第6章
第6章
「リリィ、おはよっ」
と言いながら抱きついてくる貴女
「おはよう」
照れた様子など見せない私
今日もまた一日が始まったねーと話す貴女とともに教室に入る。
今日も貴女は可愛く、愛苦しい。
一限ってなんだっけ
確か英語だったと思うよ。
こんなくだらない話なら今まで沢山話してきてるのに1万文字以上も話してるのに、
たったの二文字が言えなかった。
あともう2日で夏休みだよー。大人になりたくない、
ただ夏休みになるだけでしょ。
でも、そうだね、少し寂しいかも
リリィがそんなこと言うなんて珍しい、!
そうだ!ご飯食べるの今学期は今日で最後だし久しぶりにあの教室に行かない、?
「いいよ。」
これは告白するしかないんじゃないかと思った。
それから告白する言葉を3時間かけて考えた。
ようやく4時間終わったねー!
じゃあ行こっか
2人が初めて出会った美術室に行く。
旧校舎でもう誰にも使われてないから少し遠かったけどそんなことどうでもよかった。
「ねぇねぇ」
「ん?」
「私ね、貴女のことが好きなの。」
いざとなると3時間もかけて考えたことなど全て飛んで口からでなかった。
「何それ笑 私も好きだよ。3年間ほんとにありがとう!」
「そうじゃなくて、こいびととして」
「え、、、?」
「ごめんね。付き合えない。」
目の前が真っ暗になった気がした。
翌日の終業式の後
一緒に帰ろう。話したいことがある。と言われた。
私は一人で帰ると言ってそのまま帰った。
泣いてる姿なんて見られたくないから振り向かえらずに、
「待って、リリィ!」
後ろからタイヤの激しく擦れる音がした。
悲鳴が聞こえた。
それ以外は覚えていない。
はぁ、はぁ、はぁ、
「リリィ、?おはよう」
「、、わたしね、あなたがだれだかわからないの」
「うそはだめだよリリィ。
眠りながら私の名前呟いてたよ。」
「わたしね、あなたに恋をしていたの。」
「知ってる。私もリリィに恋してた」
「」
「好きだよ。」
「わたしもすきだよ。」
君の声が薄れていく。
2人は恋をしていた。
2人は恋をしていた、
それが事の発端だったのかもしれない。
優しい空気に包まれて干したての布団のような温かさに身を包み思い出を甦らせる。
水の中で息をせず笑顔で沈んでいく。
そんな優しさが私は欲しかった。
『最後はもちろんハッピーエンドじゃないと。』
次は男の子として生まれたい。
そしたらまた貴方に恋して貴女も私に恋をする。
貴女はあの時とは違って
私の手を握って消えていった。
空知らぬ雨が私の頬を伝い、貴女は水屑となり朽ちていく。
彼女を殺したのは私なんじゃないのかずっと心残りだった。
でもそのひとことをきいてこころがすっと軽くなった気がした。
「大好きだよ。これからもずっと。」
貴女が3年前の今頃夜さりに渡してきたひとつの
藍微塵の乾燥花と一通の消息。
ずっとずっと抱きしめてきた。
それもきえていた。