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鹿島港制圧作戦 中

中盤です!前回は何だって?知らないなぁ(ノリとテンション)

日本 茨城県 神栖市


「あたしの涼花ちゃん…。取られた…。よりによって栗原…」


間宮は膝を抱えた体育座りのままで荷台の端にうずくまっていた。彼女としては黒井4姉妹も妹分に入ってはいるが、長女は基本的に人に甘えたりすることはないし、次女はしっかり者で長女が困ったときは来るし、三女はお母さんみたいな感じだし、四女はトラブルも一緒に運んでくる。そう言う点で可愛くて姉と慕ってくれて庇護欲を掻き立てる涼花を溺愛していたのであった。そんな妹分が今知り合いに取られたので、どことなく彼女を寝取られた彼氏のようなオーラを醸し出している。


「間宮姉さん…あのね…吉継さん優しい人だから…」


「日穂姉!応援しなきゃ!可愛い妹分の幸せは祝福するものなんでしょ!」


2人はその横で必死に慰めていた。すると、間宮はむくりと立ち上がり栗原の前に立ちこう言った。


「あたしの可愛い妹分は任せたわよ!傷つけたりしたら…分かってるわね?」


「正しくはうちの嫁だがな!教官!任せろ、奴らにゃあ触角一本触れさせない」


その中には男?の友情があった…のか?そんな空気に耐えられない他のメンツはやれやれとしていた。



「11時の方向にアリ型230だよ。みんな準備は?」


結局44分隊員はほぼ夫婦の2人の空気に充てられそそくさと荷台の上に乗っていた。それ以外にもそろそろ会敵するころだと思ったのもあるが…。そして見立て通りにアイクがいた。間宮はいつもの機関銃じみたアサルトライフルを向けて、芽衣はサブマシンガンを、そして多数の蟻型には不向きな南は周囲の確認をしていた。六花は今、トラックに並走して撃ち漏らしをカバーしていた。後数百mになった所で間宮と芽衣は射撃を始めた。流石に仲間が撃たれたため、トラック目がけて群れが来ていた。


「りっちゃん!撃ち漏らしは頼んだのです!」


「メイちゃん次第かな?」


「ちょっと!真面目にやってほしいのです!」


彼女らはもはや数百のアリ型ならそう対した労力ではない。しかし護衛任務をしたことのない芽衣にとってはなかなか緊張している。軽口の裏には少しでも芽衣の緊張をほぐそうとしている六花の気遣いがあるのだが、本人には伝わらなかったようだ。


「大丈夫じゃないかなぁ…。でしょ?六花ちゃん」


「うちのメイちゃんには原子一つ触れさせませんよ!」


現に撃ち漏らしはショットガンで吹き飛ばされている。こういう移動しながらの時はショットガンでの攻撃が基本になっている。


「私も…手伝います…!」


荷台から出て来た涼花は芽衣の隣に陣取り援護を始めた。南のとは違い弾薬に余裕のあるそのセミオートマチックライフルから出た弾は確実にアリ型を仕留める。しかし群れはますます押し寄せて処理が間に合わなくなっていた。


「ちっ…!まずいわね…。数百どころじゃないわ!みんな残弾は?」


「そろそろ限界なのです…」 「すみません…弾が…」 「私ももう無いよ…」


「いざとなればこれで行くしかないですね…」


「あたしもないわ…」


そんな時5人の後ろからオレンジ色の光線が飛び、着弾点から何もかもが消え失せていた。5人が後ろを見ると、そこには飛びながら角ばったライフルらしきものを持った日向がいた。


「流石は葉月さん♪力の入れ具合で威力を変化できるとは芸が細かい!…こっちにおいでよ…」


そう言うとオレンジ色の光が稜線の上のアリ型を薙ぎ払った。後に残ったのは焼け焦げた地面とアリ型だった炭のようなものだった。


「ふぅ…お姉ちゃん達!大丈夫?怪我してない?」


「してないのです…。でもヒナちゃん、それはどうしたの」


「葉月さんが作ってくれた【万能型電動工作ツール】だよ!まず切断と溶接と3Dプリントと引き寄せと今の攻撃ができる優れものだよ!」


葉月さんはまたろくでもないのを作ったのか….

そう六花は思ったがこれに助かった身としては複雑な気持ちである。芽衣は日向の頭にげんこつをしていて、間宮は頭を抱えて、南はそれを見て微笑んでいる。そんなメンツに涼花以外の3人は言葉を失っていた。涼花は吞気にビスケットを食べていた。


「うぅ~いたたた…。結果オーライじゃん…」


「あんなものをもらったからって撃つ人がどこにいるのです!」


「ここ!」


またもやげんこつが日向の頭に当たった。今回はかなり痛いみたいで器用に荷台の上で転がっている。


「ごめんてばぁ…」


「反省してるのです?」


「たっぷりと」


芽衣は日向を抱き締めて語り掛けた。


「無茶をしないでほしいのです!無茶するのは何処かの誰かさんで間に合ってるのです!」


「あの…僕のこと?」


「「「「「それ以外に誰がいるの?」」」」です?」



「ほら六花ちゃん!元気出しなさい」


「六花ちゃ~ん…駄目だこれ」


「りっちゃん!私が言い過ぎたのです!」


「六花姉ちゃん?元気出して!」


「涼花ちゃん…ほら…胸を貸すから…」


間宮と入れ違いに隅っこにうずくまっている六花は涼花に抱きついた。しかしその時あることに気が付いた。


「涼花ちゃん…?胸…ある…!」


「ふぇ…?何の事…?」


「裏切り者…」


そう言いながら六花は素早い動きで後ろに回り涼花の胸に手を伸ばした時、


「えい!」  「痛ぁ!」


六花はそのまま気を失って倒れた。犯人は強力な鎮静剤の注射器を持った芽衣だった。


「これで10分は静かなのです…。涼花ちゃん、五月家の血筋は小さい人が多い…のです」


間宮と南は大体察した。日向は自分の将来性を信じてペタペタ触っていた。芽衣は悲しそうに自分の姉と胸を見るとサツキスペシャルの点検を始めた。


10分後…


「頭が痛い…。あれ?なんで倒れているんだろう?」


「ごめんね。間違えてぶつけちゃったのです」


「もー次から気を付けてよ?」


「…流石だねぇ」



「それで?今どこなの?」


「もう少しで鹿島港ですかね。大体30分程かと」


運転席から西寺が答える。


「ねぇ…あのアイクだらけの街が鹿島港じゃないよね…」


「あぁ…残念ながらそうみたいだねぇ…涼花ちゃん…」


目の前にはアリの巣とカマキリの卵嚢が付いたビル群があった。


すみませんがモチベがここまででした…。この次は仲良く東南アジア諸国連合軍の部隊と遊ぶ話にしようかと…。後半?少々お待ちください。

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