秒針は動き出す
投稿に1時間近く遅れました。
イギリスに急遽飛ばされた。
年齢10歳の少年をいきなりイギリスに飛ばす義理の父親も大概にしてくれと思われる。
まあおなかも減りましたし、どこかで食べますか。
櫻木は近くにあるお店でフィッシュアンドチップスを食べる。
すると店員が櫻木の近くまで来る。
その時店員はコインを櫻木に渡す。
チップ制だとしてもそれは客側からであり、店側がコインを渡す行為にはならない。
櫻木はコインを受け取り、よく観察した。
一見普通のコインのように見える。
いやこれただのコインじゃね。
櫻木は店を出て、適当にイギリスを徘徊した。
「しかしこれなんだろ。コインにしてはでかすぎないか。」
櫻木に渡されたコインのサイズは500円玉の1.2倍の大きさである。
まあそんなにかんがえなくてもいいか。
ちなみにこのコインはいたるところに点があり、一種の点字のようにできている。
そしてそれを指でなぞれば暗号が溶ける。
その内容はAt 18:43.you must go to the bigben and bring down the terroist group.
訳すと午後6時43分にビッグ・ベンに行き、テロリストを始末しろという内容。
ちなみに櫻木、この10年間暗号教育などを施しておらず、点字のことさえみちなのである。
そんな彼がこの内容通り来ることが出来るのか。
午後6時43分
櫻木は奇跡的に暗号通りに着いた。
すると一人の女性が近くに待ち合わせていた。
その女性は昼にお店にいた店員であった。
「あら。約束ちょうどに来るなんて、さすがね。」
このとき櫻木は初めて暗号を知った。
というかそのコインは結局売ってしまった。
「まああんな偽物の金貨。価格で考えてもせいぜい3でしょ。だから返さなくてもいいのよ。」
言えなかった。
純金100%でおもさ3.4gあったため4桁はくだらなかったと。
「さあ。まず作戦を立てるわよ。」
「現在テロリストたちはビッグ・ベンの内部、つまり時計の真後ろに潜伏している。条件としては建物を壊さずに始末すること。彼らの目的は知らないけど、とにかく始末しなければいけない。」
「でもどうやって潜入するんですか。」
「簡単だ。登ればいいんだよ。実は事務所で開発されたこの反重力ブーツで壁を伝って歩けるんだ。」
「名前ださ。」
「まあそれはいいんだよ。だから今から突入する。」
つまり強行突破である。
彼女はブーツをはき、壁を渡る。
すると上空から弾幕が降り注ぐ。
彼女は普通に避け、テロリストに迫る。
櫻木は拳銃で撃つ。
撃った弾は弾幕に当て、跳弾となりテロリストの喉を貫通する。
櫻木も彼女と同じようにテロリストに向かう。
壁を走り、攻撃を避ける。
櫻木は閃光弾を取り出し投げる。
閃光弾はテロリストの目と耳が混乱させる。
あともう一人の殺し屋にもくらう。
櫻木は閃光の効果が切れた瞬間にテロリストと目線が合う。
ちなみに運動能力に関しては並みの高校生レベルである。
テロリストの射撃体勢より先に倒れる。
「こいつ。ネズミか。」
櫻木はテロリストの潜伏場所にたどり着く。
構えられた銃よりも先に櫻木はナイフで喉を数回刺す。
そこから敵はまた照準を合わせる。
その時に額に穴が数個空く。
テロリストはせん滅した。
「作戦完了です。」
「そうですか。お疲れ様です。」
すると彼女は突然撃つ。
櫻木は反射的に避ける。
「あーあ。全くあの野郎どもも大したことなかったな。でも疲弊してくれたならそれでいいか。」
彼女は二丁のライフルを持ち、連射する。
櫻木は走りながら周りを観察する。
どう来る。
相手は二丁のライフルもち。
リロードを狙うか。
いやそれは相手の思うつぼだ。
ひとまず逃げるに一択。
櫻木は銃を捨て、ブーツで壁を渡る。
「は。そのブーツを使うのは面白いが、制御装置は私が所持していることを、君は知らない。」
すると櫻木の足が止まる。
重力場が極めて強まることによって、足が固定された。
櫻木はすぐさまブーツを脱ごうとするが、その足も固定されており、脱げなくなっている。
櫻木の目の前には無数の弾丸。
拳銃で対抗するが、その弾は彼女に向かうといきなり弾かれた。
するといきなりブーツが脱げる。
間一髪弾幕を避けることが出来た。
「流石に手が滑った。しかし君の攻撃は我が帝国の最新防具。バレットバリケードはあらゆる弾を吸収し、それを使うことが出来る。つまり、攻撃されれば攻撃力が上がる。一時的な永久機関さ。そして弾が尽きることはない。だから、一発も受けないし最強なんだよ。」
「なんなら。弾じゃなかったらいいんだ。」
「は。残念ながらあらゆる攻撃を吸収するんだよ。だからあらゆる攻撃は効かねえ。」
櫻木は、ビッグ・ベンの長針を手に取る。
「あなたが同じ人間でないなら、この行為も可能だ。ルール順守の人間でさえも納得する回答だ。」
「投げるのか。だったら無駄なことを。」
櫻木は針をぶん回し、薙ぎ払う。
ライフルとバレットバリケードは簡単に打ち砕かれ、風圧でビッグ・ベンの屋根部分は消し飛んだ。
満月が露わとなり、月光は両者を照らす。
「なんで。殺さなかったの。」
「秘密を知っているから。」
「ひ・・み・・・つ?」
「僕は何者なんだ。なぜあんたらは僕を殺しに行く。」
「ア・・リス。」
「アリス?」
「あなたはアリスの息子。アリスは、最強の軍人。そして戦場の女神。だけど彼女は詐欺師によって我が国を捨てた。だから、反逆者なんだ。君は・・・・反逆者の子供だ。」
「分かりました。」
櫻木は長針を振り回し、彼女を殺した。
すると電話が鳴る。
宛先はΦであった。
「Φ。僕の正体は最強の軍人の子だ。これが真実か。」
「ああ。しかし優斗。お前はまだ知らなければならない。それを深く知るには、私と同じところまで来なければならない。分かったか。」
「どういうこと。」
「おまえは今エージェントじゃが、そこからラストとなれ。そうすれば、優斗の秘密を知るやつが見つかる。」
「あんたからじゃダメなのか。」
「最近の若者はすーぐ答えを探そうとする。私はそんな輩が嫌いなんだ。」
怒声を浴びせられ、電話を切られた。
「・・・探すか。」
櫻木は自分の秘密を探りに行った。
そのころ殺し屋界隈であるうわさが広まる。
彼は数人を秒間隔でころし、ビッグ・ベンの時計の針で跡形もなく消した。
彼はここから、セコンドハンドと呼ばれるようになるのはまだ先の話。