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訓練と交流と

書きたいネタをぶちまけるだけの前半行きます。

ヒッカム航空基地 第3訓練エリア


今日、第3訓練エリアに珍しい訓練生が来ていた。彼女達の内4人はもう訓練などは完了しているのだが、流石に同年代の訓練生達ともいい加減交流しなさいという東城教官からのお達しが出たので来ているのだ。結果は2人は面倒くさそうに銃の点検をして、1人は武器庫から見つけたらしき古めかしい銃を抱えていて、1人はテーブルとイスを並べて、1人は体に装置を取り付けていた。


「かったるいわね…。今日は寝ているつもりだったのだけど…」


「たまには別の銃も悪くはないかぁ」


「何故ここにSMLEのL8があるんだろう?」


「詳しいね!それは中山のおじさんのくれたものだよ!ほら!「HINATA]って書いてあるでしょ?」


中山のおじさんとは肉ブース店主の本名リチャード・ナカヤマのいかつい日系イギリス人のおじさんで、怪我で退役後、暇だしどうせなら日本の京都でも行こうと来日中にアイク達が襲撃したので、イギリス人居住区ではなく日本人居住区にいる。日本語は軍で覚えていたらしく、始めは片言だったらしいが、今では流暢な日本語で話すゴリラみたいな体の人である。


「何だか怖くて中山さんに近づけないのです…」


あの人はかなり根はやさしい人で可愛い物好きのゴリラなんだけどなぁ…。強面でどすの効いた声だからなぁ。




「しかし、今回一緒に訓練するのは何処の子だったかしら?」


手元には東城教官からの指令書があるのでそれを読み上げると、内容は以下の通りだった。


「今回は14訓練大隊所属の分隊員4人の予定だそうです。どうやら東城教官がボソッと「好成績の分隊には44分隊のメンバーの誰かと交流訓練出来るように申請してやるんだが…」と言ったらしくて、お陰様で競争率が激しかったそうです。更にこれはこれから来る人にはサプライズだそうですよ。メイちゃんは1日教官だから一言話すこと!だそうです」


「「流石芽衣ちゃん」」


「芽衣お姉ちゃんだからね!」


すると待機している教官室の入口付近から賑やかな女性達の話し声が聞こえた。


「さくら先輩1やはり芽衣ちゃんはオアフ島に舞い降りた天使なんですよ!!」


「分かってないなぁ詩緒ちゃん。芽衣ちゃんの儚い可愛さもいいけど、日向ちゃんの弾ける笑顔には負けるね!」


「隊長…ドⅯ…」


「皆さん!私語をしてると東城教官に叱られますよ…。気を引き締めないと…。訓練頑張って二人に会いましょう!」


多分例の4人かな?しかし妹達は人気だなぁ…。どうやらいつも通りの並びで教官室前に待機しているようだった。そしてメイちゃんは待機している教官室から出て、東城教官からの指令書に書いてあった任務をしに行った。


「おはようございます。1日教官の黒井芽衣なのです。皆さんが頑張ったご褒美に私達44分隊4人とヒナちゃんが今日1日訓練に同行するのです。…でも私は戦闘技術は教えられないのです。だからここにいる分隊員のみんなに教えてもらって欲しいのです」


「44分隊隊長、間宮日穂よ。あたしは戦闘技術を教えるわ。正しい動き方や攻撃の仕方が分かれば絶対に死なないわ。大変かもしれないけど貴女達なら大丈夫と信じてるわ」


「同じく副隊長の南小梅だよ~。狙撃が専門だけど今日は射撃全般を担当するからよろしくねぇ。パニック状態でもアイク達を撃てるようになるまで頑張るよ~」


「44分隊の偵察役兼戦闘工兵の黒井六花です。…僕の仕事は?「的かしら?」「サンドバッグかなぁ?」「偵察の仕方がいいんじゃない?」「それがいいのです!」だそうです…」


「アシスタントの黒井日向だよ!」


目の前の4人は緊張からかピクリとも動かない。…じゃなくて気絶してる。おーい。もしもし?しばらく目の前で手を振っていたり、声をかけていると二人が崩れ落ちた。


「芽衣ちゃんの後ろに白い翼が見える…」


「日向ちゃんまで…。ここはエデンの園だったのか…」


えぇ…そこまで嬉しいのかなぁ…?うちの妹達は可愛いからなぁ。そう六花が心の中で自慢していると残りの二人が口を開いた。


「流石にドン引き…」


「私達夢でも見てるのでしょうか…。痛っ!夢じゃない…」


「じゃあそちらも自己紹介頼むわね」


すると崩れ落ちた2人が背筋を伸ばして列に戻った。初めは一番年上と思われる背の高い子だった。


「14訓練大隊所属、第6小隊所属24分隊隊長五十鈴さくらです!担当は機関銃手です!」


背が高いなぁ…。僕も背は高いはずなんだけど上はいるなぁ。


「同じく副隊長の北島詩緒です!通信手です!


金髪かぁ…。髪の色が厳しい自警団ではなく志願か召集か、どっちだろう?


