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嫌な予感が…

タイトルは次回予告を兼ねています

「ほうほう…ほーいうことはほでふね(ほうほう…そういう事なのですね)」


小鈴は口の中に先ほどおごったアンパンを入れたまま先ほどの話の相槌を打った。取りあえず飲み込んでからにしようよ…。


「んくっ、分隊同士のつながりで涼花さんと仲がいいと…。確かにあの教育隊の分隊の多くは幹部候補生の方々なのでお得かもしれません。私も幹部ではないですがそれに近いですし」


そういえば涼花ちゃん階級章つけてないけど元高等兵学校1年生だったような…。あれ?何でこの子は卒業しているんだ?一応腕章あるしコース履修者だよね。


「そういえば小鈴ちゃんはいくつだっけ?」


「今年で16です!」


「もう一年無かったっけ?大体高等兵学校に行ってコース決めするけど」


ここでは兵学校で基礎教育や一般隊員になるための教育をして高等兵学校でコース決めをする。そのコース履修の証が腕章なのだが、様々な色や記号がコースごとにある。小鈴の腕章は軍刀と桜が書かれた紺色のものである。


「私は憲兵コースなので自警団での実習を使って高等兵学校でのコース試験と科目を免除されたんですよ。お陰で1年早く卒業です」


「へぇ…すごいねぇ」


「もしお姉さんが悪い事をしたら逮捕です!御用だ~!」


大丈夫かなぁこの子…。



しばらく歩いて、そろそろ着くかと思った時に小鈴が第一工廠に行きたいと言い始めた。どうやら今日から着任するので装備一式を受け取らないといけないらしい。何故前日に受け取らない。


「すみませーん!今日から第一研究所の警備をする日之出ヒノデ小鈴です!装備を受け「やかましいわ!聞こえとる」」


奥の休憩室からガタイのいいオッサンこと平賀さんが出て来た。手には拳銃と制服、そして防弾チョッキがあった。


「全く何故前日に来ないんだ…!たるんでるんじゃ…って六花ちゃんじゃねぇか。そこの隊員の知り合いか?」


「いえ、案内を頼まれたもので」


平賀さんは小鈴を呆れたように見ると、ふと思いついたかのように倉庫に戻っていった。そして帰ってくると大太刀と制式拳銃のカスタム品を2丁持ってきた。


「整備は済んでるから返す。しかし…どう使えば小銃弾を使った拳銃を操れるんだ?この大太刀もそうだが…」


「能力ですね」


「むむぅ…」


小鈴ちゃんも僕も受け取るものは受け取ったのでさっさと研究所に行こう。もうそろそろ弥生さんが仕事とコスプレ衣装製作を終えて作ったプリンが出来上がる時間だろう。ここにいたら確実にデータを取られるし



第一研究所 エントランス


「あら?新しい警備の憲兵さん?待っていました。そこの突き当りの部屋に挨拶に行ってください」


受付のお姉さんの妹ではないようだった。しかし…突き当りって…葉月さんの所じゃ?…案内板を見ると、やはりそうだったので仕方なく入ることとした。そこに広がっていたのは、ぼさぼさの髪を後ろで整えた葉月さんとソファーに座り、お菓子を貪る我が家の末っ子だった。更には気を失った男性隊員とそれを治療する次女までいた。


「あら、六花ちゃん。奇遇ね」


「葉月さん新し「はつ姉!」はぁ…」


「小鈴ちゃん!良く来れたわね!」


「うん!このお姉さんが案内してくれたの!」


うわぁ…なんか似ているとは思ったけどここかぁ…。


「りっちゃんナイスなのです。この人が警備に付けなくなったので交代要員が必要だったのです」


「わぁ!本物の芽衣ちゃんだー!すごい!初めて見た!って…せんぱーい!!何て姿に…こんがりきつね色に焼けて…」


小鈴は目を輝かせて眺めているが、男性隊員の体には感電したのであろう線状のやけどと痙攣が確認できた。はぁ…。


「大体予想が出来たけど何があったの?」


「ヒナちゃんがお菓子を食べてるときに頭をなでたのです」


なるほどね…。日向は眠くなるとかお腹いっぱいだと体温じゃなくて電力が強くなるから僕も触りたくないんだよね痛いから。それで感電したのか~。でも大分ふさがったのかな?


「触る方が悪い!!」


日向はふん!と男性隊員を少しだけ見てお菓子をテーブル上の大皿に山盛りにしながらソファーに座っていた。


「ダメだよ日向。この人は知らずになでちゃっただけなんだから。そろそろ起き上がるからごめんなさいしようね」


「むぅ~分かったってばぁ…」


そんなこんなして男性隊員が起き上がると日向は不承不承と言う顔で目の前に立った。


「ごめんなさい…お兄さんにひどいことして…」


「いやいや、俺もいきなり触ってごめんな!びっくりしちゃったよな」


「ううん!大丈夫だよ!それでその…良ければこれから仲良くしてくれる?」


どうやらあちらは無事終わったようだった。それに安心しているとメイちゃんが呼びかけてきた。


「それであの子と一緒にいたのです?」


「正門で迷ってたんだよ…。何故か」


「葉月さんの事だから適当に書いたのです」


何で行動を読まれているのだろうなぁ…?そして「ところでなのですりっちゃん」と続いた。


「プリンはどうしたのです?頼んでいたはずなのですが」


「そーだよ!プーリーンー!六花お姉ちゃん!プリンどこー!」


そんな時あまりの事にハイテンションで大喜びしていた小鈴がようやく話しかけてきた。


「えーっとお二人はどういう関係で?」


「「姉妹」なのです」


あっ!小鈴ちゃんが倒れた!キャパオーバーしたのか!


「いい忘れてたわ。てへっ」


「全く…」「葉月さん…」「すごーい!しっかり伸びてる~!」


日向、鼻にくさやを乗せるのをやめてあげなさい…。



「ううん…臭い…痛い…ってお姉さん!ええっと~そう!姉妹と言うことは!」


「どーも水無月六花改め黒井六花だよ」


「ほぇ~もっと鬼のような感じかと」


むしろそこまで怖く伝わっているのか…。まぁ…弾丸が効かない奴が投げ飛ばしたり殴って制圧したりしたらトラウマ化するか…。


「私は日之出小鈴です!今日からここの警備兵として頑張ります!」


「その先輩の早川信吉です。長所は生命力です!」


あの後抱き着かれておまけに遊んでいるうちに東城症候群(電撃ダメージ軽減)になったからもう早川さんが監視役決定かな?


「これで毎日遊べるね!とう!」


「これはこれで気持ちがいいような気がする…」


進化してる!


早川さんが進化してたり、和やかにお茶をしているとラボのドアが乱暴に開けられた。


「六花ちゃん!お届け物とコスプレ衣装一式よ!」



和やかな雰囲気に突如現れる謎のプリンとコスプレ衣装を持ってきた女性!果たして六花は最悪な事態を防げるか!次回「海軍部の広報誌が売り切れだそうです」

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