帰還と約束と長期休暇
頑張って賢そうな会話作りましたよ!解説は載せておきます。
ハワイ オアフ島 ヒッカム航空基地
「帰って来て直ぐ、いつの間にか広場の真ん中にあるどう見てもうちの戦車の前に来なきゃいけないんですか?葉月姐さん」
どう見ても堂々と日向1号と書いてあるけど、あれは遊園地の乗り物サイズのはずじゃ…。
「日向1号ということは中身はうちのヒナちゃんよね…」
「よく見たらパラボラアンテナとエアコン室外機付きの引きこもり用戦車だねぇ…。しかもWi-Fiも付いてる」
「戦車というより戦車っぽいキャンピングカーなのです」
「日向ちゃんの説得の為コガネムシ型の外骨格2匹分と平賀組の休暇と自警団員25人と隊員5名と東城教官とそこに吊るされてる黒井のパパが犠牲になってこれと日向ちゃんスマイルが出来ました!これぞ葉月マジック!」
犠牲が多い!そしてこのラインナップは地獄の鬼ごっこだよね。って吊るされてる!ゲートに吊るされてるよ、あの人!
「どうもみんなの追加任務がばれたようでね…」
で、あんなパン食い競争状態なのね。そんなことを考えていると、パン食い競争のパンから話しかけられた。
「お帰り、みんな!通常部隊の尻拭いさせて悪かったな!所でこの紐を解いてくれないか?」
何か言ってるけど気のせいかな?誰かさんのせいで休み取り消しだし。
「ナニカイイマシタカーセンパイ」
「イイエ、アタシハナニモイッテナイワヨ」
「ソウネェ、トリアエズハツキサンノトコロイコウカ」
「アノ、オバカナパパサンハイナカッタノデス」
そう、僕らはそこの吊るされている何かを見てない事にした。どうやらうちの姫様も出て来たみたいだし。
「みんな遅いよ!おかげで遊び相手がいなくて寂しかったんだから!」
「これからは休めるのです!ずーっと気が済むまで遊ぶのです!」
「日向。よくお留守番出来たね?偉いぞ!」
日向の頭をなでると凄くさらさらした感触と温かい体温を感じた。そして細まっている目がすごく可愛かった。
「姉妹だけずるいじゃない!私達も参加させなさいよ~」
「ヒナちゃんは温かいねぇ」
「小梅お姉ちゃん、苦しいよ~」
「小梅だけずるいわよ!私にもさせなさいよ~」
「そんなにほっぺをスリスリするととれちゃうよ~」
「ところでだが、紐をな?切ってくれないか?」
「「「「「長期休暇が欲しい」わね!」かなぁ」んだけど」のです!」な!」
「厳しいかなぁ…」
「そういうなら、ヒナちゃん!やっておしまいなのです!」
「ここには、例のもの(シュールストレミング)も用意してあるよ!」
メイちゃんが本気の目をしてる。多分感電しても治療する気だな…。あの形で姉妹水入らずの休暇が中断だから怒ってても仕方ないのかな。第2戦車大隊に戦闘の横取りもされてたし。
「まぁ、待て!無いとは行ってないだろ!」
「じゃあお休み貰えるのですか?パパさん?」
「だが兵は拙速を尊ぶとあってな…。今なら千葉は取れるんだ!」
「どういうことなのです?」
ははぁーん、小難しい言葉でごまかす気かな?
「分かりやすく言うと、作戦を練るのに時間をかけるよりは、少しまずくても素早く行動して勝利すべきという事ねぇ。メイちゃん」
「流石は東京軍学校進学のエリートだな!」
「百金を愛んで敵の情を知らざる者は、不仁の至りなりって言うけどねぇ」
「うぐっ」
「鴨川で第6戦車大隊以外は壊滅して歩兵も1大隊のみ。補充するにも制海権のない以上、空挺降下か館山に空輸することになるわよね。」
「それは…」
「で?まさか僕達に千葉県確保してくれないか?とか言わないよね?親父」
「あぁ…。もちろん」
「鴨川の隊員さんはみんな士気の回復の為、館山で待機してるのです」
「そ、そうなのか…」
「団長。あたしが言いたいのは勝つべからざるものは守なりよ」
「百里にして利を争えば、則ち三将軍を擒にせさるが私の意見ねぇ」
何かすごい難しいこと言ってるなぁ…。姉妹揃って?が浮かんでるや。
「むぅ…」
「ハイハイ!作戦会議もいいけど早く私に案内させてくれないかしら?葉月さん怒っちゃうぞー」
「さてと…。これはほっといて行くわよ」
「じゃあねぇ~。団長」
「じゃあ、親父」
「休ませないなんてパパさんなんて、嫌いなのです…」
「バイバーイ!」
「お願いだから地面に降ろしてくれー!」
<ガヤガヤ…。司令が五月ちゃん泣かせてたぞ…。取り合えずほっとこう…。写真撮っとこう>
さりげなくメイちゃんが爆弾を落としていったが、親父、石でも投げられないか心配だなぁ…。そして日向は先に部屋に帰った。
葉月研究室
「じゃーん!これがカメレオン型の皮からできたギリースーツだよ!仕組みは消えるよりは存在を目視では認識しづらくなるみたいね。」
「これ偵察にぴったりですね」
「私は隠れられるだけでもありがたいねぇ」
「相変わらずスキャンは出来るけど…。これどうやって本体を目視で見つけたのよ?」
「スナイパーは辺りの色も観察する。そして変わっているところは何かいるって訓練されたから」
「私が言うのもなんだけど、クレイジーね…」
貴女ほどではないと思うんだけど…。
「後は、これは水無月君専用装備よ!何と!カメレオン型の足の部分で作った滑らない手袋!」
「確かにものに吸い付くような滑りにくさですが…。何の為です?」
「「「水無月式脳筋爆撃用…」」」
「あら!よくわかったわね!」
「おかげで今回も小笠原諸島でも見ることになったわね」
「よく見ると爆弾とか砲弾が少しへこんでたからね」
「墜落した爆撃機とか放棄された砲弾とかを見て、りっちゃんが楽しそうににしてるのです」
「楽しそうじゃなくて、使えるかと考えてるだけです!」
仕方なく爆弾たちの後処理兼攻撃してるだけなのに…。
「で?どうするの?」
「ぜひ使います!」
「「「ですよねぇ」」」
その後、りっちゃんが嬉しそうに帰ったと妹は語る。
「百金を愛んで敵の情を知らざる者は、不仁の至りなり」とは情報を集める諜報員には十分な褒美を惜しまずに与えなさいという孫子兵法の1節。つまりは本文中では頑張ったから褒美寄越せですかねぇ?
「勝つべからざるものは守なり」とは、勝てないような戦力なら守ったほうがいいという感じの意味の孫子兵法の1節です。
「百里にして利を争えば、則ち三将軍を擒にせさる」とは遠征をして勝ちを急ぐと、兵のほとんどが捕虜になるだろうという孫子兵法の1節です。
調べたなんて言えない言えない…。