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鹿島港制圧作戦 前半

この後回想回挟んでいいですか?この物語は作者こと睦月一月が思いつきで作っているので~

日本 房総半島 銚子市


「みんな!今回の任務は鹿島港まで追加で来る人員と物質を護衛して進む簡単なお仕事よ!来るのは予定では明日…。みんなは何したい?」


間宮は無線から顔を離し、今来た追加事項を一緒にホテル跡で休んでいる3人に伝えた。


「何でも~」


既にコンクリートの床に焚火を作って昼ご飯の餅状の完全栄養レーションを焼いている南は至極どうでもいい様に答えた。レーションを食べようとしているのには彼女自身能力の代償として食欲がわかない事で何も食べず起きる餓死や体調不良をなくすため決まった時間で食事する習慣をつけるためである。むしろ六花の手料理とこれくらいしか栄養が偏らない食事がないためこれを食べているという面もある。


「どうせならしっかり休息しましょうか。ほとんど安心して眠れていませんし…」


六花は大太刀を手入れしながら眠そうに答える。眠い理由は銚子漁港制圧後ここを拠点にあちこちではぐれアイクを倒してきたため眠れてないからだろう。服に赤い血がついているのは横のビニール袋に入れられた物を取ってきたからだろう。


「その前にここの掃除なのです…。流石にこの床で寝るのは遠慮したいのです…」


どこからか掃除用具を持って来て床を掃除している芽衣は、疲れ果てたような声で返す。先程マットレスを持ってきて寝た時、あまりの汚さに急いで掃除を始めたが、広くてまだ終わっていない。


「始めてね…現地で進撃無しで3日待つことになるなんて」


「追加人員は守備隊ではなく地形や地図製作主体の任務の第4偵察班らしいですが、大丈夫なのでしょうか…」


間宮と六花は心配と戸惑いを含んだ顔で壁に寄りかかった。時々壁の穴からか生ぬるい風が入ってくるがそれよりも彼女らは追加人員についての方が脳内を占めていた。


「大丈夫でしょ~。私等なら一般人を守りながらでも鹿島まで行けるって」


「間宮さんもりっちゃんも心配し過ぎなのです…。いくら何でも自衛くらいはできるのです」


比較的楽観的なのが南と芽衣。南は一般人の護衛と考えてプランニングしての、芽衣はただ「レジスタンス隊員なのだから戦闘位…」と考えての発言である。そんな中レーションが香ばしく焼ける匂いと海の匂いが部屋を包んでいた。


「取りあえずは掃除ね…。これじゃあ埃臭くて寝られないわ…」


「ハフハフ…大きなごみはないけどね~」


大きな廃材や布切れなどは焚火に変化したため、残ったのは金属やプラスチックなのだが、葉月さんからなるべく回収してくれというお達しが来ている為先程回収バルーンにまとめたものを括り付けた。その為今あるのは土や埃だけである。先程から掃除をしてはいるがあまり変化はない。


「まさか焚火の為にフローリングをはがすとは思いませんでした…」


「お陰でこうして暖かい物を頂けるというわけですよ~。六花ちゃん食べる?」


「その餅のような人間には早すぎた味がする物体を近寄せないでください」


「ふーん…嫌いですかぁ」


完全栄養レーションはその栄養バランスから機能面では高性能なのだが味は生臭酸っぱいホットケーキであり、何故そうなった…という声が聞こえてくるほどの残念製品である。更に茶色がかった黄土色なので尚更食欲がわかない。


「まず好きな人を見ないわよ…始めてみたわ…」


「私はまずかろうと美味かろうと食欲はないからねぇ」


「私はこの大きなクラッカーとジャムのセットでいいのです」


「メイちゃんお肉ならあるけど…食べる?」


アイクを討伐した後、ちゃっかり鹿や猪を狩ってきた六花は焚火の上にきれいに洗った縦長のコの字に曲げた鉄板を置き、脂身を溶かして塗っていた。勿論元々空腹で更にクラッカーに飽きた芽衣を喜ばせるために用意したものである。結果は…


