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白薔薇戦争 わが軍は圧倒的ではないか(困惑)

ご都合主義に進んで行きます。

「なぁ、それは勝手にやってもらっていいんだが聞きたいことがある」


『本当に!?良かった~もう数えるほどしかいないからさぁ、ごめんなさいでは済まないかもとか思ってたんだよねぇ。それで何?』


「うちの娘どもはそこにいるか?いたら変わってほしいんだが」


『六花ちゃんと芽衣ちゃんならヒナちゃんを海水浴に連れていくとか言ってたよぉ~?「ワイキキビーチで芽衣ちゃんの水着姿を楽しみに行ってきます!」とか言ってたけど…海岸側が騒がしいねぇ…何かあったの?あいたぁ!!』


『ねぇ…団長?もしかしてこの部隊ここに侵攻してきた敵部隊かしら?予想としては東南アジア諸国連合軍かしら?…もしかして基地が!すぐ向かうわ!』


「いや…何故か基地が無事なんだ。それよりもワイキキビーチだって?冗談だろ…なぁ…聞いてくれるか?」


『何かしら?』


「もし、ワイキキビーチが艦艇からの艦砲射撃にさらされて、楽しみにしていたものを邪魔されたうちの娘2人がやることと言えばなんだ?」


『大暴れね…それも手の付けられないような。芽衣ちゃんは…楽しみにしていた海水浴を邪魔されてあの二人を好きにさせてそうね…。止めに行ってくるわ』プツン


「聞いてたか?東城」


「あぁ…知りたくなかった」


二人揃って頭を抱えてソファーに腰を降ろす。それを見て森永が机の上に置かれた無線機をある周波数に合わせる。そして、チャンネルを開く。


『パパ?どうしたの?今ちょっと手が離せないんだけど』


つながったのは確実にワイキキビーチで大暴れしている日向である。


「日向ちゃん、司令の代わりに今の状況を教えてくれますか?」


『森永お兄ちゃん?分かった!今はね~キャッチボールしてるんだ!向こうから飛んでくるのを回収して六花お姉ちゃんに渡したり、邪魔してくる飛行機を落としたりしてるよ!渡したものはお姉ちゃんが投げ返してくれるし、飛行機は回収して来て浜辺に積んでおくとマリアがお金にしてくれるんだ!』


「ありがとうございます。それでは」


「だそうですよ?司令」


「頭痛いんだが…」




2時間前 国境線付近 


「あれ何かしら?戦車?」


「ボロボロだねぇ」


自警団の年長組を連れて訓練に出ていると、東南アジア諸国連合側から戦車がかなりの数進撃してきていた。どれも所々錆が浮き、第二次世界大戦級のものが多数である。先程まで山肌に向けて射撃していた南が後ろの隊員達にこう言った。


「あれもしかしたらこの前聞いた訓練用にラジコンで動かせるようにした旧型戦車かな?なら一応ここに隠れつつ、国境線超えたら訓練用の的確定じゃない?じゃあ実弾じゃなくてそれっぽいだけのこっちの弾薬箱使ってね」


隊員が先ほどの訓練と同じくトーチカに入っていくと間宮は南の肩をつかむと物陰に連れていく。


「何言ってるのよ!あの子たちを避難させなきゃ!これは戦争なのよ!」


「何で正面衝突するとでも?よく見なって、向こうは隠れることのできないのに対してこっちはトーチカから安全に攻撃できる。OK?」


「戦車に撃たれたらまずいわよ!」


「敵はイギリスのチャーチル歩兵戦車が30両、マチルダ120両、後はこれどもかと言わんばかりのチハしかいないよ?リーエンフィールド持ちの歩兵はいくらでも自警団がなんとかできるし、砲兵はもういないからねぇ…。これでもかとイギリス製だねぇ」


先程まで南が撃っていた方の山から爆発音がする。その煙から察するに相当量の爆薬などがあったらしい。例えば砲撃陣地や自走砲が多数待機していたかのように。


「まさか!南、あなたって子は…」


「これで合同演習だったら謝ってもらうしかないさぁ。先ずそういう話を聞いていないのに戦車が国境線を超えるなんてことあるわけないし」


「じゃあさっきの弾薬箱って!」


「実弾演習になるねぇ」


南はいつもの25mmのスナイパーライフルを構え、数発発射する。直後戦車が煙を上げ爆発する。その弾丸は燃料タンクや弾薬庫に被弾したようだった。


「さて、私と遊んでくれる?」


この戦いでの日本側の被害は軽傷30名及び施設の多少の被害にとどまり、東南アジア諸国連合側では数個師団が壊滅、戦車約600両破壊、1000両以上の大破となった。この戦闘により東南アジア諸国連合軍の陸上戦力の8割を失い、日本側の侵攻に対して反撃は厳しい状況になった。




