フリーダムネイビーアドミラル弥生
WOTって面白いですよね(開き直り)
~葉月さんの元に小鈴を届けた六花はそこにいた妹達や警備兵の早川と仲良く会話していた。お菓子も減り、そろそろお開きにしようとしていた時、プリンとコスプレ衣装を抱えた謎の女性がドアを勢い良く開けて入ってくる。果たして無事に家に帰れるのか!~
「げぇ!何で貴女がここに!」
「ひどいわねぇ!背中に埋め込んだ発信機を辿ってお届けに来ただけじゃない!りーちゃんとは体を預け合う深い仲でしょ?!」
背中に発信機?!ホントだ、何かある…。そして何かの端末が手に握られてるし…。コスプレ衣装着せてくる関係じゃないですか…僕たちは。
「あら?弥生じゃない。どうしたの?」
そう、ここにいるのが正式には海軍部司令長官の三田弥生は空母大鳳の艦長であり、海軍部では数少ない女性将校である。元海軍出身で、優れた作戦立案と判断力、リーダーシップを持つパーフェクトウーマンだが…。
「プリンのお代をいただきに!って…芽衣ちゃんと日向ちゃん!!あぁ…神がここにいるのね!」
実際は可愛い(個人的評価)隊員及び自警団員にコスプレさせて写真を撮り、執務室に貼る残念な点を持つ。しかし強要はしない主義だそうだが…。僕はプリンを対価に撮られる。
「あの~申し訳ないですがどなたでしょうか?」
小鈴は訝しげに弥生さんに憲兵らしく問いかける。どうやら海軍部の階級章は分からなかったらしい。すると弥生さんは着ていた制服からドックタグを取りだした。
「私はこういうものです!」
「ほぇ…って海軍部司令長官殿!!おっ…お疲れ様です!!」
「かしこまらないでよ~。そこの二人の方がとんでもないもの…。貴女中々良い身体してるわね…。コスプレとかに興味ない?」
「ないです!」
あぁ…弥生さんが心なしか、しぼんで見える…。
弥生さんはギギギ…とこちらを見ると、先程からコスプレ衣装がはみ出ていた大きなカバンを抱えて近寄ってきた。目はぎらつき呼吸は荒い。
「今日はたくさんあるから…長くなりそうね…」
葉月さんは諦めてと言わんばかりに目を伏せた。
「いいじゃな~い!最高ね!」
「股下がスースーするんですが…」
六花が今、弥生さんより着せられている衣装は高等兵学校の女子用制服の…アレンジ品だ。スカートはふくらはぎまでのものから膝上まで短くなり、その他ネクタイがリボンになっているなどほとんど原形をとどめていなかった。
「着替え終わったのです。懐かしい服なのです~」
芽衣は自警団の制服を着て拳銃まで構えている。…なんか似合ってない?
「「可愛い~!!」」
「恥ずかしいのです!!そして小鈴ちゃんはなんでカメラを持っているのです!」
弥生さんと小梅はいつのまに一眼レフカメラを持っていた。小鈴ちゃん…それ、証拠写真用なんじゃ…。そして相変わらず僕も撮られるのね…。いいけどさ。
「次はこれかな?そろそろ広報誌を新しくしたくてね~」
渡されたのは、海軍部の女性用制服の改造品(ミニスカ海軍士官服)だった。これに至っては弥生さんが着用しているのは白いパンツスタイルの服だが、これはスカートになっていて恒例のごとく短い。たまには長いのがいいなぁ…。
六花は仕方なく更衣室に行って着替えることとした。因みに早川さんは日向がどこかに連れ出したようだった。さては日向め!これを察して逃げたな!そしてそのケーキおいしいの?メイちゃん…。
「着替え終わりましたけど…。短すぎないですか?」
「「セーフセーフ!!」」
仲いいね…貴女達。すると3人は笛の甲高い音が聞いた。発信源は芽衣で、芽衣はそのまま「怒っているぞ~!プンスコ!」見たいな腕組をして2人に注意した。
「自警団なのです!そこの二人!「ナイスメイち…」後で1枚渡すのですよ!」
味方なんていなかった。そう思いながら六花は写真を撮られていった。
「これで最後よ!素晴らしい作品でしょう?」
「執事…ですか?」
それはまごうことなき燕尾服。おまけに眼鏡とネクタイ着用である。傍から見れば若い執事だろう。そしていつのまに置かれていたテーブルにはケーキ等々のお菓子とティーセットが置かれており、ドレス姿の芽衣が優雅に椅子に座っていた。ノリノリである。「ピッ!」
「六花!お茶会の準備を進めて頂戴」
「は、はぁ…」
六花としては中々疲れていた。先程からノリノリな芽衣に振り回されていたからだ。チアリーダーの服を着たら体操着姿の芽衣を応援させられ、猫耳付きのコスプレ衣装を着てじゃれてきて、ナース服を着て採血などもされた。おかしい…いつもなら恥ずかしがるはず…。このケーキ…洋酒入りか!
