよ。あいつがどう行動するか楽しみだ。」
櫻木の上の天井が落ちてくる。
さあ、どう動く。
おいらは馬鹿だからあいつのいうことが分からない。
だけどそれでいいんだ。
おいらの目には何かが見える。
確実に見えるんだ。
人の弱点を把握する。
それは部位でも精神でもだ。
ノートブックについては聞いたことがある。
彼を馬鹿にする同業者は多い。だから故郷であるロシアにしか現れない。
それに、彼は学がないとかではなく学を拒絶されたのだ。
ソ連の残滓、戦争の申し子と呼ばれる5〰12歳で構成された男女問わずの傭兵軍団。
彼らは文字ではなく殺しを覚え、生よりも死を学び、生きることよりも死ぬことが優先された。
その中の一人であるノートブックには、戦闘の二文字が刻まれていた。
勝負の勝ち負けは、実力ではなく妨害である。
頭脳でも身体でも、相手の嫌なことをする。
それが勝負事での勝ち筋である。
だからこそ、ノートブックには見えるのだ。
勝利に対する貪欲さゆえの、妨害工作が。
見えたぜ。
分かる。分かる。
お前の弱点が分かる。
ノートブックの視界には櫻木の身の回りに、白い丸が浮き出ている。
「ここだ。左の腹。そこがお前の弱点だ。」
ノートブックは瓦礫を掴み、櫻木に向かって投げる。
するとノートブックは異変に気付く。
こいつから消えたぞ。弱点が消えた。
「やっぱ単細胞じゃん。でも今のは誉め言葉だよ。」
櫻木は走る。
崩れ行く天井を避けながら走る。
「あんた。あの腕の筋肉はやばいぜ。鋼をも打ち砕くその腕。だからこの廊下の半分を崩壊させたんだろ。でもそれじゃあだめだ。あんな挑発に乗ってはだめだ。だってお前らのところまでが安全圏だったのに、地下全部崩壊させちゃったじゃん。」
瓦礫は櫻木の真横を通り過ぎ、そのまま地下通路の階段に当たる。
瓦礫と階段が砕けると、更に崩壊のスピードが増す。
「仕留める。仕留めるぞ・・・・。」
ノートブックの顔に櫻木のドロップキックが炸裂。
そのままノートブックは気絶した。
すると透明な姿が迫りくる。
「今回の任務はマフィアのせん滅。だからここからは逃げる。」
櫻木は姿をとらえ、鳩尾を狙い殴る。
そこからバックワームが気絶しながら現れる。
櫻木はバックワームを盾にした。
床に違和感を感じる。
櫻木はバックワームをどかし、外に出る。
高さ数メートルの壁を飛び越え、なんとか地上に出た。
「おめでとうセコンドハンド。大丈夫。あの二人はまだ生きてるからあとで回収するよ。あの二人はロシア内でも外せない人材だから。さっさと救出しないと。」
そこに居たのは、土産屋のおばあちゃんであった。
まあ確かに今まで出会った中でまだ強いほうだった。
「あと合格おめでとう。これで今日からプレデターだよ。」
老婆は櫻木にパスとバッジをもらった。
「あと古い友人にあるものをもらったんだ。」
「古い友人?」
「知りたくないかい?自分が何者か。」
櫻木はその問いかけに固まってしまう。
「じつはある情報屋への行き方を教えてもらってね。その情報を君に渡すように言われたんだ。」
櫻木にある紙が渡される。
「これって。」
「事務所のID。君今フリーランスだから収入が安定しないでしょ。もともとエージェントの時に入るもんだけれども、大型新人ってことで仕事が結構入ってたんだよ。でもそれが長続きしないし、安定しないし、サービス受けれないから、あの人が勝手に登録したんだよ。私名義でね。あいつ、昔からそうじゃないか。同僚だからって勝手にやって。・・・あんた、酒は飲めるかい?」
「年齢的に無理でしょ。」
「大丈夫大丈夫。私はその年でお酒飲んでるから大丈夫だっての。」
「ならあの人たちに分けてください。」
「ああいいわよ。大人数の方がいいしね。あと協力者いただろ。そいつらにも連絡するから。」
「じゃあ俺はこれで。」
櫻木は一目散に去った。
「はあ。ロジーナ・リンボル。祖国に愛をか。本当の名はいつ来るのかね。」
次回、あいつが来る。