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作者の筆休め コンプレックスも見方を変えればアピールポイント

茨城攻略戦が思いつかないからお茶を濁すことにしています。いつも濁っている?知らんな

俺は幼い頃から周りに「可愛い」や「女の子みたい」と言われてきた。小学校に上がるまで仲良くなろうとする男子はいなく、俺の容姿を可愛いと話しかけてくるのは女子ばかりだった。しかし、この身体がたまらなく俺は嫌いだった。何時までも変声期を迎えない女性のような地声。背は伸びたが撫で肩で華奢な体格は同年代の女子そのものだった。だから俺は性格や振る舞いも男らしくしていった。けんかもしたし悪さも働いた。しかし誰も俺をかっこいいとは言わなかった。その内初めてできた彼女にも別れを切り出された。理由は「いつもあなたはすぐそばにはいてくれない。間宮君は私がいなくてもいいんでしょう?」だそうだ。そんな中俺はどうなってもいいやとやけになって長野軍学校の最も厳しいという山岳歩兵科に進学を決めた。両親は反対をしたが荒んでしまっていた俺はそれらを振り切って絶縁状態で入学した。待っていたのは過酷な訓練と厳格な規則だった。しかし弱音も吐かず優秀な成績を残していき、今では小隊を率いる小隊長にまでなった。


「間宮小隊長~?考え事っすか?」


「なんか用か高橋。無駄口たたいてないで監視してろ」


現在俺達は長野県山中の岩場で待ち伏せの訓練をしている。敵役の歩兵科の学生達は先ほどから罠や奇襲に引っかかっており、残すは小隊一つを残すのみとなった。


『鷹から熊に通信。こちらにて一個小隊を確認。狙撃にて撃破判定を取りました』


「こちら熊。よくやった帰投するぞ」


「終わったっすか…やっと」


最近、訓練が実践向けとなってきた。如何やら中国戦線で不明勢力の攻撃を受けているらしく、その予備士官を補充しようとしているようだった。


「最近戦況が芳しくないようだからな。何もないといいが…」


当時俺は実に奇妙な予感がしていた。しかしその時は気のせいだろうと思っていた。3日後にあんなことを言われるとはつゆ知らず、俺は帰路に就いた。


三日後、全生徒を訓練場に集めての朝礼があった。内容は「アイクと呼称される生物が日本列島の九州・中国地方から上陸し、北上を続けている。それを軍と協力して全国民の避難までの間遅滞戦闘を行う」とのことだった。予備士官や新兵をかき集めているくらいには緊急事態だとは全員分かっていた。そして、遅滞戦闘ということは勝ち目などほぼないのだろう。話の後、全員に戦闘装備と白い錠剤、そして透明の液体で満ちた注射器が配られた。中身は抗不安薬や麻薬の類だろう。あぁ…なんでも俺はこんな人生なんだろうな…。


「言いにくいが…我々はもう物資が不足し始めている。弾も飯もない。今までよくぞついてきてくれた。…お前らは俺の誇りだ。きっと俺らはこの国を守る矢の一つにはなれただろう…。本日を持って最後の抵抗を行う。各員着剣!!」


この山の洞窟に逃げ込んでもう7日になる。無線はノイズを吐き、いかにも旧型な歩兵銃は度重なる戦闘で心許ない残弾数になっている。食料を集めることも難しくなり、もう手の打ちようがない状況だった。当初の遅滞戦闘もアイクの機動力と突破力の前では役に立たず、戦闘とは呼べない一方的な蹂躙だった。要塞化された10個師団がこもる山脈は楽々突破され、この45人の残存兵を率いて独断で撤退し、ゲリラ戦を仕掛けていたが今日が最後の攻撃だ。


間宮は使わないでとっておいたモルヒネと思われる注射器を回し打ちさせて銃剣をつけさせた。そこには怯えや絶望はなかった。負傷者には回収して来た注射器を多く打ち込み安楽死処分を行った。間宮たちは一路アイクの休息地点に向かっていた。



「本日、我々は大和民族の誇りをかけた決死作戦を行う。全員!吶喊!」


40名にも満たない兵士達による銃剣突撃が敢行された。運良く近づくもカマキリ型になで斬りされるものや、アリ型にかじられる兵士もいた。間宮も右手と左足の膝から下を失って腹にも大きな穴が開いてしまった。


「死にぞこなったか…。悔いは残るが…眠いな」


そんな時に女性らしき声が聞こえた。


『生きたくはないですか?』


「できるのならば…ね。でも最後は看取ってくれる人がいるのだからいい。それで何が目的なんだ?」


間宮は嘲笑交じりに幻聴に返す。


『交渉をしませんか?性格が変わるか欲望などの本能が消えるか、どちらかくれれば新たな人生を始めてあげましょう!特別な力を与えてもいいです!』


「はは…なら性格をあげよう。どうせ好きでもないしな。能力は…周りのものを把握できるようにしてくれないか?」


『分かりました。終わった後はあなたの今の性格と正反対の性格になります。ではよい人生を!…ヤバい性別まで持ってきちゃった』



気がついたらあたしは船の中にいた。何故かほぼ女性として。あれが最後に呟いたことが原因だろうけどまぁいいわ!新たな人生!新たな身体!…とは言っても包帯を外した顔も体つきもほぼ同じなのよね。ベッドから起きて船内を歩いていると軍服の40代くらいの男性が話しかけてきた。