「メイお嬢さま?これはいくつありますか?」
そう言ってポットを指さす。
「何を言ってるのれす?2つなのれす」
確実に酔っているな。このポット1つしかないのに。
芽衣はアルコールやカフェインを一定値取ると酔ってしまう。これは小さい頃から姉妹の間では当たり前の為、芽衣用のお菓子には予め含まれていない事が多い。しかも酔うと…。
「そんなことより早く抱きしめるのです!りっちゃん!キース!キース!」
中々積極的になる。多分羞恥心が取り去られるのだろう。代わりに僕の理性も吹き飛びかけて心臓に悪い。こういう時の対策法は…薄めること。「ピッピッ!」
「どうしたの?芽衣ちゃんが変じゃない?」
弥生さんは心配しているように聞く。
「弥生さんが持ってきたケーキに洋酒入ってたんですよ。メイちゃんかなりの下戸なのですぐ酔っぱらっちゃって」
「で、こうも心臓に悪い感じになっているのね…。対処法は?」
「持って来たわよ六花ちゃん!みかん風味の水でいいのね」
流石に葉月さんは慣れていた。というか日向が大量に作るカンノーリはオレンジリキュール効いているからよくこういう事があるのかな?取りあえず、冷えたそれをメイの口に注ぎ込んだ。
「ウグッウグッ…ふぅ…やっとまともに考えられるのです…」
「メイお嬢さま?お茶会はどうします?」
その言葉にビクッと体を震わせるとそっぽを向きながら
「なんの事かわからないのです~?『六花!お茶会の準備を進めて頂戴』」
スッとボイスレコーダーを取り出し再生する。
「それとも『そんなことより早く抱きしめるのです!りっちゃん!キース!キース!』かな?」
「あわわわ…」
「どうしますか?メイお嬢様?」
芽衣は体を震わせると叫んだ。
「意地悪りっちゃんなんか大嫌い!!」
…。
「あぁ…六花ちゃんが口からリッカーズ出しながら死んでるわよ!」
「りーちゃん器用に死ぬなぁ…」
「生きてますよ…。ダメージは酷いですが」
「ねぇ…機嫌治してってばぁ…」 「…」ツーン
「プリンあげるからさぁ…」 「…」プイッ
「…ごめん」 「何が?」プンスコ
「意地悪してごめんね…」 「私は大人なので許してあげるのです」フゥー
今回は本気で怒っていたらしい。
「その代わり!!」
「何?」
次に感じたのは頬への小さな柔らかい触感だった。
「これで仲直りなのです!」
「…ありがとう」
「仲直りはこれだよね?りっちゃん」
メイちゃんは自分の頬を人差し指でチョンチョンとつつく。
「黒井姉妹のスキンシップは激しいなぁ…」
「見慣れるわ、そのうち。ねぇ弥生?」
「待って!この尊い様子を写真にするの!」バチバチ…カシャ!バチバチ
「…失敗したわね」
「お姉ちゃん達の邪魔はダーメ♪」 「ギャァー!?」
12月中に一本書きたい