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白薔薇の旗印 4章

章とか言いつつ時系列がつながっていない?気にしてはいけません。あまりの忙しさにストックしてたネタを適当に入れただけです。


タイプ3ライフルこと三式小銃はSAR87の外見で考えてください。現在の?レジスタンスのアサルトライフルはHK433っぽいのです。弾薬は九九式普通実包の短縮版だとお考えください。

ハワイ島にある、島内最大規模の面積を持つイングランド王国の首都ニューロンドンの中心地。その場所には大きな屋敷がある。それは王政復活のシンボルであり、行政や司法、果てには立法府でもあるウィンザー邸。その中のこぎれいな執務室に彼はいた。…何故か地位に見合わぬ書類に囲まれて。


「はぁ…。また、安易な増税に警察組織の拡大…。明日は装備拡充?父上は何を…」


頭を抱えてムムムと頭痛に耐えている彼はウィンザー家の次男のカーター、現在14歳。性格は冷静沈着で努力家、3人いる兄妹の中ではかなりのしっかり者である。なぜこのような書類な山が築かれているかというと、ほとんどは彼の兄と父のせいである。当初これらの仕事は国王のジョージがやるべきだったが、書類を処理するのは仕事ではないと放り出して、それに便乗したように長男のオリバーも放棄した。その為、現在は、草案等の作成と現在の経済状況や事件などの国内の情報を、各機関から集めてまとめ上げるのが彼の仕事となっている。王はただ座ってきた書類に頷けばいい。そうすれば勝手にハンコが押される。


彼は各機関の信頼がおける人間からの報告書を手に取り目を通すと、黙々とタイプライターを叩く。その部屋には打鍵音と溜息だけが響いていた。



「さて、こんなものか。意外と早く終わったなぁ…。こういう時はリズとお茶でも飲もう。最近はリズもここに来たばかりよりかは明るくなった。友人でもできたと言うことかな?」


本人は秘密にしているようだったが、その友人のことは今調べ上げている。明日にも届くはずだ。溜息を吐き、カーターはカンカンと書類の角を揃えると、椅子から立ち上がり、ドアの前まで行くとノブを回してゆっくり開けた。廊下には誰もいなく、ただ彼の靴の音が響いていた。彼の愛する妹の部屋は2つ隣りだ。そう歩くこともなく彼は目的地に着いた。中からは妹のフフッ♪というような笑い声と、少女の調子のよさそうな陽気な話が聞こえてきていた。ノックをして、入るとそこには、妹の10歳のエリザベスとそれより幼いようなアジア系の少女がお茶会を開いていた。


「お兄様!どうしてここにいるのですか!」


リズは慌てたようにこちらに質問してくる。


「はっ!そ、そこの令嬢はどこの方だい?」


少女の方を向くとビリビリと放電していた。どういう原理かは分からないが多分見間違いだろう。


「この人は優しい方のカーターお兄様よ!ほら!抑えて」


少女は放電をやめるとニコニコと微笑んだ。


「ごめんなさい!オリバーお兄様と言う人かと思って!」


少女は兄上の名前を出して謝罪して来た。


「カーターお兄様、彼女は私の友人ですわ。少し変わってますけど」


「なるほど…私の妹が世話になっている。私は第二王子のカーターだ。貴女は?」


「サツキ・ヒナタ…いや、ヒナタ・サツキだよ!よろしくね!」


彼が自己紹介をするのに合わせてヒナタと言う少女も行う。彼は瞬時に気づいたようで話し始めた。


「黒みがかった茶髪…そして黒目…日本の方ですか?」


「そうだねぇ…。お兄さんはレイシスト?」


彼女は見た目以上に賢く、そして多分ただの貴族などではない。多分あれは外交官…というより商人だろう。


「いや、兄上のようなレイシストではありませんよ。肌の色位気にしません」


彼女はふ~んとつぶやくと「それじゃ今日は帰ります!そうだ!多分明日にはまた会えるよ!じゃあね!」と言い残し飛んで帰っていった。何故か飛んで。


「リズ?あの子はどういう子なんだい?」


リズは嘆息したようなトーンで説明する。


「分かりませんわ。分かるのは電気を操るのと桁違いの学習能力。物怖じしないですし、情報にも詳しくて、会話術も高い。ただ話していると高等教育された子女というよりも…。マフィアみたいですわ。隙が無く、しかしいつのまに話が進んでいる。現在は日本側の研究所で厳重に監視されて生活しているそうです」


