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とある少女の追憶と可愛いおばあちゃん

新キャラで日向用ツッコミ役のキャラの濃い子が欲しい!で、新しい子作りました。

私は長い時間を生きてきた。それは人としてでなく1振りの刀としてだったが、それでも私は意思があった。そして今、人として生まれ変わったところだ。


「お目覚めですか。椿姫さま」


「うむ、懐かしいな。お初よ」


「今は葉月という名前です」


「そうか!良い名だな!ところで我が家の58代当主の者は助けたのだろうな?」


「芽衣様の事ですね」


「違うな!あの真っ直ぐな目をしたおのこのことなのじゃが…。私を使って姉妹を守ったものじゃ!」


「その子はもしかして黒髪の短髪ですか?」


「そうじゃ!」




私は第15代五月家当主の五月忠吉さつきただよしの長女の椿として生まれた。父上はいつも領民想いで私への武芸の訓練以外はやさしい人だった。そのおかげなのか甲斐の国では武田家に頼られるほど米が収穫できた。その頃はとても平和でこんな日常が当たり前だと感じていた。そして小太郎が生まれたときは嬉しかったものだ。しかし、12歳の夏に隣の領地の兵がこちらに進軍していた。使者は斬り捨てられて、要求は領土全てを明け渡せと言うものだった。五月家は兵を集めるも500人と1600だと圧倒的に壊滅するだろうと皆言っていた。そして善戦するも数の力で屋敷まで敵が来ていた。外では刀がぶつかる音と叫び声が聞こえていた。


「姫様!大変でございまする!」


「お初!慌てるでない。今からでもいいから床下の通路から小太郎を逃がせ!」


「姫様は?」


「父上から貰った家宝の桃木丸とこの弓で父上の自害と小太郎の避難の時間を稼ぐとしよう」


「いけませぬ!お父上は決して子供達に何かがあってはいけないと言い残しております!」


「よい!私とて武士の子。潔く散るのが誉れ!」


「…分かりました。私もご一緒します」


「そうか!共に死地を行こう!」


「御意!」


それからは矢が尽きるまで弓を射り、近づくものは斬り捨てた。しかし私も胸に矢を受けて動けなくなってしまった。


「お初か…我儘なのだが…最後にいいか?」


「はい!なんでしょう?」


「この…刀を…小太郎に渡して…くれないか?」


「御意!…必ずや届けます!」


「そうか…たの…ん…だぞ…」


そこで意識は途切れた。次に意識が戻ったのは私の墓前であった。どうも守りたいという思いが伝わったのか、刀に憑依した様だ。


「これは!姉上の刀の桃木丸!お初、これは?」


「椿姫さまの遺言でこれを渡せと」


「そうか。この刀からは何だか暖かいものを感じます」


そこから私はずっと五月家の事を見守っていて、持ち手の心が私のいる空間に反映された。小太郎は五月家の屋敷を取り返して、良い領主として君臨した。23代当主は自分の為なら人を裏切るような人間だったので帯刀した時に貫いてやった。これが問題となり、当主は私を問題なく帯刀できる人となった。そして桃木丸は私の行動で「妖刀紫陽花」という名前になった。持ち主が悪の心を持つと青みを帯びた刀身が血で赤く染まるからということらしい。それからは徳川家を支援する為に大阪や関ヶ原に行ったり、新政府軍の休憩地として開放された五月家の屋敷に指揮官が寝泊まりしたこともあった。廃刀令の際は町で帯刀しなければ持っていてよいと特別に許可が出た。その後は当主だけでなく五月家の者は3歳を迎えると私を持って、健康祈願をした。いや、私刀だから拝まれてものぉ…。武士から軍隊一家となった五月家は、私を長男の持ち物として海の向こうに連れていかれた。もう鉄砲とやらが良くなって、刀は使わないのだが、私を持つと弾に当たらないということで重宝していたようだ。で私はいつの間にか子供の儀式のとき以外は誰も触れなくなった。寂しく手入れされず朽ちるのかと思ったとき。ある男が来た。その心は真っ直ぐで大切なもの守りたいという思いをしていた。私はこの男に自分を重ねてしまった。だからその男を主人と認めて、共に戦ったのだが、悔しいことに折れてしまいその男を守り切れなかった。しかし、懐かしい顔と会った。


「お主は…。お初か?」


「貴女様は!もう会えないのかと!」


「しかし、ここは何処じゃ?やけに白い部屋じゃのぉ」


「はい、ここは魂が集う所でございます。私はあの後貴女様を探すためこの地を収めておりました」


「そうか…。心残りはあの男にあえないことじゃのぉ」


「蘇りたいですか?」


「もちろんじゃの」


「ここに五月家の3姉妹とその良い友人となるだろう者の人たるものがありますが、これを飲み込んでいただければ貴女様は人間に、私も追放されて人間に戻ります」


「そうじゃの…。私は五月家の血を守ったあの者に会いに行く!」


「ではこちらを」


「しかしこの二つは苦いのぉ。丸のみでいいかの」


「準備できたようですね!さて行きましょう」



葉月研究室 地下培養室


「新しい体はどうです?」


「悪くはないが、ちと小さすぎないか?」


「恐らく死の玉と成長の玉を丸呑みしたせいでしょう」


「噛めとは言わなかったではないか!」


「普通はキンカン程のものは噛むと思いましょう!」


「まぁ良い…。でだ、その男はいずこぞ」


「あの子は女にございます」


「何じゃとぉ!」


「こちらでは五月椿として過ごしてもらいます。ご子孫様とは仲良くしてくださいませ」


「待て!女じゃとぉ!あれは男の目じゃ!」


「姫様も同じでございましたよ」


「むぅ。まぁ良い。で?この体は何ができる」


「あの時と何ら変わりません。お姿も声も永遠に」


「刀は、桃木丸は!」


「その58代当主水無月六花の刀の一部になりました」


「ならよい!」



ヒッカム航空基地内居住区 生物班寮


「今日からお世話になる五月椿なのじゃ!よろしくの!」


「「「「「五月?」」」」」


「姉妹にはいなかったはずなのです」


「黒髪で綺麗だね椿ちゃん!」


「はっ…ははぁ…」


「六花や、お主はあの刀を持つ以上五月家の第58代当主になるのぉ!そして芽衣!日向!五月家の系譜は見たことあるじゃろ!私の名前もその愛刀の桃木丸にも触っとるじゃろうが!」


「刀なんて儀式の日の刀…。まさか!」


「葉月メモ!彼女は第15代当主の娘で家を守っていた守り神の椿姫なるぞ!控えおろぉ!」


「ははぁ?なのです」


「ははぁ~」


「葉月研究室の培養液内の人骨って先代様ですか」


「そうじゃの!」


「七瀬の一家はその墓守だったのです!」


「まぁ、かしこまらんでも姉妹とでも扱ってくれぬか?」


「椿ちゃんなのです」


「ツバちゃんよろしく!」


「よろしくね、椿」


「はい!お兄様!」


五月家に可愛い妹兼祖母が出来たのであった。

次の話にはのじゃろり黒髪ロング美少女が普通になじんでいます。役目は大家さんというか日向ちゃんのサポート役です。

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