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先生!迷子の助けは言い訳になりますか?

投稿の遅れはWOTが悪い(言い訳)

ヒッカム航空基地 正門前


六花は、妹達から食べたいと言われたプリンを弥生さんから貰う為に、正門前広場を歩いていた。しかし、いつもは事務職員などの非戦闘員が基地に通うためにある正門の前に、自警団の制服に数字の書かれた赤いリボンを黒髪のポニーテールに付けた少女がきょろきょろしながら立っていた。どうやら赤いリボンがついている為9年制の兵学校を卒業したようだなぁ…。などと考えていたら、向こうの少女がこちらに近づいて話しかけてきた。


「すみません!姉を知りませんか?研究所勤めだと聞いたのですが」


研究所って…3つあったような…。


「迷子なの?」


「いえ!姉がいなくなったんです!迎えに行くって言ったのに!」


なるほど迷子かぁ…。取りあえず迎えに来るなら大丈夫だろう。

なんて考えていると少女の無線から着信音が流れた。内容はよく聞こえないがきっと「迎えに来れないごめんね」とかだろう。顔が引きつっているし。


「それじゃあまた「助けてください!お姉さん!」


見事なタックルを決めた彼女の話を聞いてみるとやはり迎えが来ないらしい。彼女からは、取りあえず職場の地図は貰ったけれども地名が分からないらしい。確かに中央通り以外は数字で書かれているからなぁ…道。


「それでここに行けばいいの?ここなら知ってるけど…」


「はい!」


どー見ても葉月さんの第一研究所だよね。まぁ…あそこも研究員はたくさんいるから、そのうちの誰かの妹だろう。



「それで?何でここの研究所に来ようとしてるの?」


少女は胸を張り、誇らしそうに返答した。


「姉から卒業したら施設を出てうちの研究所で助手をしなさいと言われたからです!…お姉さんよりもエリートですよ!あがめるがよいぞ~!」


なんかこの子から残念なオーラを感じるのだけど…。大丈夫かなぁ…。

そんなことはつゆ知らずか、少女はさらに続けた。


「そういえばお姉さんはどこの所属ですか?体型からして海軍部…。いや…陸軍部ですね!」


一応…陸なのかな?でも海の上にも行くし…。


「そうだねー…。陸軍部かな?」


「何で疑問形なんですか~」


一応は司令部直属の即応部隊だからどこでも行けなきゃいけないし…。


「まぁ…。僕の所属はさておき、「僕ですか!もしかしてお兄さ」性別は女性だよ…。それでえっと…「小鈴です!」…小鈴ちゃんは自警団所属で兵学校は今日卒業したの?」


「詳しくは兵学校を卒業したので自警団も行かなくていいんです。あれは成績と小遣い稼ぎの為なので~」


なるほどね。やけに隊員が多いと思ったらそういうことね。

すると小鈴はニヤニヤしながら近寄ってきた。


「その言い方だとお姉さんも元隊員ですね?何期生ですか~?」


「栄光の1期だよ。すごいでしょ?」


小鈴は「ほほぅ?」と反応した後、笑いながら僕の肩をたたいた。


「お姉さんもあの事件でボコボコにされた一人ですか?今でも先輩達から(仕事サボると水無月が来るぞ~)なんて脅されるんですよ~!」


僕が何だか鬼か悪魔に変身を遂げているようで…。


「ハハッ…どうかなぁ?」


「今誤魔化しましたね!ちょっと!お姉さん!」


小鈴は僕の後ろから服を引っ張っていた。そんなところで着いたのはカフェなどが立ち並ぶ通りだった。


「ムムム!お姉さん!可愛い新人にホットケーキをおごってください!」


小鈴は右手を挙げて元気一杯におねだりしてきた。全く…。


「仕方がないなぁ…。出世払いだからね」


「ごちになりまーす!」


現金な子だなぁ…。



「フワフワしてて甘さもくどくなく…美味です!」


「ハイハイ…」


店内には僕と小鈴以外はいなかった。そして、目の前には6枚重ねのホットケーキがクリームといちごソースでウェディングケーキのような見た目になっているものが鎮座していた。…結構食べるのね。


「お姉さんもどうです?アーン♪」


そうは言いつつ無理やり押し込まれたような気がするが確かにおいしい。その後残りの半分に小鈴が手を出そうとしたときに店のドアが開いた。そしてその客はこちらに来ると話しかけてきた。


「あれ…?六花ちゃん…?何でここに…?それに小鈴ちゃん…?」


声の主は涼花ちゃんだった。しかし小鈴は体をビクッと震わせると口を開いた。


「はひ!ご機嫌麗しゅうでござりまする!!」


「涼花ちゃんどうしたの?」


小鈴はカミカミだし、よく分からない挨拶だし…。


「ここ…行きつけで…。どういうつながり…?二人は…?」


「正門でこの子が迷ってて、研究所まで送る途中だったんだよ」


「そうであります候!」


武士か!しかもなんか変だし…。


「ふぅん…そうだ…!今度姉妹みんなで家に来て…。お父さんが新メニュー開発したから…」


「わかったよ。行くときは連絡するから」


小鈴がさっきからチラチラ僕の事を見るけど、どうしたの?ついでに食べるのが早いね…。もう無いじゃん。そうこうしていると涼花ちゃんは奥にあるテーブルに座った。どうやら予約していたらしい。見るからに12枚は重なっているベリーソースがナイアガラ滝のようにたっぷりかかっているパンケーキが運ばれてきた。…日向に汚染されたのかな?その考察は小鈴の揺さぶりで中断させられた。


「お姉さ~ん!!今のは!今のは何ですか!あの高等兵学校のエーデルワイスこと二階堂涼花さんと友達ですか!!教えてください!いえ、教えなさーい!」


「頭が揺れる~」


少しすると止めてくれたのでその隙に教えることにした。


「こうかくかくしかじかでね」


「なるほど!まるまるうまうまですね!…って、わかるか~!!」


ちぇっ、これで解決したらすごく楽ちんだったのに!仕方ないから普通に話すことにした。


すんませんでした(本音)

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