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鹿島港制圧作戦 後半

戦闘はカットカットぉ!すみません戦闘はほぼありません。

「だろうとは思ってはいたけどここまでとはね…。あたしもこれは骨を折りそうだわ」


1キロ先の鹿島の街にはビルの代わりに建つアリ塚とその持ち主がいた。スキャンから約千体はいるアリ型に加えまばらにコガネムシ型がいることが分かったがそれが更にメンバー達の気分を落ち込ませる。そう愚痴る間宮の横では南が狙撃の準備を整えていた。南はスコープを覗いて辺りを見た後怪訝な顔になって間宮に話した。


「おかしいねぇ?カマキリ型がいない…。間宮さん、スキャンしてカマキリ型を探して」


「確かにこの市街地の状況ならカマキリ型がアリ型を食べるからアリ塚はできないはず…。なのに市街地内で反応があるのはアリ型とコガネムシ型だけ…。おかしいわね」


カマキリ型はいたはずだった。証拠に卵嚢が付いたビルもある。しかし肝心の親がいない。そんな時海から灰色の何かが堤防の上に這い上がって来た。それも多数の何かだった。


「あれは…カエルですかね?でもカエルって海水大丈夫でしたっけ?」


しっかり第4偵察班の4人を荷台に避難させた六花が這い上がってきている生物を見て答える。それは横に広い口と発達した脚、更にぬめりを含む表皮に覆われていた。それらはのっそりと動くとアリ型の居る方に動いてアリ型を捕食していた。


「普通は死ぬわ。でも進化したか改造されたかで大丈夫みたいね。カマキリ型がいないのはあれに狙われやすかったからだと思うわ。ほらコガネムシ型は吐き出されていてアリ型はアリ塚に帰っていってるわ。体の大きさからしてあそこには入れないみたいね。」


「でも何で他の所ではいなかったのです?海水で生きていけるなら他の所でも戦ってるはずなのです」


「スキャンによるとあそこの港の中には成体のカエルしかいないわ。そして見てごらんなさい!あそこのカエル達は急いで港の中に戻っていくわ。皮膚が乾燥しやすいのかしら?」


確かに捕食していた個体群が急いで港内に戻っていく。しかし1匹だけ奥に行っていたのが戻る途中で動きが鈍くなっていた。そして止まるとそこから動かなくなった。


「当たり!かなぁ?あの個体は皮膚にぬめりがなかった。多分あのぬめりが乾くと陸上で生きていけないんだと思うよ。暑さなのか呼吸の為かは分からないけど」


「後で霞ケ浦の調査が必要ね…。多分そこから来ているわ」


そして彼女らはまずアリ塚を片付けることとした。幸い2か所だけなので六花がその破壊に回ることとしたがカエルらしきものの対処が決まらなかった。そこには攻撃方法が分からないということと、海中の群れに攻撃方法がないことが懸念事項としてあったからだろう。そんな時不意に日向が呟いた。


「あの沈没船金属製だなぁ…マストに当てれば…」


そう聞いたとき姉達は嫌な予感を感じて後ろを振り返るとそこにいた日向を止めようとしたがその時には沈没船のマストに電撃が飛んでいた。…日向の手から。その電撃の後にゆっくりと灰色の物体が浮かび上がって来ていた。


「大成功!」


「「大成功じゃない」のです!」


二人のげんこつが日向に当たって本当に火花が散った。


「いったーい!こんなに強くたたいたら馬鹿になっちゃうでしょ!」


「もう手遅れなのです!」


日向は頬を膨らませて抗議するが芽衣はなかなかひどい返しをした。しかし助かったのでかなり複雑そうに3人は頭を抱えていた。


「しかし…助かったねぇ…。これで後はアリ塚だけd」 ズドン!


「はぇ…?」


忽然とアリ塚が崩れ隣にいたはずの黒井家長女の姿もなかった。そして後はアリ型だけがその場に残っていた。そんな光景に唖然としている間宮達に向かって後ろから六花が話しかけた。


「これで楽に進めますね。ふぅ疲れた」


六花がそう言いながら荷台に乗ろうとしたとき後ろから少し強いぐらいの力で引っ張られた。


「ハーイりっちゃん?少しオハナシなのです」



「全く何でいつも勝手に突撃するのです?私がいくら言おうと聞いてないのです!」


「えぇっと…あの~それは」


「言い訳しない!」


鋭いげんこつが六花に当たり、六花が転げまわる。ここは姉妹似ていた。涼花も「まあまあ」といった感じに間に入っている。


「初めて六花ちゃんがまともにダメージを受けてるわ…」


「あれは…能力が防御しないんだと思う」


その間も六花と日向が芽衣に怒られシュンとしたのを涼花があわあわしながら仲裁に入るというのが続いていた。


「りっちゃんは昔から変わってないのです…。いつも考えずに突っ込んでいくんだから…。全く私がいないと駄目なのです!」


「…姉妹は全員で一つ…でしょ?」


「反省するのです!」


「アイタ!」


そんな様子を栗原は静かに見て笑っているのであった。



その後海軍部の強襲揚陸艦が鹿島港につき、前線基地の設備一式を設置すると日向がそのバッテリーに電気を貯めていった。数時間をしないうちに荒れ果てた港は艦隊が止まるだけならできるくらいの港に戻り、海軍部の日本攻略の橋頭堡になった。


「これで護衛任務は終わり!みんな帰るわよ!」


そんな時栗原が呟いた。


「どうやって帰ろう…」



「ちょっと!私の妹分を取らないで頂戴!」


「間宮教官!それはきついっすよ!うちの嫁です!」


「「栗原さんが…すみません」っす」


「こちらこそすみません」


「うわーい空飛んでる!」


「にぎやかだねぇ…」


「なのです」


「間宮姉さん…吉継さん…目が回るよぉ…」


9人を無理やり詰め込んだセスナ機は一路オアフ島に向かうのであった。


私はこの後日常回を書くんだ…(死亡フラグ)

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