オペレーションオレンジエンジェル
皆大好き(作者が大好き)な芽衣ちゃんサイドの物語です。
ヒッカム航空基地 居住区
生物班寮2階の間宮・南両名の部屋<という名の壁ぶち抜きワンルームキッチントイレ付>に黒井家次女の姿はあった。そしてテーブルの真向かいではぁ…?という顔をした間宮と部屋の本棚の前でニコニコと面白そうに話を聞く顔の南がいた。
「もう一度聞くわ、今なんて言ったのかしら?」
「でーすーかーらー!大人っぽくしてほしいのです!」
全く…なんでわからないのです…。
結論から言えば自警団の年少組より下手したら幼い顔立ちの芽衣ちゃんが大人っぽくなろうとも多分おませな子供にしか見えないのだが、頑なに大人っぽくなろうと交渉していた。
「折角かわいいのにこれ以上何を望むのぉ?芽衣お嬢様?まさか彼氏ができたとか?」
「さて…。うちの芽衣ちゃんを誑し込んだのは誰かしら?」
間宮は対人用のアサルトライフルを持って立ち上がった。しっかりマガジンとナイフも装備していることからかなりの殺意だった。
「違うのです~!ただ…その…りっちゃんが…」
回想
「今日は暑いのですぅ…」
「ほらこれ飲んで?今日は暑くなるだろうからとリンゴ味のスポーツドリンク作ってきたんだ!」
「ありがとうりっちゃん!」
「お礼を言えたね!偉い偉い!」
「もう!子ども扱いは嫌なのです!」
「ごめんごめん」
「こんな感じでいつも私を子ども扱いするのです…」
私だってりっちゃんの一つ下なんだからもう大人なのです!なのにいつも小さい子と同じ扱いなんだから!
「あ~…。それはねぇ…」
「甘やかすのが六花ちゃんの生き甲斐でもあり、精神安定剤でもあり、愛情表現だから大人っぽくなろうとされるわよ」
「でも!流石に恥ずかしいのです…」
家でも食事すれば口元を拭かれて、転べばおまじないをかけられて、毎日ヒナちゃんと一緒に寝かしつけられて、お小遣いまで渡されるのは何とかしたいのです!
すると、南がいい考えを思い付いたらしく近寄ってきていたずらっぽくこう言った。
「芽衣ちゃんが攻めていったらどうなの?逆にこっちが愛情表現をしてしまえば少しは落ち着くんじゃない?」
「まぁ…確かに芽衣ちゃんが言葉にしないから不安でそういうことをしてるのかもしれないわね。明日1日六花ちゃんに甘い言葉をささやきなさい!」
「恥ずかしいのです…」
確かにりっちゃんのことは好き…いや大好きだけど…。恥ずかしいよぉ…。
そんな様子を察してか南が懐から薬を取り出した。そして芽衣に渡してこう言った。
「それは緊張や恥じらいなどの動揺の類を抑える薬だよぉ。不正規の任務の時に配られるんだけど使わなくてとっておいたんだぁ」
「明日1日だけでもこれで勇気を出しなさい!いいわね?」
「分かったのです」
薬を持って下の降りる芽衣を見ながら二人はこう思った。
(あの薬、ただのビタミン剤なんだけどね)
「ふぁぁ…。今日1日頑張るのです。確か1錠でいいとか…。えい!……よし!」
今日こそはりっちゃんに一泡吹かせるのです!
決心していると扉の方から足音が聞こえた。いつも通り起こしに来るだろうと芽衣は寝たふりをした。
「メイちゃ~ん!朝だよ。起きて」
ふっふっふー♪今日は漫画であった甘え方をしてあげるのです!
芽衣はむくりと起き上がると自然に六花に抱き着き頬ずりしながらこう言った。
「りっちゃんのお日様の香り…好きぃ…」
「メ、メイちゃん!?ほらしっかりして!朝ご飯出来てるよ!」
しめしめ…慌ててるのです。この調子でりっちゃんにアプローチするのです。でもさっきから何か胸がドキドキするなぁ?
寝室から出てテーブルに着くとそこにはトーストセットとプリンと蜂蜜かあった。どれも芽衣の好きな甘いものと栄養価の為に蒸し野菜とハムエッグがトーストと一緒に添えられてた。
「「いただきます!」」
そこの大皿にちょうど良くフレンチトーストがあるのです!これはいつものあーんで恥ずかしいことになるけど今日はりっちゃんを困らせてあげるのです!
「りっちゃん、フレンチトーストが食べたいのです」
「えっ…あぁ…そっちにわた「あーんしてくれないのです?」ふえっ!うん、ほらあーん」
「あーん♪うん!美味しいのです!りっちゃんが作ってくれたからかなぁ♪」
「今日は積極的だね…」
ふふーん♪これでいいのです。今日は恥ずかしくないからどんどん攻めるのですよ~!