「同じく二階堂涼花…。衛生兵兼選抜射手です…」


芽衣ちゃんほどじゃないけど背が低い。そして15㎝位のアホ毛が左右に揺れてる。


「同じく塩原唯です。この中では最年少の15歳で偵察と工兵の役割です…。」


塩原…。懐かしい苗字だなぁ…。塩原、生憎僕はそっちにいけないなぁ…。もっと考えて行動していたら今でも3人で遊べたのかなぁ…?そして多分彼女は妹だろう。パトロール中に家に帰ると抱き着いて離さないから邪魔で仕方ないって嬉しそうに話してたっけ…。


「じゃあ質問タイムとしましすかぁ~。訓練と言ったってこれはレクリエーションだからねぇ」


南先輩はそう言うと、こちらを見て誤魔化すように笑っていた。何か思惑があるんだろう。すると2人が同時に質問しだした。


「「芽衣ちゃんと日向ちゃんとのツーショット写真お願いします!」」


「まぁ…いいですけど…。それでいいのです?」


「分かった~!可愛くとってね!」


4人は仲良く射撃場の休憩所に向かっていた。すると先程の二階堂ちゃんから声がかかった。


「あの…うちの唯ちゃんが絶対に勝ち取ってあなたと話をしたいと言ってた…。だからこっち来て…。他の人には聞かせられないから…」


「分かった。唯ちゃん、じゃあこっちでいいかな?」


僕ら2人はは射撃場の端に行き、そこで話すこととした。


「あの…自警団の伝説、水無月先輩ですよね?」


「英雄ねぇ…。そうだよ。最近黒井家の養子になってね」


「なら大丈夫です。先輩はお姉ちゃんの事を知っていますか?もし知っていれば教えてください。姉はマフィアとの争いで亡くなったと聞きましたが本当ですか?自警団員だった人も知らないとしか言わないので」


塩原汐里の妹か…。なるほど姉の事を知るために志願したのか。まぁ…僕と如月さんと先輩達以外の誰も彼女の亡くなった過程は知らないだろう。


「塩原…。いや汐里ちゃんの事かな…?知ってるよ。自警団員の時から死ぬまではね。でも僕から質問だよ。君は聞く覚悟はできてるかい?」


「覚悟なんてあの時からできてます。聞かせてください!お姉ちゃんはなぜ死んだのですか!」


いずれはこういう日が来るだろうと思っていた。


「…まず僕らは仲がいい姉妹のような関係だった」


もう一人佐藤と言う子がいて3人はいつも一緒いたこと。パトロール中におしゃべりしながら歩いたこと。マフィアがらみの事件の時に飛び出して行くからよくしかられたこと。悲しい時は慰め、楽しい時は一緒に笑ったこと。そしてあの反乱がおこったこと。


「そしてこれは公表されていないある1人の少女が引き起こした事件。自警団の反乱の話。その少女は人とは能力が違うから成績が良かった。周りからも注目されていたけど彼女は正義感で動いていたため彼女は目の前の敵だけ見て後ろの味方を見なかった。だから彼女への嫉妬や妬み、劣等感に気付かなかった。だからある時マフィアと協定を結んだ団長がそれを煽って反乱を起こした。少女対反乱者達の戦争が始まったんだ。汐里ちゃんは反乱に加わった佐藤を説得しに行った。でも佐藤はもう壊れていたんだ。いや、壊してしまったかな?汐里ちゃんには「良く後ろの仲間を見て動きなさい!それじゃああなたは一人ぼっちになるわよ!」なんて怒られたけど、いつも汐里ちゃんの言うことは正しかったなぁ…」


「どういうことですか?自警団の反乱なんて聞いたことないですよ!まさか関係者は逮捕されたから話が出ないとかですか?」


「軍所属の警察組織がマフィアとつながっているなんて公表したら権威がガタ落ちでしょ?だから今の司令来るまでは軍自体が隠していたんだよね。今は軍も解体されてレジスタンスになったついでに自警団も独立組織にしたから今の隊員のほとんどは新人かあの事件にかかわったけど命令されて動いた子か不参加者かな?だから汐里ちゃんの事を知っているのは説得に付き添った人間と佐藤と…。僕だけ」


「じゃあお姉ちゃんは何故死んだんですか!説得って言ってましたよね!?」


「撃たれたんだ。半狂乱の佐藤にね…。理由は好きな人が振り向かず、更には僕に好意を抱いてたと本人から聞いた。塩原は僕の居たときにはもう息を引き取っていた。今でもあの時の顔が夢に出るよ…。あの何でと言ってるような顔がね」


「じゃあ隊員のほとんどは死亡したのですか!?佐藤さんは何処にいるんですか!?」


「この事件での死者は4人。須原団長、担がれた反乱のリーダー、汐里ちゃん、そして佐藤。須原団長とリーダー、佐藤は僕の手で死んだ。みんな僕の死を望んだけど生憎これだからね」


僕はハンドガンを抜き、頭に突きつけた。


「駄目です!早まらないで!


パァン!!銃声もマズルフラッシュも発生してるし弾も出てるけど僕は死なない。もう僕は死を失ってるから。傷口を直していると唯ちゃんが腰を抜かしていた。


「嘘…。生きてる…。何で」


僕が自害をしていると南先輩こちらに来て、昔話風に話し始めた。


「とある少女達は死ぬ直前に願いました。1人は妹達の生存を、1人は愛する人の命を救うことを、1人は姉を守る力を。1人は己の生存を、1人はどうせ死ぬならと友人への償いをしたいと。そしてかなえる代わりに人間のパーツを奪って行きました。それぞれ死ぬ事、成長すること、理性を持つこと、アイデンティティ、欲望を持つこと。それをなくした少女達は集まって補い合うことになりました。おしまい」


「いくらやろうとも汐里ちゃんの所にも佐藤の所にも行けない。狂うにも心も体も死ぬのは許されない」


「以上だよ。汐里ちゃんのことで恨むなら恨むといいと思うよ。好きなだけ六花ちゃんの事を殺そうとするといい。復讐をするのは悪いことじゃない。私等もしたしね」



後半に続く!!

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