地雷探し 後編
終わりが見えてきた。
或時の足元には真っ赤な血が盛大に広がっていた。
そして前にいた肉包丁を持った人間などいない。
プレス機にかけた後、肉片という肉片も跡形もなく消えていった。
「さあさあさあ。こんにちはこんにちは。或時が遊びに来たぜ。」
ビル一杯に叫ぶ或時。
しかしそれは敵側からしたら、恐怖を与えるものでもあり、強者からすれば強いカンフル剤となる。
そしてこのビルには弱者というより部下は全て宵咲軍団が始末し終わっている。
残るのは上位の席。八名がこのビル内に潜んでいる。
「おいおいおい。ついにあの神隠しがここに現れたのかよ。」
「そうだなそうだな。やるかやるか。」
一回の天井を突き抜けてあらわれた二人組。
一人は大男でありながらサバイバルナイフ一本を持っており、もう一人は子供っぽいのに大きなミサイル砲を持っている。
「ん。誰あんたら。」
「ああ、私たちのことかい。」
「俺たちは俺達だ。」
・・・・
「すいません知能定数駄々下がりなバカいるんですけど。」
「誰だい誰だい。」
「お前だ。繰り返し」
仲間の一人が軽く頭を小突く。
「えへへへへへ。失敬失敬。」
「まあ自己紹介からそうしないといけませんから。」
「そうだなそうだな。」
「わたしのな・・・」
すると大男の顔全体に穴が空く。機関銃で撃たれた傷だ。
「・・・おい。きさま・・・」
「はっはー。流石だな宵咲。確かにその方が効率が良い。」
日喰比は後ろに持っていた大型のハンマーを子供に勢い良く投げ、半壊させた。
その前に宵咲は大男をショットガンで五発同時に発砲していたのだけれど。
というかこいつら。
全然相手のこと気にしてねー。
「お前ら。早すぎ。」
「早い?殺し屋に早いも遅いもないだろ。」
うーん。まあ確かにそうだけれど。
「それにこうした方が意外に早く済む。」
「正論だ。」
「はっはー。つまるところ貴様はエンタメ性が無くなってしまうから先制攻撃は敵からという思想であったのだろう。しかしそれは済まなかったな。」
「まあそういうものでもない。」
ひとまず言えるのは、倒すのは自己紹介してからにして。
初めの奴が際立っちゃうから。
まあとりあえず先に行くか。
櫻木はほか三人を置き去りにし、すぐさまビルを駆け巡る。
「はっや。」
「はっはー。あの速さは暁よりも超えていることだろう。なあ。」
「・・・そうか?むしろあれはスピードじゃなくて、反射だろ。」
櫻木は二階に駆け上がり、そのままくまなく探す。
すると正面に敵が現れる。
「ふ。所詮こいつらは下位の存在ここからがおてなみはいけんだ・・・」
うるさい。
櫻木は大男の持っていたナイフを先程手に取り、そのナイフを正面にいる敵に思いっきり刺した。刺し傷じゃなく、切断面が見えるほどに。
でも二階にはいないな。
確かこのビル6か7ぐらいあったはずだけど。
「とりあえず上に行くか。」
三階に上がろうとすると、またもや正面に人がいた。
「我が名は」
「邪魔。」
またナイフで首を斬り倒す。
文字通りに首の骨を折って。
しかし三階にもいないとは。
「ちっちー。それはトラップだぜ。」
と毒ガス弾を後ろから放つ敵がいたもんだから。ナイフを投げてその毒ガスを相手にくらわせてから、四階へと昇る。
「たきたきたきたきたっき」
ブリッジ状態で迫ってきた奇妙な存在が近づいたのでとりあえずおなかを蹴りつぶして気絶させる。
五回に上ろうとした矢先、困ったことが起こった。
どうやらここからの階段はない。
というより壊されている。何者かが。
「ひとまず壁蹴っていくか。」
マリオの壁キックの要領でとりあえず六階。
しかし誰も居ない。
という訳で同じように七階まで行く。
そこには人質の少女と、鶏のマスクをした二人がこちらを見ていた。
「02」
「こんにちは。侵入者。」
「15。」
「私は感激しています。」
「634315」
「なぜなら彼らを倒したからです。それは私にとって感謝を述べたいぐらいに。」
一人が数字を言って、それをもう一人が訳している。
奇禍怪な存在らだ。
「919256214」
「しかし私はあなたにいうことはありません。なぜならあなたは私に殺されるのだから。」
そう言いながら日本刀を構える。
通訳はただ見ているだけなのか。
「3421」
「では、参ります。」
その一言が終わると同時に決着はついた。
確かに彼の速度はどんな人間でも対処することは不可能。それどころかほとんどは死に、生きることじたい奇跡そのものであった。
だけどそれは櫻木でなかったらの話だ。
櫻木は蹴りを一発。その一発は刀を使えなくさせるほどに強力な一撃。
そもそも速さの時点で、速さという勝負に持ち込んでしまったことが、彼の敗因だったと言える。
そのまま日本刀を割り、その刃を手に取って、口に入れるように彼に刺した。
そのまま倒れこむ青年。
「これで一件落着かな。」
しかし通訳は何も言わない。
なるほどな。
「アンドロイドか。」
人間を模したアンドロイド。人間ではない。彼女は。
人質の隣にいるものは者ではなく物。
機械であった。むしろこいつが頭領だったのかもな。
そう思いながら刃を捨て、人質に近づく。
縄をほどき、少女を自由にさせる。
「大丈夫か。」
「・・・・・はい。」
これが、殺し屋マインとの出会いである。
完結まで多分あと5話