3時間ほど前 ワイキキビーチ


「いやぁいい天気だなぁ」


六花はビーチにパラソルを立て、妹達が波打ち際で水の掛け合いをしているのを見ていた。芽衣は新しく買ったオレンジに白地の模様が入ったワンピースタイプの水着を着て、日向は弥生さんを説得して買ってもらった学校指定の水着で遊んでいた。因みにその財布本人が横にいる。


「いいね!いいね!可愛いね!ところで六花ちゃんは水着にはならないの?」


カメラを妹達に向けて、凄くだらしない顔をしているが。


「嫌ですよ。持ってないし、僕はここで見ているだけど満足なんですから」


「水着あるよ!ほら!」


弥生さんが持っていたのはビキニや下がスカートになっているタイプのもの。中にはスクール水着まであって胸元の白地の布に「黒井六花」と書いてあるのが見えた。


「お断りします」


「そんなぁ…」


弥生さんはわざとらしく泣いたふりをしていた。ほんとに泣いている人が「ヨヨヨ…」なんて言わないだろう。そうしていると日向がトコトコと歩いてきた。


「お姉ちゃん!艦艇が10キロ先に来てるけど日本の艦艇じゃないの」


「変だねぇ…警戒しておk<ドカーン>日向!」


「飛んできているのは榴弾みたいだね。ここをお姉ちゃん達の為に貸し切りにしておいて良かった」


日向は浮遊をすると次々と撃ち込まれるものを引き寄せた。どれも主砲弾やミサイル類だった。それらを僕の横に置くと耳打ちをしてきた。


「キャッチボール開始だね♪」


「そうだねー。邪魔してきた奴らに返さないと」


僕は砲弾を一つ掴み、沖合の艦艇を狙って投げた。沖合では駆逐艦と思しき艦艇が爆発して海に没した。しかし一向に砲弾が収まらないのであちこちに行って飛来しているものを片っ端から投げていった。如何やら日向がバリアを張って2人を守ってくれているようだった。更には航空機まで回収していた。見覚えあるなぁあの戦闘機…。


「僕も頑張らなきゃね」


戦艦の38㎝砲弾は持ち主に返り、持ち主は海の藻屑と化した。ミサイルは投げ返しておいたが、日向に任せればよかったかもしれない。日向が好き勝手に操作してたし。そうこうしていると先輩達が急いで向かって来ていた。さっき、メイちゃんと弥生さんが航空機とともに何処かに回収されていたし結構時間がたったのかな?


「六花ちゃ~ん。お父さんから知らせが来たから応援に来たわよ…って…ほぼ壊滅してるわね…。芽衣ちゃんはそこでいじけてるし。予想通りと言えばそうなのだけど」


「多分あれイギリスの82型駆逐艦かなぁ…?大破艦がいないのは…撃沈したのかなぁ?なんかイギリス艦艇混ざってない?」


そんな二人の横に日向が歩いてきた。


「お姉ちゃん達が芽衣お姉ちゃん助けに行ったときに、本土にいた艦艇は盗ん…回収したんだけどオーストラリア攻略に行ってた艦艇はできなくてさ~。誰かさんのお陰で東南アジア諸国連合軍に渡されたみたい」


「その誰かさんの心当たりはあるのかしら?」


「ジョージ国王陛下しかいないねぇ…。これを陽動にハワイ島で復位をたくらんだみたいだけどバレバレだよねぇ…。手のひらで踊らされたとも知らずに」


日向の無線機に着信が入る。


「またお父さんかなぁ…。何?」


『ドンソーレ?ビンゴよ。豚は今捕まえたわ。いやぁここまできれいに罠にかかるとは』


「はぁ…東南アジア諸国連合と手を組むとはね…。お金積まれたのかなぁ。確かにあの館の金品はコッソリ別の場所に移されてたみたいだからねぇ…。スコフィールド家が動かしたんだろうけど。まぁ…オアフ島が広くなるね」


『則道次第ね。それじゃあまたね』


無線機を胸元に戻した日向が間宮達に向き問いかける。


「お父さんにオアフ島統一する?って言っといて」


間宮はそれに対して若干顔を引きつらせながら答えた。


「答えはノーらしいわよ。ただでさえ大変なのに増やしてたまるかですって」


「それもそうだね!」


笑う日向の後ろでは水平線に花火が咲いていた。


まぁ…どちらしても5人は向かいそうですので…。因みに芽衣ちゃんは弥生さんと一緒に回収されてました。ストッパーはいません。

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