アイク掃討戦
最初だけモブ隊員視点です。戦闘描写研究中です。温かい目で見守ってください。
ある隊員の手記
8月16日
俺は今日初めて第44分隊を見た。彼女らは八つ当たりのようなことを叫んではいたが、戦闘はいつも俺らが相手する数の10倍はいただろうに何事もなかったかのように殲滅した。後で感想を聞くと何といつもより少ないと言う。ではいつも彼女達が戦っていたから、俺らはあの数で済んでいたのか?。とは言っても彼女達はまだ俺の娘と同じ年くらいだろう?能力があるから司令部は彼女達が死んでもおかしくはない任務を命令しているのか?その後、出撃準備をしている一人の分隊員の子に「なぜ君らはこんな任務を受けるんだ?いつ死んでもおかしくないじゃないか」と言うと彼女は儚い笑顔で「私が能力を持っているのは大切な人を守るためなのです。だから私達がこの手でみんなを守らないといけないのです。大切な人を守るためなら危険なんて二の次なのです」と答えた。その目はあの時、避難時間を稼ぐため戦いに出た先輩たちの目と同じだった。
日本 房総半島 館山
僕等に団長からの「今から木更津駐屯地跡までの道を確保してくれないか?」という追加命令が来た。いいのかなぁ?日向にしばかれると思うんだけど…。しかもあんな形だし、すぐ帰るって言ったしね…。
「これで休暇はしばらくお預けね。大丈夫かしら?ヒナちゃんが暴れてないかしら?」
「あ~。これは駄目そう…だねぇ。基地の無線をスピーカーで流すよ」
<お嬢がご乱心!レベル5!> <クソ!五月兄妹はいないぞ!> <所長を呼べぇ> <駄目です!所長の部屋にお嬢は籠城して、東城教官が人質に!> <司令は何処だ!引っ張ってこい!> <さっき説得しようとして電撃食らった後、臭いので有名な食材をフルコースで食べさせられて気絶しています!> <もうだめだぁ…おしまいだぁ…>
「「ですよね。わかってた」のです」
「私も察してたけどねぇ…。言いくるめられると思ったのかねぇ?」
「あたしは忘れてた。に1票」
「両方だと思うのです」
「無線が通じるからそろそろ来そうですよ」
すると、分隊内無線に通信が来た。
「お姉ちゃん達聞いてる?パパがひどいの!パパにお姉ちゃん達と遊ぶから出撃はさせないでって言ったら目の前で出撃命令出したんだよ!もう怒ったから気絶させて浮き輪付けて臭いの食べさせて海にポイしたの!今度は約束守るってこの紙に書くまで許さないんだから!お姉ちゃん達は出来るだけ早く帰って来てね!追加が来たら言って!じゃあね!」
「流石は姉妹。わかってらっしゃる」
「いつもより怒ってたわね…。大丈夫なのかしら?」
「余計なことまで言って旗竿に括り付けられると予想するのです」
過去最大に怒っているなぁ…。頑張ってね隊員達。
「さて!被害が拡大する前に終わらせるわよ!」
随分と歩いたが接敵はしなかった。今回の襲撃はこの前の生き残りで、まだ本隊は来てなかったのだろう。その為大変なのは暑さのみであった。
「まだ着かないのです?もう1時間は移動してるのですよ~!喉乾いたのです」
「GPS情報的に南房総市から鋸南に入るかくらいかしらね」
「どこなのです~」
「チバケン君の膝くらいかなぁ」
「木更津は何処ぐらいなのです?」
「お腹ぐらいかなぁ」
「遠いのですぅ…」
メイちゃんのこころに150のダメージ!こころがおれそうだ!
「メイちゃん?これでも飲む?」
りっかはよういしていたジュースをわたした!メイちゃんはげんきをとりもどした!