「君は…学生かな?俺は黒井則道。大佐だ。どうやって生き延びたんだ?」


「第3特設山岳師団4中隊所属7小隊隊長、間宮日歩曹長です!」


その後にここまでの経緯を彼に伝えた。彼はそれに相槌を打ちながら熱心に聞いてくれた。


その後に黒井大佐はいぶかしむように見る。


「データでは男性なのだが…。君は女性かい?」


「いえ?男のはずですが…」


黒井大佐は頭を抱えつつも「君は中央軍学校から来た子のパートナーだ。仲良くな?」とだけ言って去ってしまった。そして、この船がオアフ島に着くと早速パートナーに会いに行くことにした。



パートナーは女の子だった。いつもひどい顔色をした可愛い娘。南と名乗ったその子はかなり優秀だった。射撃訓練では常にワンホールで、あたしもかなり競争意識が湧いてきた。


「また南はワンホールなの~?!…負けたわ」


「うんまぁ…得意ですからね~。普通ですよ~」


いつもよりふらついている南が何木との内容に返す。しかしワンホールとは…。


「すごいじゃない!ワンホールなんて!あたしはようやく真ん中に当てられたぐらいよ」


「あぁ…ありがとー」


南がぐらつき地面に倒れる。目の焦点はあっておらず、顔色も土気色と表現するのが正しいような状態だった。


「しっかりして!?小梅!」


「間宮さん…。大丈夫ですよ~」


南はそこで意識を失い、間宮は急いで病院に担いでいくことにした。



「如何やら極度の栄養失調と過労がたたったようですね…。命に別条は無いです」


医者が言うには相当な期間睡眠と食事をしていないとのことだった。


「うぅ…ここは…」


「目が覚めたのね!よかった!」


南が細い声でうめく。意識もはっきりとはしているようだし。心なしか顔色がいい。これは事情を聴かないとね…。大事なパートナ-ですもの。


「栄養失調と睡眠不足からきた過労ですって。どうしたのよ…」


「間宮さんの手を煩わせるほどでも…」


なーんか隠しているわね…。少し強く聞いてみるしかないわ…。そう思って間宮は南の顔を両手で挟んでこっちを向かせる。


「あ・の・ね!あたしはあなたのペアよ!相手の事が分からなくてペアなんてできるわけないでしょ!小梅は何を隠してるの!言いなさい!ほら!」


南はきょとんとした顔をして、不意にも可愛いと思ってしまった。そして、南がつぶやくように言葉を紡ぐ。


「ペアは男の人なんだけど…」


「あら?言ってなかった?女の子の生存者は貴女だけよ?あたしはれっきとした男よ?」


気が付かないの!この娘!なんでパートナーでもない人と訓練するのよ!そしてそこまで女の子っぽいかしら?!南はポカーンとして固まってしまった。


「おーい…まぁいいわ。で?悩みを話さないとここにある寝顔写真を外にばらまくわよ」


「鬼!悪魔!うぅ…分かったよ…。あのねぇ」


ぽつぽつとだけど南は夢の事、欲がわかない事、そして親友を撃ち殺したことを話した。全く…、言ってくれれば良かったのに…。


「まず夢は現実ではないわ。夢なのだから自分の好きなように改編してしまいなさい。あと、食欲がわかなくてもしてもしっかりと食べなさい!どうしても眠れないなら間宮お姉さんが添い寝でもしてあげるわ」


「オネェさん…。ぷぷぷ…」


「しばくわよ!…フフッ、貴女笑えるじゃないの。笑顔が一番かわいいわ♪」


この娘ったら!…笑えるんじゃない。この人生は楽しいかもな。


「そして、親友は恨んでないと思うわ。あいつらに生きたまま食われるくらいなら貴女に殺してもらった方が随分いいわよ!」


「間宮さん…。ありがとう…」


南は幾ばくか明るい顔で感謝を述べてくる。流石に相手の秘密を聞きすぎただろう。ここはあたしの冗談みたいな話をするとしよう!


「ならあたしも秘密を話すわ。実は神様らしき人に能力をもらったの。お陰で対象のデータが分かるわ」


「あのねぇ…私も貰ったんだけど…」


「えぇっ!どんな?」


そんなにばらまかれているものなの?!少し恥ずかしいじゃないの!


「私は視界内の全ての対象の思った所に狙撃できる能力なんだよね」


まさか能力者と会うことになるとは…。世界って狭いわね。


「じゃあさっきのは」


「能力だよ♪」


あれはずるいと思うのよ…!それじゃあの頑張りはなんだったのよ~!あたし射撃訓練は並みだったのがあそこまで当たるようになったのよ!そう暫く腐っていると南が「狙撃はできるけどスナイパーは一人じゃ戦えないんだよぉ?間宮さん」と言ってきたのをきっかけに目が覚めた。


「貴女がスナイパー、私はスポッター。最強の二人ね!」


そういうことであたし等は最強の狙撃手になった。



「間宮さーん、どうしたの?」


「少し懐かしいことを思い出したのよ…」


南は横を歩きながらフーンとだけ言った後、囁いてきた」


「あそこの六花ちゃんも芽衣ちゃんも…私もずーっと一緒にいるから安心してよねぇ?」


にやにやして南が言う。


「当り前じゃない…。あたしが守ってあげるわよ」


ネタ考案中

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