「恐ろしいね。そんな監視も意味をなさず、超人的な能力を持つ。彼女は何故ここに来たのだろうね」


そうですね。そうリズが答えて続けた。


「彼女からはただ一つ。友人の家に訪れるのに理由の説明は必要?とだけ」


「へぇ…。彼女からは悪意は感じなかった。明日は私も参加しよう」



その翌日、今日も机いっぱいの書類の整理と報告書作成をしている。本来は第一王子や国王である二人がこれらの資料から政策を決めるべきなのだが…。そうカーターは考えたが、ふと考えて見ると、問題はザクセン公爵と僕に委任するお父様と腕っぷしだけで解決するのが好きな兄上が出来るわけないやと半ば諦めることとした。


不意に執務室のドアに、コンコンコンというリズミカルなノックが聞こえると、引き締まった体をした執事服の男が入ってきた。


「殿下、陛下がお呼びです。応接間までお越しください」


「あぁ、分かったよ。リズはどうしているかい?エドワード」


急いで身なりを整え、エドワードに尋ねると、


「エリザベス殿下は先に到着していることとでしょう。早めに向かうのが良いでしょう。かねてからの武器商人との会談の様ですので」


「違いないね。行こうか」


応接間に着くと、お父様とオリバーお兄様、そしてソワソワしているリズがいた。着くなり兄上のお小言が来たが、そんなことなどどうでもいい。今回の相手は報告によると日本に本社を置く企業であり、社長は女性と分かっている。ここにいる女性がそうなのであろう。彼女はそばにいた屈強な男性から小銃を受け取り、テーブルに置く。それは現在使用されているわが軍のものよりも先進的なアサルトライフルだった。


「こちらは日本側に卸している我が社の製品のタイプ3ライフルです。日本側からの依頼で7.7㎜×40弾仕様のものですが、そちらの規格に合わせることもできます。我が社は弾薬製造も可能ですのでご一考いただければと。そうですねぇ…。2000挺+7.7㎜弾薬箱+50万発分の合計39万ポンドでいかがでしょうか」


現在の制式ライフルの1000挺で50万ポンドに比べると破格の値段でかなり魅力的な提案ではある。それに高性能となれば喉から手が出る程欲しいが、問題は王立造兵廠への説得だ。あれは…未だにアメリカやフランス、果ては日本からも遅れたバトルライフルを生産している。長い・重い・反動強いの三本立てで、フルオートが扱いにくいせいで弾幕は軽機関銃頼みでアイクとか言う奴らには少し制圧力が足りないらしい。本人たちは「兵器を使いこなせないのは兵士の責任だ!」と言ってはいるが…。


そう考えていると父上がニヤリと笑い、口を開いた。大体、ザクセン公爵がいない時点で嫌な予感がする。


「どうだね。今からでもわが王国の一員にならないかね?」


交渉している綺麗な女性はにこやかに口を開く。カーターは頭を抱えて、オリバーはふふんと胸を張り、リズはやっと意識を戻してきたようだ。


「お断りします」


その口調は斬り捨てるようであり、全くそんなことは考えていないようだった。その言葉に国王はテーブルをたたき、激昂した。


「何じゃと!!わしに逆らうか!!」


「ボスから、国王からそのようなことが言われるだろうから一言「くそくらえ」と伝えてこいと言われてましてね」


父上はプルプル震えて怒りをあらわにして、大声で張り上げた。もう…部屋に戻ってほしいなぁ…。後の交渉はするから。


「近衛!この者をとらえよ!殺しても構わん!」


号令を聞いた近衛兵たちが剣を持って彼女に突きつけると彼女は一言、


『だそうですよドンソーレ』


そう言うと剣を突き付けていた近衛兵が一斉に倒れて煙をあげていた。見覚えがあるなぁ…。金属製の剣に走る電撃からして…うちの妹は何に気に入られているのだろう。マフィアみたいだって?あの後調べたら、五月日向はただの子じゃなかったんだよね。


