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定期健康診断

虫食います。人外生まれます。芽衣ちゃんは可愛い(圧力)

「へっしょん!!」


くしゃみが出るなんてなぁ。ほとんど風邪をひかないのに、誰かが噂してるのかな?とりあえず食べないと…。朝早くから房総半島に飛ばされて、今は袖ケ浦市内の廃墟で偵察任務しているけど、不意打ちしてきたアイクを倒したら能力のエネルギーが無くなるとはなぁ…。六花はカマキリ型から緑色の筋繊維をちぎり取って食べていた。理由は2つ。まず不意の遭遇で怪我した先輩達の治療の為に自分の携帯食糧はメイちゃんに食べさせたのでエネルギー補給源として食べれるものがこれしかない事。2つ目はある時食べてみたところ悪くない味だったことである。


「大丈夫なのです?」


メイちゃんは携帯食糧を食べながら先輩達の治療していた。先輩達は姉妹を見ながら六花の所でうわっ…という声を出した。


「誰かが噂してるのかな~。多分」


多分悪い噂だろうけどと六花は考えた。むしろそれよりもエネルギー回復を急ぐためアイクの死体から筋繊維をはぎ取って食べていた。アリ型やカマキリ型をある程度平らげるため手を動かしていた。


「相変わらず素材が取れたアイクは水無月君…いや六花ちゃんのおやつなのね…」


顔が引きつっている間宮先輩は呆れと驚きが混ざったような声色で言った。


「おいしいの~?」


相変わらずのマイペース南先輩は味の事を聞いていた。


「マグロの刺身みたいな味ですね」


「あたしは遠慮しておくわ」


「そうですね。間宮先輩の言う通りにしておくのがいいですよ。何が入っているかわからないですし」


アイクの体についてはあまり研究が進んでいない。何故なら死体は外骨格を除いて3時間で腐ってしまう。これは体内の成分説や未知の細菌説があり、こんなのを食べるのは常人の考えではないが、彼女は死なないので時には醬油をかけてフグを丸かじりしていることもある位食に関して頓着してない。精々あるとしたらいかに安全でおいしいものを妹達に食べさせるかだろう。


「「普通は食べようとしない」のです!」


『44分隊。帰還せよ。君たちの健康診断があることを忘れていた』


『ふざけんなお父さん。さっさと迎えをよこせ』


突然無線であほらしいことを言うから優しく応答した。親父ではなくお父さんと呼ばないとうるさいのでお父さんと呼んでいるが、こっちのお父さんも軍人とはなぁ…。



ヒッカム航空基地 中央病院


「さて!健康診断のお時間よ」


病院に行くとやつれた如月さんと葉月姐さんと日向がいた。やつれているのは訓練生の健康診断をこなしてきたからで、葉月姐さんは何故いるんだろう?日向は…健康診断か。


「葉月さんは何故いるのです?」


「そこの六花ちゃん(ブラックボックス)の為よ」


ブラックボックス…。何か僕だけ扱いが違うんだけど…。


「まずはひーちゃんからね!」


間宮先輩が血液検査や身長体重や診察を受けていたが、如月さんが驚きの声をあげている。


「体脂肪率9%!ボディビルでも始めるのかい?」


「乙女にいう事かしら?」


「ひーちゃん?ゴリラでも10%だからね」


相当筋肉ムキムキマッチョオネェだったらしい。まぁ…確かに間宮先輩腹筋バキバキに割れてるから。



「次は小梅ちゃんの番だよ」


「私少し太ったんだよね~」


「どれどれ…。太って13%だと!?もっと食べなさい!」


「お腹が空かないも~ん」


「何なら食べる気になるの?」


「黒井4姉妹の手料理!」


南先輩は基本的に家でしか食べないし、携帯食糧も間宮先輩がねじ込むくらいだからなぁ…。基本任務以外動かないから太りそうなもんだけど…。



「日向ちゃん…。君はかなりのお手本みたいな健康体だね」


「えへへっ!」


「でもこの年にしてはやせてるからよく食べるんだよ」


「はーい!」


流石我が家のおてんば娘。まぁ…元気なのが特徴みたいなもんだし。



「芽衣ちゃん…。身長は諦めなさい」


「まだなのです!のーびーるーのーでーすー!」


「去年も同じ位の値だからなぁ」


「0.1㎜伸びたのです!」


諦めなさい…。成長はもう来ないから…。でもすねたメイちゃんも可愛いなぁ。



「さて、人間びっくり箱の開封よ」


「やりたくないんだけどね…」


「僕の事を化け物扱いするのはやめてくださいよ!」


何で防護服を着るの!?注射器刺すのが速い!あれ?血液って黒光りした金属光沢のある液体だっけ?もっと赤黒い色だと思うんだけど?


「これって血ですよね?」


「解析中よ……出たわ!未知の化学物質40種類と不明の寄生虫の卵16種と鉛化合物、水銀、クロムetc。その他多くの金属化合物や有毒な無機化合物が確認されていて、有毒な有機化合物も含まれてるわ。1mlの血液だけで数十人は殺せるわよ」


「化け物じゃないですか!何でこうなったの!?」


3人は思った。「多分アイクを食べてるからでしょうね」と。そしてその後の葉月さんの発言で如月さんが気絶した。


「寄生虫本体は六花ちゃんの栄養になってるみたいね。しかも炭素と酸素と水素と窒素とリンがそろえばATPを無理やり作れるみたいね」


凄いや!人間やめてしまったなぁ…。あっ!血液からもリッカーズは生成されるのね…。


「どっ、どんな身体でもりっちゃんはりっちゃんなのです!」


「メイちゃん!大好き!!」


「お姉ちゃんだけずるい!」


僕はめでたく人外になりました。やったね!〈やけくそ〉



「姉妹の仲の良さは分かったけど、あれどうするの?」


「湧き出てるわね…。リッカーズ」


テーブル上の僕の血液入りの器からリッカーズが生成されて床一面に並んでいた。如月さんはリッカーズに運ばれてベッドに乗せられてるけど、推定1000体はいるよね?


「本体から離れた体組織が酸素に触れるとリッカーズが出てくるの忘れてた!テヘペロ♪」


葉月姐さん…。


因みに基地内には人より多いリッカーズがうろついています。踏まれようと蹴飛ばされようとピンピンしてるし、むしろ海に叩き込まれるので気を付けて歩いています。

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