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日向の自警団体験2日目 やせいのマフィアこうせいいんがあらわれたぞ!!

「みんな、最近ここらの区画は怪しい武装集団が占拠してる。刺激しない様にしてくれ。あいつらはレジスタンスレベルで武装してるし、まだ死にたくはないからな。」


少し移動し、コンクリート製の建物が増え始めた区域に六花達はいた。景信と六花が警戒しつつ物々しい区画を歩くと、早速黒いシャツと作業用ズボンとチェストリグを着用してアサルトライフルで武装した2人組が歩いてきた。


「刺激するな…今の所手出しはしてこないからな…」


そんな言葉を聞いてなかった様に日向はそちらに駆け出す。


「あー!!ジル!ロミー!」


『あら〜!良かった〜。きちんと合流出来たわねロミー!』


『…派遣された弟の話を聞いてボスに会いに行くとか言って出ていかなけりゃすんなりいっただろうよ』


自警団組はよく分からないが友好的にやってきたよく分からない事を別の言語で話す2人組に警戒をする。その2人組に日向達は近づくと話始める。


『へーヒナちゃんの部下の人達?』


『そー!黒シャツ隊!前のマリア達の部隊をそのまま引き継いだんだー!こっちがジルで、こっちがロミー!』


『ジルよぉ。マリア姉さんは運営側に回っちゃったから私が長女って訳!』


『俺はロミーだ。黒シャツ隊ではリーダーを長男とか長女と呼んで、それ以下の隊員は弟と呼ぶ事になってるからあれがリーダーなんだがな…バカですまない』


ジルがまくし立てた後、ロミーは頭を抱えて説明する。


『オネちゃんイタリア語出来たんだー』


『…能力の補正もあるけど、小さい頃、友好的な国の言語を毎日みっちり教えてくれる先生がいたからね…。英語とイタリア語なら話せるよ』


幼女達が謎の武装集団と話している様子を2人は見ながらコソコソ話す。


「…様子からしてさっきのと同じか?憲兵課長に一時的な人員補充をお願いしたとはいえ…よりによってなんで日向ちゃんなんだよ…まぁあいつらよりゃいいが」


「…あいつら?」


「…司令部直属の特殊部隊のスナイパーコンビ。どこにいても狙撃するらしい。どうせ来るなら芽衣ちゃんが見学に来てくれないかな…いや、あの幼女共の保護者のバケモン来るのは…」


「…六花さんっていう人?」


「…俺は銃弾が効かない高速移動するあの生命体を人とは認めない。…あれの小さいのが最近地上にうろついてるしな…」


小さいのこと、リッカーズ達は日本統治領に徐々に生息域を増やしている。それぞれ掃除(小さいものから大きなものまで)や監視カメラ代わりをして働いている。自警団本部と憲兵課に話せる個体が通報装置としていて、日々色々な地上の犯罪行為を通報している。昨日のパトロールコースの個体はオリジナルに信号をおくっていた。今日は何となく着いてきた20個体位がその辺を駆け回って周辺の偵察をしている。


『それじゃあ、あのワッペンつけてる連中に協力してあげればいいのね!』


『助かったボス。うちらも2階層はまだしも3階層までは完全にカバーしきれなくてな…』


『うん!比較的平和な2階層は人数が少ないあっち任せでこっちは抑え込んでおいて!』


『僕伝えてくるね!』


六花は隠れている2人に近寄ると、


「えーっと…あの人達が手伝ってくれるって!元々ここの住人の人で、自主的に2階層と3階層をパトロールしてたけど手が足りなかったんだって!」


「なるほど…?それで?」


「2階層はそっちに任せたいって!こっちに本部があるから2階層があまり上手く出来てないって」


「…上に相談すると伝えてくれ。そっちも必要だろって」


それに六花は目を泳がすと、


「ヒナちゃんがオーケーならあの組織はオーケーかなって…」


と答える。


「…了解。課長のあの発言はそれを踏まえてやがったか…」


景信が今回、日向の派遣前に言われた『知ってますか?景信君。人間は好ましい結果さえ出れば、案外過程は気にしないものですよ』という言葉だった。そしてそれが日向を指しているという事だった。


「この国の為に娘を犠牲にするのかよ…」


憤慨する景信に六花は幼女らしく小首を傾げると、訂正を言い放つ。


「…勘違いしてない?景信お兄ちゃん。まず1つ、あの人達はあくまでヒナちゃんの言う事に従うだけ。2つ目はヒナちゃんはやりたい様にやってる。最後に…この国にヒナちゃんは制御出来てないよ」