「だよね~。ここの王がクズなのは知ってるからねぇ~。第一王子も」


不意に聞こえたのは少女の高い声と流暢な英語。つかつかと父上に近づくのはやはりあのヒナタだった。昨日の夜にその手の者を出して調べた結果が報告書で提出されてきた。書かれていたのは、我が国でも最近、麻薬扱っているマフィアが壊滅したという話が報告書で上がってきた。その時に置手紙で書かれているのは「我がドン・ソーレの御心のままに」とイタリア語の文章。調べると組織名が挙がってきた。【ハンターオブシチリア】という大規模マフィア。ここ数か月でまるっきり活動が変わった。強盗から警備企業に、麻薬から武器弾薬に、更には大男から…小さな女の子にドンが変わった。それがドン・ソーレこと五月日向の力である。その子は電気を纏っている…と。


「何者だ!誰がここにこのおなごを連れ込んだ!」


「これはこれは!失礼いたしました。私はシチリアインダストリアルの元締めの五月日向でございます。今日はお日柄も良く、このような日には汚らしい蛆虫2匹の顔よりエリザベス王女殿下のご尊顔やカーター第二王子の凛々しい顔でも眺めたい気分です。しかし…そうですか…」


恭しいというよりもスラスラ悪口を言っているような口調で日向は話す。


「何を言い出すかと思えば!!おままごとはたいが「おっと!手が!」


破裂音のした方を見ると日向の手には拳銃が握られていて、その銃弾は父上の膝に当たっていた。


「あぁっ!!クソ!何の真似だ!」


ヒナタは役者の様に高らかに語る。


「この国は貴方そっくりです。面構えは綺麗でも中身は汚いドブのようです。この国はメスを入れて膿を出す必要がありそうですね。全く…残念で仕方ありません」


「父上に何という狼藉を!」


オリバーお兄様が剣を抜いたがその剣はどこかからの狙撃で吹き飛ばされた。


「ヒュー!ナイスだねぇ…」


そう言うとヒナタはお父様とオリバーお兄様に電撃を加えた。


「そうだ!命が助かって良かったですねぇ。本来であればこうしたのですが…」


そう言うと後ろで忍び寄っていた近衛兵が文字通り消し炭になった。


「麗しい第二王子殿下と王女殿下の顔に免じて許しましょう。ではまた。今度会うときは心を入れ替えていることを願います」


そう言ってヒナタとその部下は館を後にした。お父様とオリバーお兄様は動けない体に悔しそうにうめいていた。



次の日、リズがショックを受けているだろうと思って、部屋を訪ねると、何故か彼女がいた。


「日向…さん?何故ここに」


「何ぃ?友人の家に来るのに遊びに来た以外に何かあるの?」


日向はかなり怪訝そうな顔をして答える。そしてリズ!何故落ち着いているの!昨日のことは覚えてるよね!ねぇ…!


「お兄様落ち着いてください。お茶を用意してるのですから」


リズは何事もないように紅茶を飲んでいる。そしてエドワードはスコーンやパイなどを整然と並べている。


「エドワード?君は何かおかしいと思わないかい?」


「カーター殿下、何事も諦めが肝心なのでございます。エリザベス殿下は明るくなり、私は警備に気を回さなくてよくなり、あのバ…いえ、何でもございません」


こういう時はどうするかって?それはもちろん!


カーターはスッと椅子に座り、紅茶を楽しむこととした。


「昨日はスッとしたわ!あのバカ2人の鼻っ面をへし折ったんだもん!」


「今なら不能にすることもできるよ!」


「「フフッ♪」」


「怖いなぁ…。ねぇ…エドワード」


「殿下、ジャパニーズには「触らぬ神に祟りなし」ということわざがあるそうですよ?」


カーターは妹の成長と、これからに不安であった。


暫く投稿遅れます。誤字脱字チェックをして頂ければ幸いです~

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