「わーい!焼肉なのです~!クラッカーをやっとデザートに回せるのです!」


「デザートで食べるのね…あたしもいただこうかしら」


「私も食べた~い!このクソまずいのは燃料にしちゃえ」


戦場とは思えない油断の仕方だが、そこには銚子市周りのアイクの殲滅と間宮の能力による監視があるため抜かりはない。結局焼肉パーティーして掃除してそこそこ眠れるかなといったところまで片付いた為、4人は仲良く2つのマットレスに詰めて寝ることとなった。


「これが一番平和ですかね…」


「そうね…甘い良い匂いがするわ…。同じシャンプー使っているのに何でこうも違うのかしら?」


「りっちゃん!間宮さん!あまり匂いを嗅がないでほしいのです!」


「お先にお休み~」


結局寝ていても二人が暑苦しい芽衣は南の横に移動して寝るのであった。それに気づいた2人は南に少し嫉妬したという。



「ふぁぁ…おはようございます…」


「おはようメイちゃん。よく眠れた?」


「そろそろ来るらしいわよ。顔でも洗って用意しなさい」


「ハイ…分かったのです…」


芽衣は眠そうに目をこすり、髪をサイドテールに結び、女性隊員用の制服を着たまましわを直した。それを見て六花が襟元を直し、サツキスペシャルを手渡した。


「出発よ!簡単だといいわね」


「うへぇ朝なのに暑いよ~」


「もうそろそろ9月なのですが…」


「ともかく晴れてよかったですね」


4人は一路大通りの方まで歩く。


「しかし…物資とは何なんなのでしょう?港湾施設用とかだったら輸送艦で運ぶでしょうし」


「中身は私達用の弾薬や食糧らしいわよ。いつもより好待遇ね」


いつもは無補給で2日間戦うこともあるため今回のような補給があるのは珍しいことだった。しかし、黒井司令が好待遇にするときは裏があると4人は知っている。


「どうせ多分恐ろしい数のアイクがいるとかなのです。骨が折れるのです…」


「いやぁ…?私はルートが大変に一票」


「僕は荷物が訳ありに一票」


それぞれが好きなように予想しているが、全て本当にあったことなのであり得てしまう。


「バカ言ってないで用意しなさい。15㎞先にレジスタンス標準トラックが時速40㎞で接近中。レディのエスコートの始まりよ」


「私等がレディなんだけどね」


「シャラップ!」



44分隊員を見つけたのかトラックは目の前で止まり、荷台から少女が下りてきた。そして交渉の為近づいてた間宮にビシッと敬礼しながら発言した。


「今回護衛をしてもらう第4偵察班…です。よろしく…って間宮姉さん…!南さん…!六花ちゃんに芽衣ちゃんまで…!」


「涼花ちゃん!?何でここに?貴女訓練大隊所属よね!?」


「後で話しますから…。今は他の班員とも顔を合わせましょう…」


涼花は間宮と話した後、南と黒井姉妹の所に行った。


「南さん…。六花ちゃん達…。また会えて嬉しいです…」


「…訓練大隊はどうしたの?」


「後で話しますが…編入で第4偵察班の方に…衛生兵としての技術と狙撃技術で入りました…」


「お役に立てて何よりなのです!」


芽衣は胸を張ってエッヘン!と言った様子で言った。南は少し暗い顔だった。


「まずは…荷台に入ってください…」



「こちら44分隊隊長の間宮よ。護衛を任されてるわ」


「お久しぶりかな?間宮教官。栗原ですよ」


「あら栗原!元気そうね」


二人は元教官とその訓練生であり、そこそこの親交があった中である。しかしここ1年ほど会えず懐かしい再会となった.