「はぁ?!」


景信は驚き、近くの何かに手をぶつける。


「まずね、レジスタンスは司令部を好きにできるから置いといて、景信お兄ちゃんが食べているご飯を作る所もヒナちゃんと仲がいい人がやってるし、お兄ちゃんが持ってる銃はシチリア重工業製だからヒナちゃんの会社だし、服は太陽繊維工業で同じだし、まず何でも作るには材料が必要だけど、レジスタンスに委託されたシチリアマテリアルだから…全部ヒナちゃんのものだね!」


指折り語る六花は唖然とした景信を放っておき、さらに語る。


「まぁ…この国自体、芽衣お姉ちゃんが健やかに過ごせる為になる事をすることを前提にヒナちゃんと行政側が約束をしてやってるって言ってたしね!」


「…つまり日向ちゃんが実質国のトップやってるのか?」


「ううん?めんどくさいし、任せておいても皆考えは大体同じだから問題ないって!」


正しくは【そうなるように過激派と不穏分子を消したから】任せても大丈夫である。芽衣信者過激派や旧軍派、反体制団体、暴力団体や犯罪カルテル等々を私兵とレジスタンスの一部部隊にてこっそりと潰して回っている上、その構成員はお空の上か海上プラントにて幸せそうに労働に勤しんでいる。


「…最貧層でも月1回のテロ事件が起こる程度の治安は芽衣ちゃん様々ってか」


「可愛いは世界を救うんだって!」


深くため息をつき、景信はそんな話聞きたくなかったぜと呟くと、ゾロゾロと走ってきた完全装備の黒シャツ隊員達によろしく頼むとハンドサインをする。それに対し、黒シャツ隊の面々が揃った答礼をすると更に景信はうんざりとする。


「…あいつらぜってえ地元の民警団なんかじゃねえ」


「嘘ついてごめんなさい!本当はヒナちゃんの警備会社の人達なんだって!」


「つまりは私兵かよ…つまりあのトラックの連中もか?」


「多分」


正しくはトラックの方は誘拐(リクルート)部隊を保有したシチリアグループの人員派遣部門、こっちはハンターオブシチリア所属の戦闘部隊なので少し違うが、大体日向が指揮してるものなので肯定した。


「…小学1年生の癖になんで私兵部隊と国のインフラの大半握ってるんだよ」


「あはは…」


六花はハワイ島イギリス領を実質国家転覆させ、都合の良いカーター第2王子をトップに就任させた事を思い出す。当地は現在、国軍とインフラ復旧を誰かさんにアウトソーシングしており、平民出身の為に貴族役人に酷使されている所を助けられたり、共に仕事をしてきた中で労われたり必要とされた事でこんがりと脳を焼かれてしまい、カーター第2王子を尊敬を超えた崇拝レベルの忠誠を誓う一般公務員達が以前よりスムーズに国家運営をしている。ちなみにカーター第2王子の胃は現在国家運営のストレスと妹が親友から受け継いでしまった外遊癖といつの間にか自分が稼いでしまった領民の好感度による王政復古の声でズタボロである。


「はぁ…織音ちゃんはよくあんなのと付き合えるなぁ」


「なんだかんだ悪いことする人以外には優しい子なんだよ!あの人達も元々仕事も家もなかったらしいし」


六花の擁護に景信は訝しそうに見るが、日向は【ボスを失い】行くあてのない【マフィア構成員の】人達に【力と口先でボスの座を奪い取り】家と仕事を用意したので、嘘では無い。追記するなららその途中で麻薬や犯罪肯定派の数百人が行方不明となった。彼等はきっと南の海で魚達と早めのバカンスを楽しんでいるか、工場労働に勤しんでいるので問題は無い。


「類は友を呼ぶってか…ったく黒井総司令官の関係者達は皆、間宮のゴリラ除いて可愛いのになんで揃いも揃ってこんなのばっかりなんだ…」


「ふふっ♪ありがとーお兄ちゃん♪」


「…はぁ」


景信は頭を抱えていた右手を六花の頭において髪をぐしゃぐしゃにすると、髪を直す六花に背を向け2階層への連絡通路に向かって歩き出す。それを待ってーと言いながらいつの間にか目を回していた凛をファイヤーマンズキャリーで運びつつ六花が追いかけ、その付近をあちゃーといった顔で日向がふよふよ浮かびつつ飛ぶ。


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