「ありがとなのです!」
「流石姉妹ね…。そこまでわかっているとは」
「どうせメイちゃんは疲れてこうなるとはわかっていたので」
「なるほどねぇ」
「リンゴジュースがあれば百人力なのです~」
太平洋側の隊員達は大丈夫かなぁ?戦車大隊が3部隊ついてきているなら多分押し切れるだろうけど…。それにしてもウチの妹は分かりやすいなぁ。でもまたぐずるかな?その前に戦闘があるだろうから平気だとは思うけどね。
「さて、無人機での偵察で鋸山山頂にアイクの本隊がいるわよ。こういう時普通は爆撃するんだろうけど生憎豆鉄砲レベルの迫撃砲しかないわね。」
何かあるかなぁ?と思っていたら途中に不時着してた爆撃機あったね!爆弾ありそうだなぁ。
「爆撃できればいいんですよね待っていてください!」
20分後
「お待たせしました!」
「水無月くーん?そのリヤカーにのっているのは私には空軍の誘導爆弾と空対地ミサイルに見えるけどさぁ、あの爆撃機まで行ったの?」
「えぇ!大量にありました」
「まさか、水無月式脳筋爆撃する気?その量なら結構出来るだろうけど…」
水無月式脳筋爆撃とは身体強化して航空爆弾やミサイルを投げるだけのお手軽攻撃。こういう時役立つからやめられない。
「鋸山が削れそうね…」
「では初弾いきまーす」
まず頂上の蜂型を倒してっと…やばい!これ爆弾じゃなくてデイジーカッターじゃん!しかもドンピシャ!あぁ…蜂型の針が欲しかったんだけど燃えてるね…しかもコガネムシ型もいるじゃん!ミサイルでいいかな。
「次、コガネムシ型に照準!全くこれじゃ私以外の二人暇してるじゃない!」
「すみません。言いにくいのですが…。鋸山が全焼して中にいた敵がやられてそうなんですが」
「だから言ってるのよ!」
確認に行くと酸欠らしきアイク達の死体が掘られた洞窟内で見つかったので回収後、葉月姐さん専用の無人回収機に回収されるようにGPS付き風船で空に打ち上げた。館山にいたから来ると思うけど…。なるほど、戦闘してるだろうと既に待機してたのね。これで稼げるなぁ。
「予想以上に儲かったから良かったのかしら」
「コガネムシ型43匹の内28匹が傷なしで回収。蟻型ほぼ全て傷なし。カマキリと蜂は惜しかったけど、大儲けだねぇ」
先輩達も現金だなぁ…。ついでに言うと傷なしコガネムシ型1個体1000レジスタンスドル、蟻型なら500くらい。傷つきとは穴が開いてたりする個体のことで、報酬が半分に下がる。傷がなければ部位だけでも平均1つ1000はもらえるのでこれが僕たちのお小遣い稼ぎになる。お金は葉月さんなどの研究者が買うらしい。普通の部隊だと攻撃でハチの巣にされているから、主に僕たちが供給元となる。
「私も戦いたかったのです」
「それならよかったわ!増援よ!数はコガネ約50・アリ約160・カマキリ約70・ハチは約120ぐらいね!さっきの騒ぎで寄ってきたのね!メイちゃんは蟻型に!小梅はコガネムシ型、水無月君はカマキリ型をやって!私は蜂型の相手よ!」
「「「了解!」」」
「お楽しみの蟻型狩りの時間なのです!」
ポンッといった軽いような銃声をさせながらメイちゃんは楽しそうに蟻型を蹂躙していた。弱点の頭と胴体を繋ぐ体節を狙っているけど、慣れてるからか簡単そうに見えてしまうなぁ。
「またコガネムシ型?まぁ硬いのへの攻撃は私しか不可能だからねぇ」
ドゴン!という音をさせて25mmのスナイパーライフルを撃ってコガネムシ型を倒しているのが南先輩。対戦車兵器でないと攻撃は効かないらしいが、南先輩曰く、柔らかい口部分から体内を榴弾で狙撃すれば倒せるらしい。出来る人は先輩1人だけらしいけど。
「蜂型の針が高額買取なのよねぇ」
戦闘中に余裕があるなぁ…。まぁしっかり腹と胴体を繋ぐ体節を売って落としてるから大丈夫でしょ。しかしよくあんな40㎝位の所を狙い撃てると思う。
「よそ見してたらカマキリ型到着していますね!戦闘開始!」