「で…何でうちの訓練生が私の妹分を部下にしてるのかしら?」


「まずは荷台に!詳しくはそこで話させてください!」



「班員の田中さんと西寺さん…。田中さんが機関銃手で西寺さんが工兵…」


ふんわりとした説明を南達にしながら涼花は荷台に入る。


「よろしくお願いします。涼花ちゃん以外戦闘はあれなので…」


「というか…何故芽衣ちゃんがいるんすか…」


現在の状況は何故かレジスタンスのアイドル的存在の黒井芽衣ちゃんがいるということで固まる2人とはてなマークを浮かべる4人という状況である。


「44分隊所属!黒井芽衣なのです!」


「同じく黒井六花です」


「南小梅ですよ~」


上から一般隊員的にはアイドル、訓練デストロイヤー、鬼教官である。そこに栗原と間宮が来たため何かを察した田中西寺ペアはそそくさと運転席に移った。


「第4偵察班班長の栗原です。今回よろしくお願いします」


キリッとした顔で挨拶しているが、理由は芽衣ちゃんである。少しでもかっこよく見せたいと思っているが当の本人は涼花と話していてあまり聞いていない。


「栗原さん…。いつも妹が大変お世話になっております」


「えぇっと…今もお世話しています…」


顔をそむけている栗原とその言動に今回の荷物を六花は察した。


「今回はこのバッテリーを鹿島港に送って艦隊上陸の時までの電力をためておくの…」


「でもどうやって充電するのです?」


「あっこの『にもつ』って何ぃ?」


『この声は南お姉ちゃん!なら出ていいよね?どうせ44分隊なんでしょ!』


「やっぱりか…」


「「「!!」」」


中から声のする段ボール箱に驚く3人と頭を抱える六花。六花としては一番めんどくさくなると予想した瞬間であった。


「プハー!私は自立型充電機【にもつ】だよ!よろしくねー!」


「日向…何でここに?」「ヒナちゃん!何でここにいるのです!?」


「あのねーこれ言っていいの?」


「私から…話します…。えぇっと…その…間宮姉さんごめんなさい…。彼氏ができて…「どこの馬の骨よ!見せなさい!」…そこの…栗原隊長…。」


プルプル震えた後に間宮は栗原の両肩を持って前後に振った。


「あ~ん~た~は~!私の妹分に手を出して挙句の果てには部下にするとは!どういうことなの!」


「ちょっ!目が回る!」


「間宮姉さん…私が告白して付き合ってるの…。それと私のわがままでここに移籍したから…」


「でも移籍には大隊の指揮官とうちの黒井司令が了承しないといけないわよ?そんな軽く決まることではないわよ?」


「はぁ…そこの【にもつ】はどういう存在ですか?先輩?」


まず東城教官が訓練大隊の指揮官であり、いいおもちゃ。司令はいざとなれば暴走するとか言って何とか出来る。マフィア仕込みの交渉術ととてつもない武力。それを持っているのがそこの【にもつ】こと黒井日向である。


「なるほど…東城教官を脅して黒井司令も抑え込み移籍させたけどお仕置き代わりに荷物にされたのね…」


「当ったり~!」


日向の頭に二つのげんこつが下った。


「いったーい!何するの!」


「訓練生を戦地に送るな!ましてや涼花ちゃんを!」


「危険ってわかっているのです?」


「ブー!でも涼花ちゃんを人外まで訓練したのは誰だっけ?」


『見てください…間宮姉さん…。影がすごく薄まる術です…!』


『六花ちゃ~ん…なんてことを…』


「むぅ…」


「芽衣お姉ちゃんも訓練生を医師レベルの治療技術を教えたでしょ!お陰で人体の限界とかも出してるみたいよ」


「むむぅ…」


「ついでに南お姉ちゃん…普通は500m先の動く相手に走りながら狙撃は普通出来ないからね!」


「まだ500mか…訓練あるのみだねぇ」


ぐうの音も出ない2人とまだまだだと笑顔を向ける南。結果出来上がったのはとんでも兵士涼花ちゃんである。


そんな話をしている間もトラックは一路鹿島港に向かっていた。


回想回はあの人の視点です!意外と私気に入ってるんですよねこのキャラ。

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