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生物班視点 小競り合い

グロテスクな表現(予定)頑張るぞい!

生物班全員は今、セスナにしては速すぎる飛行機の機内にいた。しかし空気が重いというか何というか…。間宮先輩は目に見えてイライラしているし、メイちゃんに至ってはプンプン!といった顔をしているし、南先輩は…。流石!寝ていらっしゃる。マイペースだなぁこの人。


「何でこんなに大規模な奴が来るのかしら!」


「カンノーリとかいうのが食べたかったのです!」


あのコーヒーブレイク中に無線が届いて、鴨川で大規模な攻勢が来たから制圧して来いという命令が下ったので、休みを邪魔されて怒る間宮先輩と、病院でのアルバイトの後に取っておいてもらったカンノーリを食べ損なって怒っているメイちゃん。平和だなぁ。


「ふぁぁ…。仕方ないんじゃない?どうせカメレオン型のせいで追い出された奴らが戻ってきただけだろうし。カンノーリならここにあるよぉ」


「そうね、仕方ないわね」


「カンノーリなのです!」


メイちゃんはむしゃむしゃというかはむはむと聞こえてきそうにカンノーリを味わっていた。しかし南先輩はなぜ機内にカンノーリを持ち込んでいたのだろう?


「そんなことよりもそろそろ着く頃じゃないの?」


『はい!そろそろ降下お願いします』


「じゃあ行くしかないわね」


「行きますか」


「はいはーい」


「はんはるほへふ(頑張るのです!)」


メイちゃんはまず口の中のものを飲み込もうよ…。あーあ、ハムスターみたいになってるし。



日本 房総半島 鴨川


「しかしひどい光景ね」


「えぇ、そうですね」


そこには吹き飛ばされた蟻型とカマキリ型の死骸や大きな穴があるコガネムシ型の死骸。ちぎり取られたり切り裂かれた隊員達の遺体や腕や脚、内臓や血痕がそのあたりに散らばっていて、ここが激戦区だとはっきり浮かび上がってくるようだった。


「こんなのは小笠原諸島攻略戦の時以来なのです」


「あれは抵抗の跡もないほどだったけどね~」


「メイちゃん!この人達はまだ生きてるみたい」


「なら!パパッとやっちゃうのです!」



数十秒で4人の隊員は起き上がってきた。どうやら彼らは自分たちを見て驚いてるようだった。


「あれ?ここは?あっ!芽衣ちゃんっす!お久しぶりっす!」


「畑中さんがしぶとくてよかったのです」


「あら?知り合いかしら?」


「畑中さんはいつも爆弾解体を間違えて爆発して、病院に担ぎ込まれてきたのです」


「あぁ!メイちゃんが言ってたダイ・ハードな人!」


メイちゃんがいつも何であの怪我で意識があるのかわからないと言ってた人か!と納得していると後ろのおっさんに見覚えがあった。


「あれ?伊藤のおっさん?」


「懐かしいな水無月のあんちゃん!鬼ごっこぶりか?」


「あの時はうちの妹が暴れてましたね」


「言ってた鬼ごっこ仲間なんすか…。」


「そうだぞ!鈴木は自警団員時代ぶりか?」


鈴木?いたっけそんな人?…。あ~!あのひたすら逃げてたチキン鈴木だ!


「チキン鈴木!」


「やめろぉ!」


「俺だけ知り合い居ねぇなぁ…」


「「教官の顔を忘れたの?」かしら?」


「げっ!間宮の姉貴と南教官!」


「昔みたいに基地1周マラソンも待ってるわよ」


「ワンホール当たるまで帰さない射撃教練もあるけど?」


少し前まで教官として東城さんの手伝いしてたんだっけ?僕はその頃自警団員としてマリアと戦っていたけど。


「それは置いといて、何があったのよ」


「アイクが襲撃してきたから俺らはここに食い止めに来た。しかし歯もたたないから撤退してここにいたっていう状態だな」


伊藤のおっさんが答えてきたが、あのアイクが押し寄せてるのが鴨川の基地だよね。僕達はおっさん達を回収してもらうため信号弾を撃ってヘリを呼んでおきつつ、アイクの殲滅に向かった。


基地の周りにはコガネムシ型やカマキリ型が押し寄せてきていて、基地の隊員も微力ながら攻撃をしていた。そこで、ミサイルを持ってるメイちゃんと南先輩がコガネムシ型で間宮先輩と僕はカマキリ型を狩ることにした。


「うげっ!ここまでいると気持ち悪いわね」


「いつも見てるから少し少ないとは思います」


カマキリ型は隊員達のアサルトライフルでもダメージは出るから倒したんだと思う。しかしコガネムシ型はいっぱいいるな。軽く400ぐらいかな。とりあえずミサイル誘導ビーコンを数匹につけて置いた。


「カマキリの鎌は折るの無しにしてくださいね?」


「分かってるわよ!シチリア重工様に卸すわよ!」


間宮先輩はカマキリ型の動きを読みつつ的確に脳を潰していた。僕も負けじと大太刀をふるうが、何だかカマキリ型の動きが遅い。考えたくはないがいっぱい人間エサを食べたからかなぁ?そんなおぞましいことを考えつつ、鎌や脚を切り取って頭を切り取って着々と殲滅をした。どうやらコガネムシ型も減ってきているようだ。



「コガネムシ型はねぇ。口元の所から弾を通すと傷なしで外骨格が取れるんだぁ」


もちろんそんな芸当ができるのは彼女だけだが、今でもこの技の後継者育成には余念がないとか。


「セミオートマチックライフルだからすごい処理スピードなのです!ビーコンが付いてる個体にはこうなのです!」


芽衣ちゃんの背中のミサイルポットからミサイルが飛んで行った。それはコガネムシ型に当たると小さな穴を開けて内部に入って爆発した。このミサイルは徹甲榴弾になっていて、装甲に穴を開けて中で爆発させる仕組みだったようだったが、一般隊員はコガネムシ型とほとんど戦わないのでお蔵入りになりかけていたものの改良版だった。しかし生産はほぼしてない模様。


「すごいねぇ。私もレーザー誘導式のミサイルを申請しようかな」


後に葉月さんと平賀さんが大忙しになる事はつゆ知らずそんな呑気なことを話しながらコガネムシ型は狩られていった。



カンノーリを作ろうとして料理スキルが足りなかったのを思い出したのでレベルアップしてスキル振ってきます。

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