表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/144

メイちゃんとデート 中編  

過去編が混ざってるけどこの後の展開を出すためだから許してくださいorz


秋雲さんは割と距離を取って撮影等を行うそうだ。今も車両の後ろの席に居る。ここには先輩のパシリで来ていたそうで、これで給与が上がると言っているけどそこまでのスクープなのかなぁ。


「今から中央病院に行くのです。そこの院長先生はりっちゃんを良く知っている人物だと伺っているのです」


自警団関係かな。問題はあの時どこについていたかで変わるけど。医務スタッフは多かったしなぁ。そう考えていると1つの村のような大きさの建物が現れた。そこがレジスタンス中央病院であって、メイちゃんの仕事場で僕に1番縁遠い場所でもある。多くの科と入院病棟とリハビリテーション施設があるそうだ。


「院長ねぇ?何処であったっけ?」


「話があるらしくて、詳しくは本人が来てから話すと言っていたのです」


確信した。自警団時代の人だろう。そして知り合いというと二人しかいない。多分そのどちらかだろうと踏んだ。駅に降りて渡り廊下を歩くとエントランスに出たが、そこは怪我人で埋め尽くされていた。今日は基地別合同訓練の日で僕らは参加禁止。先輩達がふざけて多数の怪我人が出たかららしい。全く僕を見習って格闘戦のみのハンデにすればよかったのに。


「そういえば基地別合同訓練の日だったのです。今年はふざけて弾丸を避けて格闘戦で骨折者を激増させる人がいなくてよかったのです」


「ダレノコトカナー」


「私の姉の水無月六花という人なのです」


メイちゃんのジト目を横から感じるけど気にしない、気にしない。すると前から若い医師が多くの部下らしき人に連れられてぶすっとした顔で歩いてきた。そしてメイちゃんは治療してるけどそれお金をもらってやらないといけないんじゃ…。そのために雇われてるんでしょ?すると若い医師は顔色を変えて走ってきた。


「これはよくできた幻覚だなぁ…。可愛いし、幻聴まで聞こえれるし」


「はにゃぁ!本物です!五月芽衣本人なのです!」


「うわぁ…。よく見たら六花ちゃんまで…。研究論文に今回のことをまとめなきゃ」


まとめる前に一度眠ったほうがいいんじゃ…。よく見たらその医師は自警団専属医だった如月さんだった。相変わらずひょろ長い身長と幸薄そうな顔。そして寝不足なのか目の下に大きなクマがあった。この人は昔からこうだった気もするけど…。


「本物と幻覚を間違えるほどの状態とはいかに…」


「本物のはずはないよ~。本人は僕には会いたくないだろうからね。塩原ちゃんを見殺しにした奴なんか」


やはり関係者だったのか。しかも僕の知らないことを事細かに覚えているはずだ。これは僕の過去を隠さずメイちゃんに伝えるチャンスだろう。ここを逃したら一生メイちゃんに隠し事をしていることになるだろう。それは嫌だ。


「詳しく聞かせてもらえますか?」



僕はメイちゃんを連れて応接間にて話を聞くこととした。


「まさか、本物だとは…。僕を軽蔑していないのかい?六花ちゃんとあの子達を見捨てた奴を」


「話してくれた内容によります。父からは団員達の説得をしていたと聞いていたので」


「失敗したけどね」


「話してもらえますか?」


「妹さんはいいのかい?聞かせたくはないような話だろう?」


「メイちゃん。これから話すのはかなりきつい話になるけど聞いてるかな?」


メイちゃんは真剣そうに頷いた。それを見て如月さんは僕に背景や人物について説明するように言った。


「メイちゃんがここで働いてた頃、僕は自警団に入っていた。そこでは班ごとに分かれていて。僕等は治安維持のための部隊の1班だった。メンバーは塩原と佐藤の二人。二人とはすごく仲が良かった。いつも一緒で仕事をし、銃弾をかいくぐり、怪我をしたら如月さんの所に運んで付きっ切りで看病して。遊びに行くにも常に一緒だった。その時自警団は須原団長によって仕切られていて、僕の能力のことで須原団長は調べて報告すれば昇進か何かがあったのか、良く質問攻めにあったからいつも適当に返していた。だからか無理にでも聞こうと奴は手段を変えたらしく僕を長期の遠征に出したというところまで分かればこの後の流れは直ぐに理解できると思う」