一方廊下で2人はこの新婚夫婦の様な空気に充てられ入れなくなっていた。今日は1日寮でゆっくりする予定だったが機嫌のよい芽衣はお出かけをすることにした。もちろん六花も誘ってだが。
「今日はやけに機嫌がいいけどどうしたの?」
「ひ・み・つ♪」
「まぁいいや。じゃあ中央通りでも行こうか」
ここでも仕掛けちゃうのです!いつもは手を繋ぐのを断るけど今日は繋いで歩くのです!
おもむろに右手を六花の手のひらに触れさせて上目遣いで持ち前の飴玉を転がすような声で話しかける。
「手を繋がないのです?」
「あぁ…うん!繋ごうか!」
どうせならもっと欲張ってもいいよね…。日頃恥ずかしんだから仕返ししちゃえ!
芽衣は手を動かして、六花の子供とつなぐような繋ぎ方からコッソリ恋人繋ぎにしていた。しばらくして中央通りに来ると、道行く人達は微笑ましく2人の事を見ていた。
「今日は随分…。何でもない」
「フフッ♪りっちゃんとデートしてるみたいなのです♪」
「クッ!そ、そうだね!で、でも歩いていて疲れない?休憩する?」
「りっちゃんと一緒なら疲れなんて忘れられるのです♪」
これで私の気持ちが分かったのです?恥ずかしいでしょ~!フフッ♪
恥ずかしいというよりも六花は可愛さでどうにかなりそうなのを抑えているのだがそうとは知らず芽衣の漫画情報から生み出される攻撃は続く。知り合いに会えば、
「おう!芽衣ちゃんじゃないか!今日はお姉ちゃんとお出かけか?」
「平賀さん!違うのです、デートですよ~♪」
「こいつは一本取られた!そうかい。水無月嬢。幸せにな!ガハハハッ!」
「むぅぅ…」
「りっちゃん、不束者ですがよろしくお願いします♪」
そろそろ海岸に出るのです。確かそこには恋人の鐘とかいう丁度いいスポットがあるのです。そこでいつものお返ししてあげるのです。
「りっちゃん!見て!恋人の鐘ですって!鳴らしていきたいのです!」
「恋人の鐘?ふむふむ…ここである隊員が婚約者にプロポーズをして戦地に行き、見事帰ってきたことを記念して建てたという名目でインテリぶる海軍部の奴をいじめるため作ったものですと」
えぇーと…。鐘が鳴ってるうちにキスをすると仲が深まる…って!恥ずかしいのです…。でもこれならきっとりっちゃんも恥ずかしくて冷静でいれなくなるのです!フフッ♪
不意に港中に鐘の音が響いた。そして芽衣は急いで愛する姉の頬にキスをした。それはすぐに終わったが、その余韻はまだ残っていた。ここまでは良かった。しかし芽衣は男女関係なく魅力する可愛さと声で照れつつ一言言ってしまった。
「初めてのキスがりっちゃんで良かったのです♪りっちゃんだーい好き♪」
周りにも聞こえそうなほど六花の理性が切れる音がした気がした。即座に芽衣をお姫様抱っこすると唇に改めてキスをされて中央通りを運ばれつつ寮に向かっていた。
「ぷはっ、どっ、どうしたのです?りっちゃん?顔が怖いのです…」
「………渡さない」
「ほえっ?」
「メイちゃんは僕だけのもの、誰にも渡さない」
「と、とりあえずおろしてほしいのです!」
あれぇ?どこがまずかったのです…?私はただりっちゃんを恥ずかしがらせたいとして…まぁいいのです。私を大切にしてるからの行動なのは分かっていたけど今回の事で理性すら失わせてしまったのです。前にお酒を間違えて飲んだ時もおぼろげながらこうされた気がするのです…。
<この後滅茶苦茶身の回りのお世話とかキスとか愛をささやかれた>
「で、昨日先輩達何をしたんですか?やけにメイちゃんの様子がかわ…変だったのですが」
「えぇっとねぇ…後押しした?かしら」
「まさかこうなるとはねぇ」
はぅぅ…恥ずかしいのです…。何で昨日はあんなことをしたんだろう…。
芽衣は正座の先輩達と対面に六花と座っていた。昨日は何故と思っているが、薬のせいでなくただのプラシーボ効果の産物である。
「先輩達からこの動揺とか恥じらいが無くなるとかいう薬をもらったのです…。任務での余りだとかで」
「それよ。効果は見ればわかるわね」
「L‐アスコルビン酸…。俗に言うビタミンCですね」
「プラシーボ効果ってやつだよ」
「道理で息からアルコールや興奮剤の匂いがしなかったんですね」
じゃああれはただの思い込みで…。きゅう
「芽衣ちゃーん帰ってきて~」
「間宮先輩、じゃああれは…」
「多分芽衣ちゃんの本音よ」
その後姉妹間のスキンシップが激しくなったらしい。<日向は語る>
ここ好きをかき集めてできたのがこのありさまだよ!反省も後悔もしていない寧ろ芽衣ちゃんカワイイヤッターとしか思ってない。まぁ…ギャルゲーで言うとお互いに好感度maxなのが黒井4姉妹なので。