表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/29

再会と重し

二月が終わる。

そして多分予定してたよりも外伝ながいぞこれ。

下手すれば40以上行くんじゃねえの。

 まあ気まずさはある。

 昨日会った人がまさかマインドの紹介する人であったなんて。

 というか向こうもひきつってんじゃねえか。

 口角が変に上がってるんだよ。

 多分我慢しているよ。

 「やあ始めまして。私は真央。あなたがなんだっけ。櫻木って人かい。」

 「はい。初めまして。」

 ああー。本当にヤダ。いや、一番かわいそうなのは向こうだよ。昨日あんなこと言っちゃってたもん。

 『自己紹介はまた会った日にやろうよ。』

 どう考えても今じゃないんだよ。今じゃ。

 またばったり会ってお茶しないとかの誘いだよ。

 だからいま顔隠したいって思ってんだよ。

 赤いもん。顔赤いもん。

 「まあとりあえずどっかで食べようぜ。ファミレスでいいかファミレスで。」

 こいつ。本当に空気読まないな。いや、詳細を知らないからか。

 櫻木はマインドの様子を伺う。

 あっこれ分かってるやつだ。

 だって笑ってるもん。

 明らかに笑みがこぼれてんだよ。

 「どうする。二人とも。」

 完全に面白がってんじゃねえか。

 「じゃあそれで。」

 「私も・・・それで。」

 「じゃあ行くか。」



 三人は座り、メニューを頼みそこから待つ。

 「そういえばさリック。なんで私なんだ。いつもは僕様ちゃんとか言ってるじゃん。ラストリゾートで。」

 「それはゲームの時だけ。」

 「へえ。そうなんですか。」

 「こいつうぜえ。」

 「あっ。ここで俺はお手洗いに。」

 マインドはこの場を一時的に去る。

 二人となった空間に先に口を動かしたのはマオの方であった。

 「なんか。昨日ごめんね。」

 「いえいえいえ。正直あの言葉はどうかと。」 

 「そうなんだよなー。だってあんなこと言ってから明日その本人に会いましたなんてマジで罰ゲームのようなもんなんだよな。」

 「まあ俺はそんなこと気にしないですよ。」

 「というか君訳アリなんだってな。まああいつに会ってるから驚いたりしないよ。というか、メジャーになってきている感じだからね。ウェブサイトあるとかマジで。」

 「ああ。そうなんですね。」

 現在の殺し屋は裏稼業というよりもほぼ日夜その情報が世界に発信されている。

 SNSの普及とエンタメの進化により、殺し屋の認知は都市伝説ぐらいまでには浸透してきた。

 特に今は殺し屋というより始末屋となっており、どちらかと言えば裏稼業から公務員の一種となっている。

 資格は高卒のみ。年齢問わず。でも試験内容は厳しい。まあ人を殺すこと自体が試験なもんだから覚悟さえあればいいんだけどね。

 「まあそもそも私とあいつの出会いはゲームなんだよね。君じゃなかった。えーと櫻木君は普段ゲームとかする。ほら、昨日ゴーグル買ってたじゃん。」

 「実は、ゲームやったことないんですよね」

 「ああ知ってるよ。私は嘘つく人間かどうか判断したかったから。」

 「はあ。」

 「まあ確かにつらいよね。両親の殺害によって最強の人間に弟子入れさせてもらって、そこから犯人を見つけたけど、最終的に母親が立ち向かってきて、仕方なく自分の手で殺してしまった。でも最後に見せた母の笑顔に救われて感動してた。でも生きる気力を同時になくした。そんな感じだってことは聞いてるよ。」

 「なんだその長々しい設定は。」

 「君のことだよ。」

 「いや。いやいやいや。それは違うよ。ていうか違う。そんな主人公じみた設定持ってないから。ある程度あってるけど、感情は多分大幅に違うよ。」

 「てか日本語うま。外国人なのに。」

 「日本人だわ。ハーフだけど日本人。」

 「まあともかく君。遊ぶゲームがないって。」

 「まずゲームをしたことないんですけど。」

 「まあいいよ。私と一緒に同じゲームを使用よ。あいつは絶対誘わないけど。」

 「それってなんですか。まさか格闘ゲームとでも。」

 「違うよ。私はあるゲーム会社のシステムエンジニアであり、プロデューサーさ。」

 マオはカバンに入れていたタブレットを櫻木に見せる。

 「ミリオンスパイラル。通称ミリスパ。バトロワゲームだよ。」

 「結構リアルだな。」

 「当たり前だ。この私が作ったんだから。あと、あいつには絶対言うな。腹立つから。」

 「そんなにむかつく人間ですか。」

 「お前もなんかそういう人間っぽいな。なんというか目だ。目がなんかそんな感じなんだ。」

 「眼なんですか。」

 「大抵見たら分かるんだよ。でっ、どうする。もしあれならやめておくけど。」

 「やるよ。どうせ暇だ。それに何か楽しめるものがないとやっていけない。」

 「本当に君高校生。随分大人びてるけど。」 

 「まあ正確には大学を飛び級で卒業しているので、実際は大卒ですけどね。」

 「へえー。まあ私も高卒だし。なんなら高校中退してるから中卒なんだけどね。」 

 「よく受かりましたね。」

 「私の場合はヘッドハンティングさ。まあ向こうが眼をつけたって感じだけど。」

 「へえー。」 

 「まあ。やりたいならストアでダウンロードして。一応無料のゲームだから。」

 「了解。」

 「二人とも何を話していたんだ。」

 マインドが戻ってくる。

 「別に。どうだっていいでしょ。」

 「そうですね。どうだっていい。単なる世間話だ。」

 

次週ミリスパ編始動

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