ハロー最強 回転
外伝最後のバトルです。
櫻木は少し前に事務所からある任務を受けた。
場所はとある廃墟町
「確か依頼内容はどんなのだっけ。」
櫻木は依頼内容が記されたメールを開き、確認する。
[依頼内容:そこに居るある老人との接触及び殺人。]
老人か。
櫻木はスマホをしまい、その場所へと向かう。
当然事務所は老人の行方などは知らないため、櫻木には大まかな場所しか伝えていない。
廃墟町。たったそれだけ。
しかし櫻木にはわかる。
その老人がだれで、どこにいるのかなど手に取るように分かる。
ただそういう風に訓練されただけだ。
櫻木は廃ビルに足を踏み入れる。
しかし予想通りだ。
なぜならそこには生活していた痕跡があったからだ。
フライパンにナイフ、缶詰、ライター
そして大量の砂糖。ざっと20袋。重さで考えたらおおよそ5キロぐらい。
なんとなく察したよ。
「おや。お前がいるなんて珍しいな。」
すると後ろから足跡がした。
普通は警戒するところだが、櫻木はその素振りを見せなかった。
相手がだれか分かっているからだ。
「久しいな。」
そう。Φであった。
櫻木の義理の父親。櫻木重蔵だ。
「優斗。何しに来たんだ。」
「何しに?ああいやなんか依頼入ってきてて。」
「ああなるほど。そういうことか。」
Φは察したらしい。
「つまりワシを殺しに来たということか。まあ確かにこんな老いぼれ、価値などないと判断されるがな。」
「あんたはどうしてここにいる。普通なら家で大人しくしてるのに。」
「いや、それがそうにはいかない。そもそも依頼を飛ばしたのはワシだからな。」
Φは櫻木にそう告げる。
櫻木はそのことに少し困惑した。
「なんで。いやどうして、あんたがそれを依頼した。まるで死にに来ているようじゃないか。」
「死にに来てるんだ。」
Φははっきり申した。強く、怒りを込めながら。
「優斗。お前はもう殺し屋を辞めろ。」
「辞めろ。まあ確かにそれについては俺自身も納得する、だけど、それは俺自身の問題だ。どうしてあんたがそれを言う。」
櫻木は理由を問い詰める。
「どうして・・・か。」
Φはため息をつき、廃ビルから出る。
「おい。どこに行く。」
「少し散歩しながら話そうか。」
そう言いながら、近くにあった狙撃銃を手に取り歩く。
櫻木はそこについていった。
「いや何も話すことはない。というより話すわけもない。」
「何言ってんだ。まさか理由なしか。」
「理由なし?誰がそんなこと言った。」
「あんただよ。」
「まあ理由がないという訳でもない。ただ単純すぎて聞く意味もないことだ。」
「じゃあ話せよ。こっちもこっちで覚悟してきてるんだから。」
「分かった。」
Φは足を止め、こう言った。
「優斗。お前は何故殺しを続ける。」
本当にどうだっていいものであった。
櫻木からすればどうでもいいことだ。ただ、それが自然に感じ取れているだけだ。
彼はもうすでにラストに配属された殺し屋の一人。当然そんなことを聞いたって意味もないことだ。釈迦に説法。それと同じ。
でもΦはそれを聞いてきた。彼も同じくどうだっていいことだと思っている。
「あんたが始めたんだろ。」
「ああだから終わらすように今言った。でもそれ以外にもあるのかと聞いたのだ。」
櫻木が殺し屋になったのは自分の意志ではない。ただそうなると思っただけだ。義務教育の一環と思っていただけだ。
「だからもう一度聞きたい。お前はまだ殺し屋を続けるのか。」
「・・・」
櫻木は口を閉じた。何も言えなかった。自身もやめようかと思っていたのだ。
その起点となったのは、両親について発覚したときからずっと。
複数の殺し屋と会うことでも、親友を作ったことでも、ハッカーと相容れない関係になったことでも、ゲームを始めたことでもない。
殺しの道に進んだのは、両親について知りたかったから。
でも、それさえ解決してしまったら何が残るのか。
何も残らない。もう情熱さえ失ったものなのだ。
「優斗。今から戦おうか。」
Φは狙撃銃を構える。
「お前が今までに経験したものを、わしにぶつけてこい。もし殺せたら、お前は晴れて自由の身だ。何者にも縛られない自由な人生を歩め。」
その一言を聞くと、櫻木は銃を構え戦闘態勢に入る。
「戦うよ。それから決める。」
Φは笑う。
「じゃあ来い。わしの一番弟子。」
「やってやるよ。師匠。」
櫻木は走り出す。
Φとは全く違う方向に行き、そこから姿を消した。
「そうか。そうだな。お前はそれでこそ、強みがあるということだ。」
Φはビルや建物に向かって銃弾を放つ。
放たれた銃弾は建物内を跳ねて、櫻木に追尾するような形で迫ってくる。
すると櫻木がΦがいる真横の廃ビルから姿を現した。
その瞬間に銃弾を発射する。その間およそ0.01秒。
瞬間的な攻撃。普通なら防御不可。
だがΦはそれを見切り、狙撃銃で弾き返す。
銃弾はそこから回転が加わり、そのまま空中で回転し続ける。
すると後ろからその前にΦが放った銃弾が飛んでくる。
櫻木はそれを難なく避けるが、Φはそこからマガジンごと空中から放り投げた。
すると迫ってきた銃弾はそこに当たり、それらは大幅な軌道を変更し、櫻木に向かってくる。
その銃弾は櫻木の脚を貫いた。
「安心しろ。それでも殺傷能力が低いものを買っておいた。まあ威力も弱めておいたが。」
Φは傷を見てそう発言した。
完結まで残り二話