すると早速鎌が伸びてきた。攻撃が上から振り下げと足を止めてからの横からの引き寄せと突進しかないから分かれば簡単に対処できる。
「この動きは右引き寄せだから脚を斬れますね」
予想通り引き寄せ攻撃なので無防備な左脚を斬ってバランスを崩したら鎌も斬ってと最後に頭を取れば終わり!かと思ったらうわっ!食われてるよ…。これだから大群は嫌だねぇ。
「まとめて脚を斬っておきましょうかね」
報酬の為、脚を斬っていると一回り大きい個体がいた。あれは繁殖と指揮を行うキング種という珍しい個体でなんと鎌一つ5000で売れる。その為身体強化で早めにカマキリ型を斬り殺しては奥に投げて食われないようにしておいた。残るはキングカマキリ?と取り巻きだけとなった。
「カマキリ型と同じ動きだといいけど…」
やっぱり異なる動きだった。取り巻きを動かしてチームでの攻撃をしてきた。
「しかし、戦闘経験がないから自爆も誘えて排除したし大丈夫か…!くっ!上にいたのか!」
上から飛んできてダイブして回転切りか!随分アクロバティックに進化してるな。右腕が切られたけど繋がっているなら大丈夫そうだな。しかしずっとホバリングしてるから足を狙ってバランス崩すのは出来ないか…。
「でも力は強くはないから弾けるけど手数が多いな…。狙うなら翅かな?」
両腕振り下げを狙い、後ろに回ると直ぐに反応して横に飛んで避けようとした。
「でも、これなら予想済み!」
フックで引っ掛けてそのまま背中に取り付くことが出来た。
「翅を斬ってしまえばこっちのものだ!」
翅を両方斬り落とすとキングは飛べずに地面に落ちた。動きも普通のカマキリ型の速さより遅い。すると右引き寄せをしてきた。回転切りは飛べたから出来ただけで今は出来ないらしい。
「これなら!」
左脚に刃を入れて振りぬくと脚が切り取られ、それでバランスを崩したキングは飛んで逃げようとしたが翅はもう無いのでそこら辺を這いずるしか出来ていない。
「はぁっ!」
止めに頭を切り取ると少しよろめきながら崩れ落ちた。
「長く苦しい戦いでした。って言うとかっこいいよね」
「バカ言ってないでさっさとあたしのこと手伝ってくれるかしら?」
「ハイハイ…」
一通り、蜂型でクレー射撃擬きし終わると、他のメンバーも戦闘が終わっていた。
「すっきりしたのです!さて回収、回収♪」
「私もやらないとなぁ。」
「あたしは蜂型の針を回収しなきゃ!」
「キングがいたので回収しませんとね…」
その後、キング種の部位は葉月さんが買ったので少し報酬が多めだった。
「さて、小梅以外の3人はまず移動前に水浴びね」
見事に3人は体液でぐちゃぐちゃになっていた。
「と言ってもまだ半分程度の場所しか来てないのです」
「まだ歩くんですか…」
「私、そこの二人と同じこと思った。」
「ここまだ鋸山なのよね」
「「「「道のりは長い」なぁ」」」のです」
近くの小川で体を洗いつつ、そう嘆いていた。
「やっとこさ、木更津駐屯地に着いたわね…」
「水もせっかくのおやつも無いのです。
「で?なにこれ?」
「なーんにもいませんね」
「スキャニングにも反応なしよ。空にいた無人偵察機のカメラの映像だと増援の進路は方角的にここからね」
「つまりどういうことなのです?」
「誰かさんが派手にやったから全軍で急いで増援に来たらしいねぇ…」
「「「デイジーカッターなんて投げるから…」」」
「僕は悪くないですよ!あんなの乗せてるのが悪いんです!」
何の抵抗もなく木更津駐屯地を確保するのであった。
デイジーカッターとはアメリカが開発した爆弾で6803・8㎏の航空爆弾で爆発半径は1500mから1700mの爆風半径を持ち離れていても見える爆発を起こすベトナム戦争時に開発されたもの。地表に爆風が走るので範囲内のものは派手に爆発四散!南無三!となる。(ガバガバ概要)何でそんなもんを投げれるかは…。身体強化でいけたんです!