「知らなかったのです。でそれのどこがきついのです?」


「芽衣ちゃんは自警団暴動の事は知ってる?」


「マフィアに買収された派閥と反マフィアの団員が武力衝突して沢山の怪我人が出たけど死人は居なかったという事件の事だと言われてるのです」


やはり改変されて伝えられてるか。まぁ…軍幹部がマフィアとつながっていたのは公表できないからか。


「その事件の1番の関係者が六花ちゃん。芽衣ちゃんのお姉さんだね」


「どういうことなのです?」


「その話をしよう。六花ちゃんを長期の遠征に出した後、須原団長はマフィアと六花ちゃんがつながってることを演説した。当時16~20歳の年長組はほとんど相手にしなかったが、怪しく思って団員達に説得を試みたがやはり下の層が須原団長の口車に乗せられて反乱を起こそうとした。要求は水無月六花の殺害及び捕縛。やばいと感じた年長組は僕と一緒に説得したが聞き入れずに決行されて、僕等は安全な黒井大佐の部隊の宿舎に避難したが1人だけ避難を拒否された。それが六花ちゃんの親友の塩原ちゃんだった。彼女は同じ班の佐藤ちゃんを説得まで避難できないと言ったので、護衛で僕も付いて行った。その時の佐藤ちゃんは異様だった。彼女は活発で明るい性格だったのがぶつぶつ独り言を言いながら焦点のあってない目をしていた。それは須原団長によって洗脳された後のようだった。塩原ちゃんは説得を続けたがここで事件が起きた。塩原ちゃんが佐藤ちゃんに撃たれて倒れた。助けようにも拳銃を向けてきてとてもそれどころじゃなかった。だから僕はその場から逃げた。これが僕の知ってる話」


「じゃあ…。死人が出てないというのは嘘なのです?」


「この事件では4人が亡くなっている。ここからは六花ちゃんの方が詳しいのではないかい?」


僕はこれから味わった悪夢をもう一度思い出しながらようやく出た声でメイちゃんに真実を話した。


「ここからは僕が話す。騒ぎに気付いたのはやけに笑顔な須原団長が車で迎えに来た時だった。彼は反乱の内容や要求は僕ということ。能力を詳しく教えれば助けるという事を話した。しかも自分がマフィアとつながっていることやマフィアに病院の襲撃を指示した事を自白していたのでそれも胸元のボイスレコーダーに録音されてた。僕は話しても話さなくても殺されるかひどい目に遭うと考えた僕は須原団長を殺してこの事態を終息させようとした。だから町に帰って反乱メンバーを手足を撃って無力化しつつ本部に向かった。本部では主犯格がいて例の音声を流すと全てを悟ったようで僕が退出しようとすると自殺した。そして班の待機場所に入るといきなり撃たれた。体質上死なないので痛みを感じて前を見ると、血だまりの中の塩原と驚いた顔の佐藤がいた。佐藤は正気でない目で好きな人に振られた理由は僕がその人の好きな人だったからという事や、僕がいなければ新しい生活が始まると言っていた。その時は絶望を与えられたと同時になぜこのようなことになるまで気づけなかったのかという後悔を感じた。彼女はぶつぶつと何か言いながら発砲したけど僕は死ななかった。そして僕は壊れてしまった彼女を殺した。そして親父の管轄している粛清部隊へ編入されて今に至るってわけ。そして時々先輩達と遅くに帰ってくるのはメイちゃんに見せられないような任務の為なんだ。メイちゃんには人殺しのレッテルを張りたくはないし、これは僕達のエゴだけどメイちゃんには綺麗な手でいてほしかった。僕達みたいな血みどろの手ではなくて。許されないだろうけど本当にごめんね」


メイちゃんは少しうつむいていて、何を言われようと僕は甘んじて受けようと覚悟していた時、抱きしめられて頭に手を置かれた。そのままメイちゃんは頭をなでつつこういった。


「もう…。りっちゃんはいつも私の事ばかり考えてるのです。大事なのはいいけどもっと頼ってほしいのです。私達は姉妹。だからこそ今は4人で一つなのです。無理に全てを抱え込んで微笑まれるより、たまには私に任せてほしいのです。確かに頼りないかもだけど、これでも、五月家長女なのです!」


「養子縁組される予定だったから僕が長女だけどね」


「まだ受理されてないから私が長女なのですぅ!」


全く…。僕が話したくなかったのは素直に嫌われるのが嫌だったからだと言えなくて誤魔化すところは反省しないとな。そう考えてるとメイちゃんは悪い笑みで近寄ってこう耳の近くでささやいた。


「そんなことでりっちゃんのことを嫌いになるとでも思ったのです?」


「メイちゃんの馬鹿ぁ!」


「いつものやり返しなのです!」


やっぱりメイちゃんには勝てないなと思った。でも何だか心が軽いような気がするのは何故だろうか?僕はもう人を殺しても平気な怪物になってしまったのだろうか。それとも安心したからなのかは僕には分からない。



芽衣ちゃんも殺してはいないが多くの患者と向き合ってるし軍人なのでこのような形で人を殺したぐらいじゃ姉妹の絆は切れません。一番姉妹の仲の危機があったのは寝てるときに蛇をお腹に置かれていた時だそうです。1週間口を利かずにいたところ六花が首を吊ろうとしたため危機は回避しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