プロローグ
今から10年前突如として東京全域で犯罪集団による無差別殺人事件が同時多発的に発生した。その光景はまさに地獄絵図だった。これにより多くの罪なき命が犠牲になった。国民の悲鳴、子供の泣き叫ぶ声と、事態は早期解決を余儀なくされすぐさま国は犯罪者の鎮圧に取り掛かった。
しかし、東京全域というのはあまりに広範囲すぎる故いくら目の前の犯罪を鎮圧に取り掛かかってもすぐ他の場所で新たな犯罪が発生しとても全てに手が回るような状況ではなかった。そして、なぜか犯罪者達は銃や手榴弾といったそう、簡単に手に入るはずのない武器を所持しており国は一つの地域の犯罪を鎮圧するのに多大なる費用と時間を要したのだった。
国は全ての武力を駆使し犯罪者を無差別に打ち止めることに踏み切ろうとしたがそれは国民の安全を考慮すると到底実践できるものではなかった。
それでもただ国は指を咥えて見ているわけにもいかないので目の前の犯罪を、一人で多くの命を救う事に国は尽力した。
状況は煮詰まっていた。
しかし。
それから一週間が経った頃東京に一筋の光が差し込んだ。
なんと謎の10人のヒーロー達が東京に立ち現れたのだ。
「もう大丈夫です」
そう言うと、彼らは散らばりすぐさま、凶悪犯罪者達の鎮圧に取り掛かった。そして、ものの一日足らずで東京全域の犯罪は抹消されたのだった。
これにひどく歓喜した人々はヒーローを称え彼らをセイバーズと呼び崇拝した。
それでも被害は甚大であった。
ヒーローが来る前の一週間に多大なる命が失われ東京の人口は以前の半分にまで縮小してしまったのである。
後に事件は集団犯罪組織による計画的犯行ということが判明した。が、どういうわけか国は犯罪組織、犯罪者達の名前や詳細については一切公表しなかった。
だが、この地獄の日々からの解放はこの事に対する疑問を国民に一切抱かせなかった。
事件解決後もヒーローに対する国民の熱狂は鳴り止まずヒーローへの憧れはますます肥大化していきヒーローを志願する者達は増加していった。
10人のヒーロー達は志願者達を快く受け入れ国との協力の元、政府公認のヒーロー養成機関、ヒーロー組織が設立されたのであった。
設立して最初の一年目は来るもの拒まずの精神で入りたいものは誰でもヒーロー養成機関へ加入が可能であった。が、一年目の大量の加入者の歓迎により養成機関は飽和状態となった、その反省を踏まえ、翌年から養成機関の加入は厳しい審査と試験の元、行われるようになりヒーローになるスタートラインに立つことさえ困難となった。
今日の日本、特に東京ではヒーロー社会が深く根付き欠かせない存在となった。