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不幸と幸せ往復切符

作者: 夜乃紅華

愛してるって、言ってくれただろう?

好きだって言ってくれてたのは嘘だったのか?

俺が女々しいから?なんでアイツを選んだんだよ。


俺の好きな人は敦海(あつみ)。ニックネームはあっちゃん。

あっちゃんは、俺より年上で包容力があって、言葉にできないくらい好きだった。


あっちゃんは語彙力がなくて、身振り手振りが大きかった。それでいて言い間違いが多いのも、横文字が苦手なのも可愛かった。



自分がモテないことぐらい知ってる俺は、恋愛とか諦めてた。けどあっちゃんは、俺にもいい所があると教えてくれた。


あっちゃんのことを考えるだけで足はリズムを刻む。身体も反応する。


まだ10代の若い欲望を持て余す。


あっちゃんは俺の先生だから1人だけ贔屓するなんて出来ないって分かってる。だけど、朝のホームルームとかでこっちを向いてくれると足は無意識にリズムを刻んでしまうんだ。

語尾につける「ねっ」は、俺の心を揺さぶるのに十分効果的だった。ああ、人前で口付けしてくれないかな、俺が唇を奪うのもいい。

そう思ってたのに…………。









あっちゃんは最近、流のことばかり見てないか?あまり俺を見てくれない気がする。


思い返せば、流は名前呼びなのに俺は名字呼びだ。もうあきらめるしかないのだろうか、俺には魅力なんかないのだろうか。



俺は、あっちゃんに聞いた。どっちが好きなんですか?って。

「どっちも好き」って言われた。

俺は、苦しかったよ。


そこでやっと周りを見ることが出来た。

女は、あっちゃんだけじゃない。それに、鏡をよく見たら俺はイケメンだった。


クラスのマドンナも俺の事ずっと見てる。俺のことが好きなんだろう。あぁ、でも、あっちゃんを諦めることなんか出来ない。


マドンナと目が合った。運命だ。



諦めきることは出来ないけど、俺は今、幸せだ。これからも毎日アイコンタクトをとる。


こんなに俺の事を好きでいてくれるんだから、期待を込めてマドンナを見つめる。あっちゃんを失った心の傷を、彼女が埋めてくれるといいな。


怒涛の日々は例えるなら、不幸から幸せへ向かう列車のようで、俺はきっと幸せになれる。

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